建築設計について

建物を建設するときに何が大事かということを考えてみました。

建築主の予算と工事監理!

2012年07月19日 | 工事監理

我々が建物の設計を依頼されて、最初に感ずることの大きな問題は建築主が建物に掛ける費用と要望する内容とのアンバランスな状況です。

建物は一つ一つの部品を組み合わせて空間を組立てて作り上げていくものですが、すべての部品に価格が設定されており、1つの部品を変更したり、追加することで全体価格も変わってきます。個人が拠出する費用の中でも最大な費用であるため、その中でちょっとしたものであれば吸収できるのではないかと思い無頓着に追加変更をしてしまいます。

建設業者は競争見積もりになった時には、仕事を手中にするために極力無駄を省いて経費を抑えて、下請け企業に発注できるギリギリの単価で見積書を作成して、建築主に提出します。場合によってはこの時点で利益0または赤字ということもあります。このような状況で利益を捻出するために現場においては様々な詳細な打ち合わせを行い、見積時に見落としていた省力化や無駄を省きながら工事を進捗させて行きます。しかし、打ち合わせと違う仕様に勝手に変更してしまう業者もいるため、工事監理は発注金額が安い時ほど慎重に行わなければならなくなります。