イラン高官、「ロシアでウラン濃縮」提案に前向き姿勢
ロシア案「真剣に検討」 共同濃縮提案
国際石油、イラン油田の本格開発に来年着手
ダル“イラン親善大使”に任命
12月25日のSharq紙から (清水)
ベネディクト16世とイランのキリスト教徒へのアフマディーネジャードのメッセージ
イランのアフマディーネジャード大統領は、バチカンのベネディクト16世と、キリスト教各国の首脳に向けて、イエスの生誕日と新年の始まりに際して、正義と理性に基づく平和と友好のメッセージを送った。
アフマディーネジャードは、このメッセージの中で、今日の矛盾と不正義に満ちた、争いをかき立てるような雰囲気において、これまでのどの時代よりも神の預言者たちの声に耳を傾ける必要があるということを指摘し、次のように強調した。
「生きることの基礎となっている価値へ再び関心を持つことが、正義、平等、全ての人への寛大さを描き出すであろう」
アフマディーネジャードはまた、預言者イエスの誕生日への祝福を述べる中で次のような考えを示した。
「残念ながら、暴力や争いを生み出し、浪費や売春などの他には何も考えようとしないような資本家の粗暴で物質的な世界において、平和と正義の預言者もまた大いなる抑圧者であり犠牲者である」
アフマディーネジャードは、預言者イエスの誕生日に際し、イラン人キリスト教徒に向けてのメッセージの中で祝福を述べた。
写真はテヘラン市内のアッシリア教会でのクリスマスミサのようす。
地震の避難訓練に際しての問題点 (読者からの意見)
11月28日に、第7回地震避難訓練が国際地震学研究所と地震学者の人力により行われ、12月21日にも、テヘラン市危機管理センターにより指定された州の地震避難訓練が行われました。
地震避難訓練を行うことや、人々がそうしたことについて知識を得ることの必要性は分かっていますが、どうしてこの二つのセンターが、このように平行して、互いに連携することなしにこうしたことを行うのでしょうか?
同じような考えを持ち、人々に有益な影響を与えることのできる二つの組織が、どうしてそれぞれ自分の楽器を演奏しようとするのでしょうか?
避難訓練が一ヶ月の間に二回も行われることが正しいことなのでしょうか?
バムで11の学校が建設
バムのレザー・アシュク赤新月社(赤十字に相当)所長は、11の学校建設プロジェクトが、赤十字と赤新月社、3つの救援センター、2つの診療センター、事務局、文化センター等の協力によって、現在も進行中であると言った。
所長は更に、「この一年間に、イギリスの赤十字からの資金援助を、母子家庭、身体障害者、老人、孤児など4566家族にそれぞれ300万リヤール(約4万円)ずつ配布した」と述べた。
12月24日のSharq紙から(清水)
子ども相手の金泥棒逮捕される
テヘラン州パークダシュト郡のヘサール・アミール駐屯所の警官の調べにより、この地区で子どもたちの持つ金製品を狙った泥棒が明らかになり、逮捕された。
パークダシュト郡の子どもたちが持つ窃盗について寄せられた多くの報告から、警察はこれについての調査を始め、二人の若い男性が、10才以下の女の子を人目につかない場所へ連れて行き、脅迫によって彼女たちが身につけていた金製品を奪っていたということが分かった。
被害者の一人は、調べの中で警官に対してこのように言った。
「家の前で遊んでいた時に、二人の若い男の人が目の前に来て、自分のことをお父さんの友だちだと言って、私にアイスを買ってくれようとしたの。私は二人についていって、誰もいない場所で二人は私の金を脅し取ったの」
パークダシュト郡ヘサール・アミール駐屯所の警官は、捜査を行い、往来に囮を仕掛け、数週間後に、ハミードとユーソフという二人の強盗を逮捕することに成功した。
取り調べの結果二人は、16件の余罪を自白した。
注 イランの女の子はごく小さな時からピアスや腕輪などの金製品を身につけていることが多い。これは装飾品としての意味と、通過の代わりの財産という意味とがある。
イランの省庁高官にとって交通事故の問題は重要ではない
第一回交通事故国際会議が、23日夕方、テヘラン大学工学部で開催されたが、イランの関連機関の高官は誰一人として出席しなかった。
ファールスのレポートによると、この会議に出席するはずだったテヘラン市長は、何の連絡もなしに欠席し、会議は誰一人としてイランの責任者がいない中で行われた。
この会議の開催については、テヘラン医学大学、交通省、交通運輸庁、保健衛生省、イラン・イスラーム共和国治安維持警察、交通次官、司法府、イラン工業庁、テヘラン市役所、イラン国営放送、赤新月社、世界衛生庁、北アメリカ・イラン学術協会などが共同で行っていたというのは興味深いことである。
この会議は、イランにおける人的災害をはじめとする、交通事故、その根源と償いのできない損害といった問題を検討し、交通事故に関連する様々な損害を減らし、防ぐための学術的研究を目的としていたことは、言っておかなくてはなるまい。
夜間大学の学費の値上がりについて (読者からの意見)
私はイラン学術・産業大学のベフシャフル校の夜間部に在籍する学生です。
私は今学期、570万リヤール(約7万5千円)の学費を払いました。そして、次の学期に20単位取得するなら900万リヤール(約11万8千円)を支払わなくてはなりません。これは私の家族にとって非常に大変なことです。
シャルグ紙には、どうして国立夜間大学が、このように高い学費を取るのかという問題について論説の中で触れてい欲しいと思います。
大学生たちは、学問や知識を欠くと来ることの代わりに、来学期の授業料をどうやって払おうかとということだけを考えなくてはなりません。
注 イランの平均的月収は約4万円くらいといわれている。それから考えるとこの四ヶ月分の学費としてのこれはかなり高いものだと思う。イランの国立大学の昼間部は基本的に学費は無料である。
一年で一番短い夜を祝う
イランの人々は昨夜(21日夜)、一年で一番長い夜を祝っていたが、南半球に住む人々は、一年で最も短い夜を過ごしていた。
南アフリカに住むイラン人にとって、シャベ・ヤルダー(冬至の夜)は、春の終わり、夏の始まりで、暑さがやって来る時である。彼らにとっては、一年で一番短い夜が、「ヤルダー(冬至)」だったのだ!
(注)シャベ・ヤルダーについてはこちらをご参照下さい。
五回目の地震災害訓練がテヘランを揺らした
テヘランは昨日(21日)午前9時、テヘランのガーリーバーフ市長の指揮により、五回目の地震災害訓練を行った。
非常事態に関連する44機関、テヘラン市各区役所、五つの州の救援軍、シャフラケ・ゴドス(テヘランの一地区)のシャーゴリー団地の住民など、6千人以上が、昨日、テヘランに大地震が起こったと想定し、避難訓練を行った。この訓練は、テヘラン市の非常事態に対する管理能力を高めるため、テヘラン22区において、ガーリーバーフ市長による「ヤー・エマーム・レザー!」という暗号によって始まった。
ガーリーバーフ市長は、タバス、ルードバール、バムの地震における自分の存在について指摘し、次のように強調した。「C130輸送機の墜落のような非常事態において、我々は、危機管理と能力を利用することにおける鍵となる役割、「指揮の統一」を持っていることことを示した。こうしたことから、それの達成は、危機管理の第一の目標として考慮されなくてはならないのである」
12月22日Sharq紙から (清水)
ロベルト・サーファーリヤーンとテヘランの大気汚染
映画評論家という経歴を持つロベルト・サーファーリヤーンがテヘランの大気汚染に関する記録映画を制作しようとした時、テヘランの大気は究極の協力者として、この数年で最も汚染された状態に達した!
我々はロベルト・サーファーリヤーンを、彼の映画についての評論や翻訳で知っているが、現在は記録映画監督として、テヘランの大気汚染の撮影を行っている。彼のこの行動は、彼の記録映画に対する関心と、これについての研究によるものである。
撮影はアーザル月の半ば(12月上旬)に始まり、アーザル月の終わり(12月下旬)までつづけられるであろう。
この映画は約30分ほどのもので、撮影はレザー・ティームーリーが行っている。
ロベルト・サーファーリヤーンはこの映画を、オロド・アッタールプールが制作している記録映画シリーズのために制作している。
アッタールプールはこのシリーズを大都市の難問と名付け、チャンネル4のために制作している。このシリーズの他の作品は、テヘランの地震災害についての啓蒙や、テヘランの水問題について、その他となる予定である。
ロベルト・サーファーリヤーンの他に、ピールーズィー・キャラーンタリー、ファルハード・ヴァルハラームなどがこのシリーズの作品制作を行っている。12月22日Sharq紙より(清水)
大気汚染のために映画制作に遅れが
「灰色の男たちの旅」「テヘラン朝7時」に続く、アミール・シャハーブ・レザヴィヤーンの第三作目の長編映画「記憶の色」は、テヘランで10月上旬に撮影が始まるはずだったが、大気汚染のために撮影に遅れが出ており、撮影開始が一ヶ月後までずれ込むであろう。
この映画の主演は、エッザトッラー・エンテザーミー、メフラーン・ラジャビー、シャフバーズ・ノウシールなどである。このノウシールは、イラン国外に住んで20年以上になる。
レザヴィヤーンはこのように述べている。
「俳優たちの一部は高齢であり、大気汚染のために仕事をすることができない。だから撮影に遅れが出ているのだ」
この映画の撮影は、テヘラン、バム、マーフブールグで行われることになっている。
当紙の映画サイトのレポートによると、この映画はある老人と、国外に住む一人の医師の出会いの物語であり、この出会いが二人の人間観を変えることになるというものである。脚本はレザヴィヤーン自身が手がけており、ヒーラージ社のプロデュースによって制作されている。12月22日Sharq紙より(清水)
「イラン」という言葉から何を連想するでしょうか?
一時期日本に沢山いた労働者たち?
ペルセポリスをはじめとする古代ペルシアの遺跡や美しい絨毯?
テロ支援国という「悪の枢軸?」
それぞれの人が接した「イラン」によって、それぞれの人がそれぞれのイメージを持っていることと思います。
日本に働きに来ていたイラン人と接したことのある人は、彼らの言葉や人柄、行動からイランというものについて情報を得るでしょう。そうすると、国の家族のためによく働く、人懐っこい人たちと感じたり、自由がなくて、真っ暗な国というイメージを持ってしまったり、麻薬を売ったり犯罪を起こす困った人たちというイメージを持つかもしれません。
イランを旅行した人は、日本とは全く異なる気候や食べ物、美しい歴史的建造物、それから旅行者にはとても親切なイランの人々に接して、イランほど素晴らしい国はない、と思うかもしれませんし、買い物でぼられたりお金を盗まれたりして、「イラン人ほど嫌な人たちはいない」と思うかもしれません。
あるいはそういった体験もまるでないまま、テレビや新聞などによって断片的に接する情報から、核開発を強行したり、ミサイルの開発をしたり、イスラエル殲滅宣言を出してみたりするとても危険な国であると思ってしまうかもしれません。あるいは「イスラーム」という言葉から、一夫多妻だったり、男尊女卑が激しかったり、宗教に縛られた非常に遅れた国であると考えるかもしれません。
どれも正解であり間違いであるように思います。
じゃあ、どんな国なの?と聞かれても、なかなか一言では表現し切れません。
そこで、日本ではなかなか紹介されることのないイランの今を、イラン国内で発行されている新聞を通してご紹介してみようというのがこのブログの趣旨。
テヘラン大学外国語学部日本語学科の在学生や卒業生の有志が翻訳をしたこのブログが、イランを知るきっかけの一つとなりましたら嬉しく思います。
ブログ責任者 日本語学科講師 清水