いちみや医院・院長日記

某耳鼻科医の日記(?)です。医学的なことはあまり書いていなくて、ごめんなさい。

スカの隠れ名盤

2011年06月21日 | Weblog
 スカ、ロック・ステディの話になりましたので、ついでにこれも紹介しておきます。
 Blue Rivers and the MaroonsのBlue Beat in my Soul。私がボストンに移住したばかりの1991年夏、中古CD屋で見つけました。当時、スカ音源は、まだまだCD化されていなくて、ジャケットにskaと書いてあったので買ったのですが、このバンドについてはいまだに全く知りません。ググってみても、イギリスのバンドらしいってこと以外、ほとんど情報が得られない。このアルバムのレビューはいくつか見つかりましたが、やはり、皆、私と同じように高く評価しているようです。
 ソウルっぽい曲も多いので、恐らくソウルのバンドがスカ、ロック・ステディのカバーをやった、という企画なんだろう。オリジナルと思われる曲の他にも、Guns of NavaroneやPhoenix Cityとかの有名曲もやっていて、どれもが名演。
 現在は廃盤のようですが、入手はあまり困難でなく、ネットではお手ごろ価格で中古盤が取引されているようです。

今年の猛暑をロック・ステディで乗り切る

2011年06月17日 | Weblog
 まさか、これがCD化されていたとは...
 もう1枚ジャマイカ盤CDを紹介します。あまりにエグいジャケットに惹かれてLP買ったのが、もう20年以上も前のこと。スタジオワンが出したロック・ステディのコンピレーション。アルトン・エリスやケン・ブースの名曲が収録されていて、内容はジャケット以上に充実している。ロック・ステディって好きなんだけど、リズムが緩すぎて退屈なものも少なくない。このコンピは別格で、一曲一曲、どれもが素晴らしい。
 有名な話だが、ロック・ステディのリズムが生まれたのは、1966年にジャマイカを襲った猛暑が関係しているらしい。うだるような暑さの中、スカのリズムでは早すぎて踊れず、レコードの回転を遅くして流したのがそもそもの始まりといわれている。
 今年の猛暑は、窓開けて扇風機ビュンビュン回しながら、このCD聴いて乗り切ろうと思います。

スカタライツのCD

2011年06月16日 | Weblog
 私が一番好きなスカタライツのアルバム、Celebration Time。アマゾンでずっと探していたのだが、見つからない。ハートビートはスカタライツのスタジオワン音源を結構CDにしているが、何故かCelebration Timeの収録曲はもれているし、CD化出来ない事情でもあるのかと思っていた。
 ところが、何気なくディスクユニオンのネットで検索してみたら、なんと、 More Celebration Timeという名でCDになっているではないか!LP版Celebration Timeの曲目は全て収録されているようだ。
 このアルバムは、他のスカタライツの曲と少々違っていて、南国ムードたっぷりの穏やかな曲が多い。キューバ出身の、ローランド・アルフォンソの趣味が反映されたのではとも言われている。
 しかし、私はLPをCD-Rにコピーして、自分でCD化していたけど、このCD、音質があまり私のと変わらない。昔の録音だから仕方ないか。スクラッチ・ノイズが無くなった分、音は良くなったのだが、ノイズが入ってた方が臨場感があって聞こえるのは、年のせいか。

音楽嗜好症

2011年06月15日 | Weblog
 映画「レナードの朝」のセイヤー医師。本名はオリヴァー・サックスというらしい。先日ピーター・バラカンの番組で紹介されていた彼の著書、「音楽嗜好症(ミュージコフィリア)―脳神経科医と音楽に憑かれた人々」を買った。カバーの解説をそのまま引用すれば、「落雷による臨死状態から回復するやピアノ演奏にのめり込みだした医師、ナポリ民謡を聴くと必ず、痙攣と意識喪失を伴う発作に襲われる女性、指揮や歌うことはできても物事を数秒しか覚えていられない音楽家など、音楽に必ずしも好まずして憑かれた人々を温かく見守りながら、時にしつこく人間の頭の中にまといついて悩ませ、時に障害を治療する効果を発揮する、人間にとって不可分の存在であるように思われる音楽に共感を馳せる。脳神経科医サックスの待望久しい本格的医学エッセイ」。
 まだ少ししか読んでいないが、実に面白い。耳鼻科医の私には「蝸牛失音楽症」の章が興味深かった。自分の弾いているピアノの高音がひどく高くて調子はずれになったと、60才代の作曲家がサックス医師の診察を受ける。サックス医師は次のように考えた。蝸牛管から出る可聴音が音の高低にしたがって大脳の聴覚皮質にマッピングされるのだが、聴覚皮質のマッピングは動的で、状況が変われば変化する可能性がある。損傷のある蝸牛管からのインプットに変化が生じた脳が、それに順応してマッピングが変化したのではないかと。
 私は未だこのような症例に遭遇したことがない。もしかしたら、そのような患者の訴えに気づいていなかったのかもしれない。耳鼻科医は聴力の精密検査と称して250から8000ヘルツの高さの音の聞こえの程度を調べるが、それは1オクターブ間隔の大雑把なものでしかないし。
 聴覚は奥が深いですね。