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ジプシー・トレーナー 青コーナーの叙事詩
エディ・タウンゼント 著 スポーツライフ社 / 1981.12
久し振りに本の紹介。
先日、『ミリオンダラー・ベイビー』を観に行ってやっぱり思い出したのが、エディ・タウンゼントさんでした。
今日、急に片付けがしたくなり、積みっぱなしの本や映画のパンフレットなどを整理したんです。
ふと、そういえばエディさんの本があったはず~と思って探してみると、ありました、『ピストン堀口の風景』『大場政夫の生涯』と並んで、エディさんの『ジプシー・トレーナー』が。
私、本を読み返すという事をしないタイプなのですが(今までに1冊だけあったけど)、ちょっと読んでみたくなりました。
この本は、初版が1981年で、私が持っているのは1991年に発行された3版です。買ったのも1991年頃だったと思います。なので、10年以上前のもの。
ボクシングは渡辺二郎さんの初防衛の頃から興味を持ちました。ただの殴り合いを見ているようなキレてる観客には嫌悪感を持ちましたが、リングの上で闘っているボクサーには尊敬の念を抱いたと思います。
想像を絶する練習と減量。リングの上では誰にも頼る事が出来ず、ひたすら自分一人で闘っている姿。血が出るファイトはあんまり見たくないけど、彼らの精神の闘いは素晴らしいと感じました。
なので、引退後のボクサー、リングの上で闘ってきた自分を失って欲しくないな~と常日頃思います・・・。
あ、本の話し・・・。
エディさん、6人の世界チャンピオンを育てたトレーナーとして有名人ではあるのですが、そこはトレーナーという日陰の存在。私もリングサイドでのエディさんを覚えていません。といっても、エディさんのトレーナー時代と私のボクシングファン歴のラップがそれ程ないので、印象がなくても仕方ないと思うのですが。
エディさん、井岡くんについたのが最後でした。井岡くんの試合中に亡くなったんですよね(確か、『知ってるつもり』でやってたような?)。
この本は、エディさんの語りを文章に起こしています。エディさん、日本語の読み書きは全くできないそうで、文法無視のメチャクチャな片言で話しています。なので、読むのも理解するのも、慣れるまで少しだけ大変かも。
エディさんはハワイ出身でアマからプロへ、その後、力道山の半ば強引な誘いを受けて、トレーナーとして1年契約で日本にやってきました。ところが、その後、生涯を日本で過ごす事になるのです。
日本での功績は素晴らしいもので、日本のボクシング史を塗り替えた人物と言われる程の功績を残しています(世界チャンピオン6名を育てたというだけで凄い!)。
そんなエディさんが携わってきたたくさんのボクサーとの思い出や、数々の試合のエピソード、エディさんのトレーナー論、日本のボクシング界の在り方等が綴られています。
エディさんのお人柄が伺える一節、
「~~ ジム入ったの。びっくりよ。あの棒、竹刀ね。パンパン・・・。ぼくね、棒と目、使わないんですよ。ぼく、ハート。ラブ・・・、ラブで教えるの。」
教え方以外でも、エディさんは常にボクサーの事を考えていました。殴り合いを見にきている観客に対して、試合中、トレーナーがタオルを投げる事はして欲しくない行為です。でも、エディさんはタオルを投げます。ボクサー生命というより、個人の将来を思えばこそ、これ以上続けると命すら危ぶまれる・・・、無事に家族に返さなければ・・・、と常に考えている人でした。
最後に、沢木耕太郎氏のコメントの中から、
「~~ エディさんに関する本ではなく、エディさん自身が著者である本、というのが嬉しかった。そうであるなら、エディさんに本の印税が入るはずだからだ。たとえそれがどれほどの額であっても、日本のボクシング界に大きく貢献しながら、あまりにも報いられることの少なかったエディさんには、素晴らしい贈り物になるにちがいないと思ったからである。 ~~」
眼底骨折とか、鼻骨骨折とか、まじかで観ましたけど怖いですよね。
選手のことを第一に考えるエディさんは良いですよね~。いろんなエピソードに触れるたびに素晴らしいと思います。
エディさんって、印象に残る方ですよね。
えーーーーっ!!
samurai-kyousukeさんはエディさんのお仕事ぶりを実際に見ていらっしゃるんですか?
本当に選手のこと、選手の将来を考える人なんですね。
小さい身体というイメージがあるのですが、でもって、目は優しいのかな~?試合中は厳しい目なのかな~?とか、私も見てみたかったです、エディさん。。