忍之閻魔帳

ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)。
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藤井隆が攻めまくり、SLENDERIE RECORDのオムニバスがイケすぎている

2020年10月28日 | 瓦版


▼藤井隆が攻めまくり、SLENDERIE RECORDのオムニバスがイケすぎている

当BLOGほど藤井隆の才能に注目してきたブログもないだろうと自負している。
深夜帯で神田沙也加や椿鬼奴らと関西ローカルを街ブラして遊んだり((ザ・狩人」)、
岸本加世子と週替わりで習い事をこなしたり(「ルートf」)、マシュー南として
自分の好きなアーティストやタレントだけを招いて好き放題したり(「Matthew's Best Hit TV」)、
藤井がメインを張る番組はどれも毒がなく、吉本芸人特有の生臭さがない。
あの時のギャラがいくらだった、こんな女にひっかかったという
下世話な酒場トークを使わずして見るものを笑顔にする才能が藤井にはある。
そしてその能力は、現在も不定期で登場する「あさイチ」や
「おげんさんといっしょ」(次回放送が11月に決定)でも遺憾無く発揮されている。

三谷幸喜の舞台にも登場するなど、役者や声優としても確かな力量を持つ藤井だが
私が特に高く買っているのが音楽家としての顔だ。
と言っても、世間の大半が想像する「ナンダカンダ」の藤井隆ではない。
「ナンダカンダ」のヒットで紅白に登場したことで世間的には
あの曲限りの一発屋のように思われているのが不憫でならない。
藤井隆は無類のアイドル好きとして知られるが、歌い手としての武器と魅力は
シティ・ポップスでもAORでもいけてしまう柔軟性の高さ。
どんな大物と組んでも、自身のアイデンティティを失わないまま
プロデューサーの世界観にマッチさせてしまうのだ。
それでは、過去記事の中から何本か抜粋し、音楽活動を振り返ってみたい。



発売中■CD:She is my new town / I just want to hold you / 藤井隆

実はかなり音楽的なセンスに長けている(と私は思っている)
藤井隆が久々に音楽活動を再開。6年振りにニューシングルを発売する。
1stアルバム「ロミオ道行」は驚くなかれ松本隆のプロデュース。
筒美京平、堀込高樹、本間昭光、田島貴男、コモリタミノルら
超豪華作家陣を迎えて製作されている。
その後もキリンジ堀込高樹による「わたしの青い空」や
Tommy february6による「OH MY JULIET!」など名曲を連発していたのだが
2007年から音楽活動は休止していた。
今作のプロデュースは娘ともども親交のある松田聖子。(2013年6月2日)




発売中■CD:ディスコの神様 / tofubeats

様々なアーティストをゲストボーカルに迎えるtofubeatsが
森高千里の次に藤井隆をフィーチャリングに指名。
藤井を起用しての80年代風ディスコソングとは、
相変わらずtofubeatsのセンスは抜群。(2014年4月16日)




発売中■CD:Coffee Bar Cowboy / 藤井隆

椿鬼奴、レイザーラモンRGとユニットを結成したり
独自のレーベルを起ち上げたりと、このところまた音楽活動が盛んになってきた
藤井隆が、2015年6月に11年振りのニューアルバムを発売。
共同プロデューサーとしてノーナ・リーヴスの西寺郷太、冨田謙がクレジットされ、
収録曲には宇多丸(RHYMESTER)、YOU、乙葉、松田聖子など、
藤井の人脈(嫁を人脈と言っていいのか)を活かしたメンバーが揃えられた。

松本隆プロデュースの名盤「ロミオ道行」(*後述)で音楽の楽しさを発見した藤井は
キリンジ堀込高樹の作詞・作曲による5thシングル「私の青い空」で方向性を見出したように思う。
パブリックイメージを覆すスタイリッシュなメロディでボーカルも抑えめ。
続くTommy february6こと川瀬智子のプロデュースによる
6thシングル「OH MY JULIET!」をリリースでもこの路線を踏襲し
自社レーベル立ち上げの基礎がここで出来上がっている。(2015年5月13日)



発売中■CD+DVD:ザ・ベスト・オブ藤井隆 AUDIO VISUAL

藤井隆の音楽活動を凝縮したベストアルバムが発売。
シングル曲を網羅したCDにPVやライブ映像を収録したDVDの付いた2枚組。(2015年10月18日)



発売中■CD:Delicacy of Love / 早見優

松本隆の作詞家45周年記念イベント「風街レジェンド」にも出演し
その劣化の少なさで多くのファンを驚かせた早見優が久々にシングルを発売。
発売元は藤井隆が代表を務めるSLENDERIE RECORDで、
早見優作詞&藤井隆作曲による新曲「溶けるようにkiss me」に加え
往年のヒット曲「誘惑光線・クラッ! 」「GET UP」「Caribbean Night」
「夏色のナンシー」をDE DE MOUSEを始めとした
気鋭のミュージシャン達が担当したリミックスバージョンで収録。
さらに m吉田美奈子作詞&山下達郎作曲による
アン・ルイスの名曲「恋のブギウギトレイン」もカバーしている。(2016年8月22日)




発売中■CD:IVKI / 椿鬼奴

最初に断っておくと、これはネタで紹介するわけではない。
藤井隆の立ち上げた音楽レーベルのクオリティの高さを知っている方ならば
是非ともチェックしておきたいのが椿鬼奴が単独名義で発売するシングル。
架空のアニメ「超空のギンガイアン」の劇中歌集とのコンセプトで作られた本作は
何と堂島孝平のプロデュース。林原めぐみ、大貫亜美らを作詞に迎え
メロディメーカーとしても定評のある藤井も楽曲を提供している。
タイトル曲の「運命のリビルド」は、メロディやアレンジ、歌唱法も含めて
鬼奴が敬愛する中森明菜の「Rojo -Tierra-」への影響が垣間見えて微笑ましい。(2018年9月4日)



発売中■CD:dress-ing / 鈴木京香

近年音楽活動が活発化している藤井隆のレーベルから鈴木京香がデビュー。
収録曲の「海岸線より」「わたしの左岸」「水星」を
冨田謙、DÉ DÉ MOUSE、tofubeatsが手掛けている。
藤井隆は目の付け所が鋭すぎて芸人にしておくには勿体ない。(2019年2月24日)




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発売中■CD:SLENDERIE ideal
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発売中■CD:SLENDERIE ideal

自社レーベルを立ち上げてから一定のペースでリリースを続けている
SLENDERIE RECORDと関わりのあるアーティストが参加して制作されたオムニバスアルバムが
「SLENDERIE ideal」である。
新たなレーベル参加メンバーとして麒麟・川島明が
神田沙也加作詞&堂島孝平作曲の「where are you」を、
フットボールアワー後藤輝基はスカート 澤部渡とタッグを組み
本田美奈子がアイドル時代にリリースした隠れた名曲「悲しみSWING」をカバー、
他にも藤井隆、椿鬼奴、早見優、レイザーラモンRG、とくこ、YOU(作詞)、冨田謙、伊礼彼方と
芸人仲間から憧れだったアーティスト、友達まで交友関係を総動員した顔ぶれ。
それでいてオムニバスとはいいつつ見事なほどのレーベルのカラーが統一されている。

”エエ声”を芸にしてきた川島の歌声は、しゃべりの時とはまた違って予想以上に良い。
テクニックを使わず素直に歌っているところに人柄が表れている。
「悲しみSWING」など、アイドルソングを知り尽くした絶対に藤井でなければ出てこない選曲。
しかも後藤がハマっていてなおさらすごい。
椿鬼奴の楽曲はソロシングルの「ギンガイアン」の世界観を引き継いだ
エンディング曲になっていたり、あのとくこさんが参加していたり、あちこちも遊び心がたっぷり。



レーベルヘッドを務めて6年が経過し、藤井隆はもはや立派な音楽プロデューサーに成長している。
ナタリーのインタビューは、藤井隆という人間がどれだけ繊細で柔軟で才能豊かかをよく引き出していて必読。
「ナンダカンダ」で止まっている方も、一度ちゃんと藤井隆の音楽に触れてみていただきたい。
とっかかりとして、このオムニバスは最高の仕上がりと言える。

そして、先日の筒美京平の訃報記事でも少し取り上げた「ロミオ道行に関してこんなプロジェクトも。



▼藤井隆のライブ「ロミオ道行」が初Blu-ray化決定


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12月16日発売■Blu-ray+CD:ロミオ道行 Concert Movie + All Time Songs CD / 藤井隆
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12月16日発売■Blu-ray+CD:ロミオ道行 Concert Movie + All Time Songs CD / 藤井隆

【関連記事】藤井隆、11年振りのニューアルバムが完成より。

藤井隆の記念すべき1stアルバム「ロミオ道行」は何と松本隆のプロデュース。
リード曲の「絶望グッドバイ」は松本隆x筒美京平の歌謡界を代表するゴールデンコンビの作品。
松本隆がプロデュースした南佳孝、薬師丸ひろ子、裕木奈江などのアルバムは
いずれも名盤として知られており、当時の私は”松本隆プロデュース”の広告だけで
「買い」を即断し、発売日にCDショップに駆け込んだのを今でも良く覚えている。

期待に違わず、いや期待以上に「ロミオ道行」は名盤だった。
何しろライター陣がすごい。
堀込高樹(キリンジ)、本間昭光(ポルノグラフィティなど)、
田島貴男(オリジナル・ラブ)、コモリタミノルとそうそうたる顔ぶれ。
バラエティ豊かな楽曲を松本氏の詞がひとつの世界観に束ね、
藤井隆の魅力を最大限に引き出している。


名盤「ロミオ道行」発売後に行われたライブツアーはその後DVD化され私も所有している。
そのDVDが藤井の歌手デビュー20周年を記念してBlu-ray化が決定。
注目すべきは、アルバム「ロミオ道行」の全楽曲に
シングルのカップリング曲を追加した15曲入りのCDも付属する点。
Blu-rayの音声と映像、CDの全楽曲は最新リマスタリングが施されるとのことで、これはもう買うしかない。
おそらく出荷数は微々たるものだろうし、予約必須と見た。

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