詩人の長田弘さんが亡くなった。
私のバイブル「アメリカの心の歌」の著者だが、恥ずかしながらピーター・バラカンさんの番組でそのことに触れられるまで、全く忘れてしまっていた。
「アメリカの心の歌」は1996年出版の、数少ないアメリカのフォーク系の著書。久々に本棚から取り出してみると、染みだらけでボロボロ。付箋が貼られていて、何だろう、と思って開いてみたら、ナンシー・グリフィスの章だった。
当時は、あるいは多分今でも、ナンシーについてきちんと述べられている文献はこの長田さんの著書だけではないだろうか。ナンシーのアルバムのジャケットにはテキサス人の作家たちの本が意図的に用いられていることを長田さんは指摘している。「歌の世界と本の世界はずっと隔てられてきて、むしろ相容れないものであるかのように考えられている。ナンシー・グリフィスはそうした隔たりを、あっさりときれいにとっぱらってしまう。本に対するそうした開かれた態度は、たぶん歌に対する彼女の考え方からきている。」詩人ならではの考察と思ったものだった。
心からご冥福をお祈りいたします。
私のバイブル「アメリカの心の歌」の著者だが、恥ずかしながらピーター・バラカンさんの番組でそのことに触れられるまで、全く忘れてしまっていた。
「アメリカの心の歌」は1996年出版の、数少ないアメリカのフォーク系の著書。久々に本棚から取り出してみると、染みだらけでボロボロ。付箋が貼られていて、何だろう、と思って開いてみたら、ナンシー・グリフィスの章だった。
当時は、あるいは多分今でも、ナンシーについてきちんと述べられている文献はこの長田さんの著書だけではないだろうか。ナンシーのアルバムのジャケットにはテキサス人の作家たちの本が意図的に用いられていることを長田さんは指摘している。「歌の世界と本の世界はずっと隔てられてきて、むしろ相容れないものであるかのように考えられている。ナンシー・グリフィスはそうした隔たりを、あっさりときれいにとっぱらってしまう。本に対するそうした開かれた態度は、たぶん歌に対する彼女の考え方からきている。」詩人ならではの考察と思ったものだった。
心からご冥福をお祈りいたします。