忍之閻魔帳

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Hulu「十角館の殺人」映像表現までが80年代、角川全盛期を思わせるアイドルドラマの秀作

2024年03月27日 | 作品紹介(映画・ドラマ)


▼Hulu「十角館の殺人」映像表現までが80年代、角川全盛期を思わせるアイドルドラマ



配信中■邦ドラ:Huluオリジナル|十角館の殺人

十角形の奇妙な外観を持つ館「十角館」を舞台に巻き起こる
大人気ミステリー作家・綾辻行人の記念すべきデビュー作品がHuluで実写ドラマ化。
映像化が困難と言われ、幾度もオファーがありながらも実現しなかったが
テレビ朝日在籍時代に「安楽椅子探偵」シリーズを手掛け、
「シグナル 長期未解決事件捜査班」「コールドケース〜真実の扉〜」など
サスペンス・ミステリー系のドラマを中心に活躍している内片輝の演出によってついに完成した。

出演は奥智哉、青木崇高、望月歩、今井悠貴、長濱ねる、鈴木康介、小林大斗、
濱田マリ、池田鉄洋、草刈民代、角田晃広、仲村トオル。
全5話構成で、配信開始初日より全話一挙配信中。

NHK版の「大奥」やTBS「ラストマン」などで地道に経験を積んできた奥智哉にとっては初の大役。
ゲーマーにとっては「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット ゼロの秘宝」のCM
しりとりをしていた姿に見覚えのある方もいるのではないか。
ミステリー研究会のメンバーには望月歩、今井悠貴、長濱ねる、鈴木康介、小林大斗など
色の強すぎない若手が起用されており、「ここにこの人がいるならこの人が犯人だろう」という
いわゆるキャストバレの心配もない。

日テレと実写の学園ミステリーといえば「金田一少年の事件簿」シリーズだが
歴代ジャニーズが主演を務めてきた同シリーズと違って、こちらはアミューズの俳優が主演。
キャストの年齢や安定感からして館シリーズの続編制作を視野に入れているのは明らかで
今後地上波進出があるかが気になるところ。



奥智哉がワトソンであり、青木崇高がホームズであるとするキャラクター設定は
初代「金田一少年の事件簿」の古尾谷雅人と堂本剛にも通じるが
二人の掛け合いから生まれる空気感はこれが初仕事とは思えない相性の良さ。
青木がうまくリードして、まだ少しおぼつかない奥の魅力を引き出しているのだろう。

物語の舞台となる十角館の造形が素晴らしく、本作の世界にすっと入り込むことができたのがまず良い。
長濱ねるの聖子ちゃんカットだけはちょっと露骨でやり過ぎではあるが、
スマホもインターネットも普及していなかった『1986年』へのこだわりもかなりのもの。
近年の日本のドラマが海外ドラマに比べて圧倒的に劣っているのが
土台作りにかける費用だと常々思っているのだが、このドラマはそういった「ここをケチったな」と思わせる箇所がない。
小さなことのようで、こうした積み重ねが作品のクオリティをぐんと底上げする。

原作は累計100万部を超え名作として語り継がれているだけに、ミステリーとしての完成度は高い。
孤島に立つ十角館で発生した連続殺人事件に翻弄されるミステリー研究会の面々と、
ミス研メンバーが島に渡るきっかけとなった殺人事件の謎を追うホームズ&ワトソンが
ザッピングしながら徐々に核心に迫っていく展開の巧さに引きずられて、
全5話を少しずつ楽しむつもりが、気がつけば2日で見終わった。
謎解きの核心部分に関しては、天候に恵まれなければならなかったり体力的にどうかと思う箇所があり
やや強引にまとめられた気がしないではないのだが、そういった些末な疑念を吹き飛ばすほど
ミス研メンバーを始めとする出演者が良い仕事をしている。
「全員で売れるぞ」という気概と言うか、若手劇団の舞台を観に行った時のような
テクニックだけで片付けられない魅力があるのだ。
中でも江南(奥)の友人である守須を演じた小林大斗は、ちょっと先が楽しみになる逸材。
現在大活躍している若葉達也や藤原季節の芝居を初めて見たときのような独特の空気を纏っていて
今後の邦画界で少しずつ頭角を現してくるのではないかと予想しておく。

主演の奥は、台詞運びに若干の硬さが残ってはいるものの
「時をかける少女」の原田知世や「死者の学園祭」の深田恭子や
「Another アナザー」の橋本愛にも似たアイドル映画の主演俳優としての華やかさがあり
彼を中心に据えることで本作は角川全盛期の青春映画のような雰囲気を持っている。
同じアミューズで言えば、三浦春馬の若かりし頃にも少し似ているか。
今後場数を踏んで三浦のような本格俳優に育っていくのか
フカキョンのように魅力だけを武器に突き進むのかはまだこれからわかること。

まるで「リング」のような被害者の顔や切り取られた手首の映像、
登場人物が煙草を吸いまくるなど、コンプラに厳しい現代の地上波での放送はかなりハードルが高いと思われる。
興味のある方は、アイドル映画を1本劇場で観たと思って1ヶ月分支払っても良し。

連続ドラマ「十角館の殺人」は現在Huluで配信中。

Hulu
<ディズニープラス>
<Hulu>*D+とのセットプランはHulu経由での登録です

ふつふつと学園ミステリー熱が湧き上がり初代の「金田一少年の事件簿」を見返すかと思って
検索をかけてみたのだが、日本テレビ運営でありながら「金田一」は初代は劇場版のみ、
実写はなにわ男子の道枝が主演を務めた最新版しか配信されていなかった。(アニメ版はある)
フジのFODやTBSのParaviもそうだが、テレビ局運営の配信サービスなら
せめて自社のドラマぐらい全部置いておいて欲しい。




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原作小説。


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こちらはコミカライズ版。
Hulu版が原作にかなり忠実な作りなのに対して、コミカライズ版は少々展開が異なる。
主人公の江南は女性で、最初の死亡事故の原因やミス研メンバーの行動が違っていたり
原作では1986年の時代設定が2018年に移されてスマホが登場したりと
原作者である綾辻行人の監修によるアレンジが施されている。



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