窓辺びより

毎日が平凡だなんてとんだ勘違い。カーテンを開けよう。ほら、今日も窓辺びより

第1回通しコメント(3A~3C)

2009-11-19 09:34:07 | ミュージカル
3A
(連絡)ディックはジャスミンの台詞の途中から上手花道に出て待機しておいて下さい。
シンシアはディックの「船が無いなんて」の後下手花道へ登場です。

[Mについて]
今一度歌詞を読み返してみよう。
きれいに響くようになってきたがまだ心に届くにはもう一段階必要。
シンシアは「船が消えた」事について何を感じている?
「変わり映えのないこの町に人々を残して」ってどういうこと?
「星に願うような幼い夢」って自分の夢について歌ってしまう事の悲しみを考えよう。


[シンシア]
花道に出た瞬間から客席より見えている事を忘れずに。
「今日はついてないなぁ」工場を飛び出してからの流れは具体的に想像できてる?
紅茶が見つからなかったシンシアはどうして港へ一人でやってきたのだろう?
歌を口ずさんだのは何故?
ディックが一緒に歌いだした時、どんな気持ちがしている?気持ちの変化をもっと表情に出して欲しい。

(ディック)
プロローグからの心情の流れを大切に。
練習では毎回シンシアに初めて出会った、という気持ちを持って欲しい。

3B
[シンシア]
曲終わり→一旦我に帰る→どうして自分の話を会って初めて話してしまうのだろう?
シンシアがディックに抱いている感情は?ディックと話し合って!!!
「船、どうして消えたんでしょうね」単なる質問ではないはず。だって聞いても答えられないって分かっている質問だから。自分のことを振り返り、またディックのことを思いやった結果の一言なのでは?
スーザンたちに見つかってしまった時一番に感じることは何?
舞台の中心にスーザンボブケーリーが出てきてからも感情の流れを絶やさないで欲しい。単に台詞とタイミング待ちにならないこと。
「それ、誰が決めたの?」頭の中が疑問でいっぱいになって思わず聞いてしまうんだよね?
思わず、といった感じが出ていない。
そしてM「はじまる」中も役から抜けないように。自分の頭では納得が行かないのに目の前でスーザンたちが思いっきり喜んでいる。シンシアはどんな事を感じている?

[スーザン]
ボブが大声出す前から既に心構えが出来てしまっているように見える。
ボブを見た途端「やばっ、いつもみたく何かやらかすんじゃないか……?」と嫌な予感がしたならそれもありかもしれないけれど、「ボブ大声→2人が制する」この流れがただの段取りにならないように気をつけよう。
もう少し「大声出すなよ」の後気まずさ表現されていた方が良いかも。
あと、台詞を言おう言おうと意気込みすぎている所があるように感じる。
あくまで感情の流れを追うこと。
今までこの町の中だけで暮らしていた自分たちが突如、見たことも無い世界へ行ける事になる。
その事を考えると、単に「嬉しい、楽しい!」ってだけではなく色んな想像が膨らんでくるはず。
Mは難しいがもっと自信を持って歌おう。
ただ歌うだけでなく上で述べた想像、嬉しい、楽しいって気持ちを前面に。
Mが終わって決めのポーズに入ってからも感情の流れ止めないこと。

[ボブ]
遅れてやってきてスーザンを見つけ、そしてシンシアを見つけた時の嬉しさは持てている?
スーザンケーリーに制されるとは思っていなかったはず。
制されて初めて気付く周囲の状況→その後の「誰だよあんた」までの気持ちの流れは?
後ろでの一人で想像の世界に入っているあたり、もっと想像を膨らませて。
想像の世界に入っている間ボブは周りの会話から取り残されているが、ボブ自身の気持ちの流れはあるはず。
その気持ちの流れがそのまま「船に乗って知らない国に行くんだぜ」に繋がるのだから。単なる台詞待ちにならないように。
スーザンと同じくM自信もって歌おう。
そして決めのポーズ後も感情の流れを止めないこと。

[ケーリー]
「大声出すなよ」はどんな気持ちで言っている?KY登場したボブについてどう思ったか今一度整理して。
ボブ登場のとき驚きが足りない。ボブが来ることはもちろん分かっていただろうけど、空気を読めない発言をするとまでは想像できていなかったはず。ボブの声にもっと反応しよう。じゃないとボブの大声を待っている感じがしてしまう。
「政府」は大事なキーワード。「政府が船を用意してくれる」という事についてケーリーはどう感じている?シンシアに「どうだ、すごいだろ!」という気持ちで伝えたいとするともっと強調するべき。
「政府……」の前「それは、なんと」のためはあまり長すぎると段取りに見えてしまう。何故ためるのか、まずその気持ちの根拠を考えて。
「いつか行ってみたかったけど」本当に行って見たかったって思いながら言ってる?
M中下を向いている時が多いから気をつけて。
あと、M自信もって……は他の2人と同じ。もっと楽しさ前面に出そうか。笑顔が消えている時がときどきある。

3C
[マーマレード]
改めて「占い師」として彼らに接近しようとした目的を整理してみて欲しい。
あと、なぐさめ合いに至るアドリブの流れが少し分かりづらく感じた。
他のパターンも考えてみる価値あり。

ex)「この子たちなかなか手強いわね」と言って急いで新しい作戦を練ろうとするとか

二人とも時折感情を乗せたことで台詞が聞こえづらくなっている所がある。感情乗せるのはもちろん良いことだけど少し気をつけて。
「恋はインパクトよ!」言い終えてから撃ってみせる方がかっこいい。
「船を手に入れてやるんだから」決意もっと欲しい。今の二倍でよろしく。


[シンシア]
 占い師の登場にどう感じている?そしてスーザンに連れて行かれる時は戸惑い等感じるのでは?
 紅茶をもらう時のくだり、気持ちの流れをよく考えて。

ex)はじめは恐縮していたけど紅茶と分かった途端思わずとっさに「ください」と言ってしまい、恥ずかしく思いながらも紅茶を受け取ってとても嬉しくなる……とか。

 「ください」で台詞が加速した分その後の動きも若干早くなっているが、「ええ、その時を待っています」はゆっくり噛みしめるように言った方が伝わるはず。立ち去る時ももう少しゆっくりが良い。 

(ディック)
 シンシアを呼び止めるに至る感情の流れを意識して。
 紅茶をどこから出すのかについても具体的に考えておいて欲しい。
(本番では小道具として片方の肩にひょいと掛ける麻製か何かのかばんを使いたいです。現在調達中……これ使えそう、というものを持っている人は連絡ください!)
 シンシアを見送った後、立ち去る時も感情意識忘れずに。
 ちなみに捌ける先は上手花道。間違えないように。


[ボブ]
占い師からの答え、毎回初めて聞くんだという意識を忘れずに。
夏からずっとやり慣れたシーンだけに新鮮さを失わないで欲しい。


[スーザンケーリー]
「胡散臭いからいいわよ」から後の感情の流れを考えて。
シンシアを連れて行こうとする時、占い師の事なんか気にもとめず自然とシンシアを連れて行こうとしているのか、それとも変な人たちから離れたくてちょっと強引にでもシンシアを連れてこの場を去ろうとしているのか。それによってシンシアを引っ張る強さや台詞の言い回しも変わってくる(どちらが良い、という事ではない)。ちなみに今回の通しでは若干後者に近かったように感じた。
そしてシンシアを連れて行こうとして、その後ディックにシンシアが呼び止められたらシンシアを連れて行こうとした方が何を思うか。例えば「おっと、しまった!」とか。その感情がちゃんと表に現れて来ると良い。
ケーリーは台詞が無いが感じていることの流れをちゃんと確認しておいて欲しい。スーザンがシンシアを連れて行きかけていて実は後ろにディックが残っている様子がケーリーには見えているのでは。そこから新しい動きを生み出すこともできるはず。

--------------------------------------------------------------------------
■舞台
3A応接間撤去のタイミングOKです(大道具)
曲が始まったら波の音をもう少し小さくした方が良いのでは(音響)
3C -> 4A
 4A固定スポC.I.は本番ではベントス配置完了のQが合図。
 暗転の時間はなるべく短くしたいです。Qが出たら即C.I.よろしく(照明)




もはや単なる通しのコメントではないですね。長すぎ。
まだ続きます。
現時点で問題の無い完成しているところも、意識をすることでさらに良いものになると思いますよ~

第1回通しコメント(2A~2B)

2009-11-16 17:14:31 | ミュージカル
コメントその2。

2A

[SPたち]
このシーンだけでなく、全体を通じてだんだんSPたちのキャラが立つようになってきている。
ここで一回、逆にSPの動きの一体感を考えてみよう。
とある指導陣の方から「元軍隊だもの、同じような訓練を受けてきているのだから3人に似た動きがあっても良いはず」とのこと。

ex)今SP1がやってくれているベントスに向けて手を広げる動きを3人とも途中まで取り入れてみる。
 SP3も途中までは同じ動きと見せかけて、最後に「アレクサンダー!」と言う流れにすると意外感があってよいのでは。

また、SP3の動きがシーンの流れから孤立してきているように感じる。

ex)SP3の動きに対して反応できるところは2人も反応していく。SP3も、面白いことを言った後はすぐに元の状態へ戻って何事も無かったかのようにしている方がシュール(良い意味で)。


[ジャスミン]
直前にライソンとのごたごたがあって、いきなりお客様を迎えての大事な仕事がはじまる。
積極的にジャスミンは気持ちを切り替えようとしているんじゃないのかな?
「1Bと2Aで違いを作る」という意識は演じている役者自身のもの。
「さあ、気持ちを切り替えて仕事だ!」というジャスミンの気持ちになってみて欲しい。
あと、ベントスの話は毎回初めて聞くんだという意識を忘れずに。驚きや困惑がにぶってしまうので。


2B

[Mについて]
今回はいなかったけれど、ベントスはこれまでの練習以上にMで動いて欲しい。
最後ジャスミンへ迫りくる場面、段取りっぽくなっている。
ジャスミンは政治家のSPに囲まれたら困惑するはず。
ベントス+SPたちはジャスミンに決断を促す気迫が欲しい。
「あなたならどうする」の所、もっとハキハキと動くとよい。3人同じタイミングで3方よりジャスミンに迫れば迫力も出る。
「あなたならどうする?あなたならどうする?」さあ今すぐ承諾するんだ!と言わんばかりに。

[ジャスミン]
「Mについて」と連続するが、「あなたならどうする?」と聞かれて決断に至る流れは自分の中で出来ている?
どういう考えが頭の中を巡って、最終的に「その話に乗りますわ!」になるのか。ベントスたちの持ってきた資料を
読んだだけで決めたのか?4人の気迫に負けて承諾してしまったのか?脳裏に飽き飽きする日常やライソンの事は思い浮かんでいなかったか?
考えの流れがあると、この決断への移行が今よりももっと自然に見えてくるはず。
あと確認だけど、契約書を書いた時のペンの存在についてはどこから取ってどこに置いたか意識は出来た?

[ライソン]
ジャスミンに寄り添う怪しい男を見つけた瞬間は何を考えている?
ベントスに自己紹介された時の反応は?
そしてこれはベントスについてだけど、ベントスはどんな気持ちで自己紹介したのか。
ベントスと共にここの認識を詰めてみよう。

[SPたち]
契約書の下り、契約書は結局どこから出てくるのだろう?
上手まで行っているとやはりシーン全体の流れが止まってしまう。
今のパターン以外に契約書を取り出す様々なパターンがあると良い。
ライソンを取り押さえに行く時、向かう時から緊急事態と言わんばかりに肩に力を入れなくても良いかもしれない。
(ライソンに対して高圧的になるのは良い)
軍隊出身のSPだ。多少気が立っているとはいえ、酔っぱらいの男の相手なんか朝飯前のはず。
最後のトマトの下りは、2Aの時と同じくSP3は要所でだけはじけて他の2人はそれを拾うとよい。
こういう面白さって、「トマトも大好きです!」の瞬間ではなくその後でこみ上げてくるもののはず。
ネタを仕込んだ直後の動きに注意を払いたい。何食わぬ顔で舞台を去りつつ観客の笑いを堪える様子が伝わってきたらしめたもの。

--------------------------------------------------------------
■舞台
(音響)大国の正義はベントスの台詞の後すぐに入れて。
(照明)2B終了後、舞台上下同時にフェードアウトで。


その3へ続く。
長いけどちゃんと読んでね。無駄なことは書いていないつもりです。
普段なかなか言えない内容とかも込めて書いています。
それから後、注意ばっかりだからって落ち込まない事。基本ここのコメントは辛口仕様なので。
みんな頑張っていると思う。頑張っているからこそ、まだまだのびるはずだと思います。

ここまで頑張ってきて中途半端で終わらせたくないやん?

第1回通しコメント(プロローグ~1B)

2009-11-16 11:51:30 | ミュージカル
第1回通しのコメントです。

すいません、時間がかかってしまうので今回プロローグから1Bまでまず掲載します。


反省会ではみんな前回に比べて通しに慣れて自信が出て来ているように感じました。
だからという訳ではないけど、このコメントはあくまで辛口でいきます。
ダメ出しというよりも「考えてみて」というものが多いから、読み流さずちゃんと考えてみて。

何度も言っている話の繰り返しだけど、
「○○」と言ってから後ろを向いて、それから「△!」と叫ぶ……なんていう段取りを追うだけの
芝居は、見ていて何の感動もありません。




全ての動きの前には感情の流れがある。何故話すのか?何故動くのか?何故歌うのか?
酷いことを言うようだけど、これをおろそかにした芝居は演技でもなんでもなくただのまねっこ遊びです



プロローグ

[ライソン]
うーん、表情があまり動いていない気がする。
何故朝からこんな所で酒を飲んでるのだろう。ディックの出て来る前のライソンの心情は?
「おい」のタイミング、もっとディックの話を遮っていいんじゃないの?
ディックが旅人だ、と知ったときの感情は?
どうしてディックのことを「諦めなっ」なんて言ってからかうのだろう?しかも「社長だ」ってわざわざ言うのもなんで?
ディックを置いて港を去ろうという時、ライソンはディックに対してどんな印象を持っているだろう。


1A

[工員たち]
※(まずちょっと連絡。忘れないうちに。)通しでは照明を一度消しましたが、実際には舞台内の明かりは緞帳の上がる前から点いています。
 本番では緞帳が上がり始めたらキキ入場してね。出演者の姿が見えるところまで緞帳が上がったら、そこから社歌の前奏が流れ始めます。


 一旦入場したらそこから先はずっとお客さんから見えている。
 入場する時から工員として歩いてくるんだという意識を忘れないで。
 もっと「楽しさ」「元気」出していこう。ここはジャスミンが変わってしまう以前で平和な工場のシーン。確かにこのころは「働くのが楽しかった」んだから。しかも今は朝。これから仕事が始まる、一番気合の入る時間。



  →それから、これは具体的な話。
   このタイミングで書くけど、これは出演者全員に共通して言えることです!

     ・動き、上半身はメリハリつけて。
      (表情は曖昧でなくしっかりつける。驚き、笑い。)
      (手を動かす時も自信なさげにやらずしっかり大きく動かす。腕だけでなく肩のあたりから動かす意識)
     ・下半身はフラフラしないように!体の重心が揺れているととても自信の無い人に見える。
     ・客席側から見て一人ひとりの姿が被らないように入場する。
      (横一列に並んで舞台袖から入ってくると、一番前の人しか見えない。適度にばらけて入場したほうがよい)
     ・踊っている時も役から抜けないで!笑顔の人と真顔の人が混在してる……もっと笑顔!
     ・アドリブの時も大きな声と大きな動きで。

[ジャスミン]
今日の工場の予定を具体的に考えてみようか。
「今日も忙しいですよ」の根拠となる今日の忙しそうな予定の内容は?
ジャスミンは自分の工場の工員たちにどんな印象を持ってる?
また、スボケに対してはどんな印象持ってる?



[スーザン・ボブ・ケーリー]
3人の中でのスーザンのポジションはどんな感じ?
スーザンが取り仕切っている雰囲気が今の所感じられるけど、まだ薄いかな。
今朝ボブの寝坊事件があった後、工場にたどりつくまでの出来事を3人で考えてみて

ex)いつも待ち合わせの鍛冶屋の店先でスーザンは一人イライラして2人を待ってた
ex)ケーリーはわざわざボブを起こしに行ったが、すれ違いになってボブの方が結局先に待ち合わせ場所に着いた

上のはあくまで例のひとつ。でもこうしたストーリーが背後にないと、せっかくのアドリブが生きてこない。

[シンシア]
内気な性格、のシンシアだけどその中身を具体的に想像できてる?
普段工員たちと話す機会はあるんだろうか?もしあったらどんな話し方をするんだろうか?
お母さんとお父さんについて普段からどんな事を感じてる?これは3Aにも繋がってくる大事な感情。

1B
[スーザン]
ライソンに対して工員たちはどんなことを考えているんだろう?
シンシアへの同情の時、二人で喧嘩を見守る所からシンシアのことをもっと気遣おう。
「スーザンはいいなあ」の時点で既に嬉しそうに見える。
相手を気の毒がっている状態で相手から「いいなあ」って言われたら、一瞬複雑な心境にならない?


[シンシア]
ライソン登場時反応がとても曖昧です。
お父さんが酔っ払った姿で現れた時まず一番はじめに思うことは何?
夫婦喧嘩、いつもあんな感じなんだよね?
「また喧嘩がはじまるんじゃないの?→やっぱり……」たとえばこんな気持ちの流れがあるんじゃない?


[ライソン]
工場へ登場した時の気持ちは?港から感情はずっと続いてる。「俺の会社に戻ってきた」って気持ちで帰ってきてたりするんじゃないかな?この気持ちは「社長は俺だ!」にも関係してくるはず。
M中顔を近づけていがみ合うのはよく伝わってきて良いと思うのでさらに大きくやって欲しい。


[ジャスミン]
ここは比較的気持ちの流れは分かりやすいと思う。
くれぐれも段取りにならないように、毎回ライソンの台詞を今初めて聞いた言葉として聞くように心がけて。
Mについてはライソンと同じ。


-------------------------------------------------------------------------------------


■舞台(プロ~1B)
(大道具)1B→2Aへの場転、今回のような形でOKです。
(音響)ベルの音他のものに変えた方がいいかも。M終了直後に鳴らしてほしい。
    波の音もう少し静かに。カモメは改良の余地ありかも知れません……



続きはできる限りはやくUPします。

どんな気持ちでやってる?

2009-11-09 22:22:53 | ミュージカル
 月曜練の皆さんお疲れ様でした。

 昨日の書き込みは出演するみんなに何かを感じさせる事ができたでしょうか。もしそうだといいな。でも、昨日の書き込みで描いたのはあくまで脚本家の描いたイメージです。みんなにはみんなの、それぞれの自分の演じる役へのイメージがあると思う。それをぜーんぶ一つの鍋で煮込む事で、はじめて良い舞台ができると思うんですよね。

 最近僕は「ここどういう風に考えてやってる?」って聞くようにしているのだけど、みんなも互いに「今どういう気持ちでしゃべった?」とか聞きあってみて。動きの確認や流れの確認と同じように、各人の描いてるイメージの確認も重要です。

 そして、イメージはあるけどうまくは演じられないなあ、って思っている人もいるはず。自分の思っている人物像に合う映画やドラマを見てその中の役者がどういう風に動いているか参考にしてみたり、あるいは映画やドラマを探すのも大変だから他の人に「ちょっと○○○って気持ちでこの台詞読んでみてよ」とか振ってみたりするのもいいと思う。上級生も使っちゃえ。振られた方は振られた方で、何もうまくやろうとする必要なんか全然無いんです。思ったままにやればいい。「なんか違う」「じゃあこうか!?」って試行錯誤を繰り返しているうちに「あ、コレだわ」というモノに辿り付けるかもしれないから。そして回数が多いほどその確率は上がる。当たり前のハナシだけどね。

 明日はC通し。忙しいね!

 今晩はぐっすり寝てくださいなー

やぁすまない、少し語っても良いかな?

2009-11-08 07:00:08 | ミュージカル
 食べ物のことを書けばみんなのコメントがもらえるってことを学んだ演出家です。こ、これからは食べ物のことだけを書けばいいんだ!

 土曜日の夜はシェーキーズに行ってピザを食べてきたんですよー!アフターの形としてはなかなか新しいですよねー



 じゃなくて。
 土曜日は7B「幸せの意味は」の練習を行いました。こっからはMの話ね。

 まだまだ歌い慣れていないせいもあったのだろうけど、もっと動いて欲しい。感情を昂ぶらせて欲しい。

 Cの時、「動いてみようか!」って言われてみんな思うままに室内を歩いて曲の雰囲気に浸りながら歌う事がありますよね。あれをもっと本格的にしたものだと考えてください。歌って感情を揺さぶるものだから。思いっきり気持ちが昂ぶる時に棒立ちで歌うなんて、ありえない。

 もっと歌に身を任せちゃっていいんじゃないかな。歌ってて思わず動きたくなったら動いていい。拳を握り締めていい。感情が入って声が震えるのも良い。ちょっとくらい音程を外したって、気持ちが伝わる方が大事です。

 みんな、もっと真剣に今歌っている内容について考えるべきだと思います。登場人物がその時どんな感情でいるか、それが一番良くわかっているのは役者自身です。でもいきなり考えてみてと言われてもな……と困った人は以下を見てその手がかりにして欲しいと思います。あ、「幸せの意味は?」の曲を聴きながら読むことをおすすめします。


 冒頭でシンシアは剣を突きつけられたまま歌いだす。今にも殺されるかもしれない状況で、それでも恐怖を振り切って伝えたい事があるんです。命がけで伝えたい事があるんです。だからディックも命がけでシンシアを守って欲しい。シンシアに向けられた剣を素手で握って力ずくで下ろさせる、そんな演出をここでは取り入れました。こん身の力を込めて、シンシアを、そしてシンシアの歌いはじめた歌を止めさせない強い意志を見せて欲しい。

 ベントス「きれい事はもう聞き飽きた」。本当に聞き飽きているんでしょうか。「世の中は金と名誉だ!」と割り切って生きるようになった以降も「けれど、本当はそうじゃないんだ」って考えているベントスがどこかにいるんじゃないのかな。その気持ちにシンシアたちの歌が響いてきて、ベントスの感情は今凄まじい渦の中にあるんじゃないのかな。「それは私が昔捨て去った理想じゃないか。だが私の見てきた現実ではそんなことは通用しなかった!」って、そんな感じで。「私は今、幸せの中にある」も、本当に幸せなのかな。必死で自分に言い聞かせて動揺をしずめようとしてるんじゃないのかな。 

 ライソンは自分の生き方を変えてしまった10年前の事件について、いよいよ決着をつけようとしている。ベントスへ意思と言う名の刀を向ける事によって。「お前は俺と同じだ」これはとんでもない台詞です。一番憎むべき敵に対してこんな事って言えると思う?

 「大統領になりたかったのは何故?」これもやさしい聞き方なんてしないはず。


 「叶えたい夢一つあった」と歌いだすベントスは、この時一体どんな気持ちだろう!ああ、そうだ。最初は私もこんな夢を持っていた……いや!今もその夢を追い続けたからこそ私は大統領なったんだ、こんな男(ライソン)とは私は違う!断じて違う!……そう思いたい、思いたい……思わせてくれ!!!!

 
 「人を騙しておいて~」。ジャスミンが騙されたのは、単にベントスの商談がうまかったからだけなのかな。かわり映えの無い日常から抜け出したくて、なんとか抜け出したくて……もう一度幸せになりたくて。「その話に乗りますわ!」と商談の際ジャスミンは決断するけれど、これは本当は切実な切実な思いだったんじゃないのかな。その思いが、裏切られた。どんな気持ちだろう。

 「説明しよう!」商談の際はきはきとベントスのすごさについて解説するSPたちの台詞と全く同じ形でベントスの過去が語られます。
 「説明しよう!」で誰かに対してベントスを評価してきた事が、ジャスミンの前だけじゃなくてきっとこれまで何回もあったんじゃないでしょうか。いつもベントスの忠臣であり、ベントスを評価してきた自分たちが今回は隠しておかなければならないはずのベントスの過去を語る。いや、ベントスの激情を前に語らざるを得ない。だって自分たちはベントスと同じ道をずっと歩いてきたのだから。

 「船って言うのはね~」船ってものがマーマレードにとってどれだけ大事なものだったか!その一番大事なものについて語ってるんです。これまでマーマレードは金も名誉もおおよそ無縁の場所で船を手に入れようと頑張ってきてたんじゃないのかな。そんな自分たちのこれまでの経緯を思い出し、ベントスの「金と名誉!」という姿勢を見、「船って言うのはね」って言いたくなる衝動に駆られたんじゃないのかな。

 「叶えたい夢1つあった~」このフレーズは今までいつも夢が遠ざかった時に歌われてきたものだけれど、ここではじめて『昔からあった、叶えたい夢』への全力の肯定が生じます。

 スーザンボブケーリーたちはベントスが現れるまでずっと夢は追い続けるべきもの、そしてそうすれば叶うものだと思ってきた。子供のままの純粋な心で生きてきていた。それが今回のスーザンへの告白や、ジャスミンの言っていた新しい冒険や楽しい出来事が「はじまらない」という経験を通じて、けしてうまく行かない事もあるんだという世の中のあり方に触れることになる。

 それは工員たちも同じです。楽しく働いてきたのにジャスミンのせいで働く喜びを奪われた工員たちも、うまく行かないことってあるんだな、と今回のベントス来訪からの一件を通じて実感することになる。

 けれども肯定するんです。この世界はもしかすると『「夢は必ず叶う」……とは限らない世界』なのかも知れない。けれど、それでも夢を追い続けることを、全力で肯定するんです。


 少々熱が入りすぎました。
 読んで「確かにそうだ!」「本当にそうだろうか?」色んな気持ちが湧いてきたと思います。その気持ちを膨らませて。両手に持ちきれないくらいに膨らませて、それを歌にして!