第１回通しコメント（５Ａ～５Ｅ）

５Ａ
まず、照明がついているのは下手のみです。上手に行くと暗闇に隠れてしまうので注意……

具体的に船はどこにあるのかちゃんと意識しよう。
シンシアはこの船を見てどう思っている？「この船をもらったの？」のところで、もっと怪しいな、納得がいかないなという表情を見せてもいいのでは。そして港にくるまでの経緯具体的に想像して。上機嫌のジャスミンに連れられ港へやってくるときシンシアはどんなことを考えていただろう。
「悪夢？それより……」のときジャスミンはライソンの「悪夢」をどう受け止めている？
ライソン、船の名前がライソントマト号だと聞いてから「頼むから別の名前にしてくれ」に至るまでに間がもう少しあるのでは。さっき夢の中で思い出してしまった１０年前の光景がまたよみがえり嫌な気分になる、感情の流れは考えている？
シンシア走り方気をつけて。



５Ｂ
工員たち、気のない返事をする時もやる気の無さはそのままで声を大きくしてほしい。
舞台の上に立っているのだという意識しっかり持って！！！
手の動きなど、常にぶらぶらしている人がいるのが気になりました。ぶらぶらしているのは疲れを表現している？のだろうけど、常にぶらつかせていると単に適当にやっているだけのように見えてしまうので注意！
工員たちはどれだけ疲れているんだろう。疲れているだけじゃなくて腹も立っている。突然現れたらしいベントスという男はよく分からない。変わってしまったジャスミン。いつまでたっても楽しい事も何も始まらない。不条理な運命への怒りだよね。今のままではただその場で歌って踊っているだけ。見ていて心を動かされるものがない。その怒りをもっと訴えかけてほしい。かすみやなかみーさんの表現が良い。参考にして。
スボケ、「トマトソースを作るのは……」は本来の理想を歌っている。もっと明るい表情でもいいんじゃないかな。

(工員Ａ)ベントスに対する工員たちの印象をここで強く出して欲しい。
工員Ｂ　唐突に話し始める言い方良い。
(工員Ｃ)昔は良かったのになぁ、と残念がる様子が出ると良い。声量にも配慮。　
工員Ｄ　吐き捨てるような言い方でよろしく。声量気をつけて。
工員Ｅ　同じく声量上げよう。今のままでは舞台の上で聞こえない！

そして働く喜びの前と後で、スボケは他の工員たちともっと積極的にからんでいこう。


５Ｃ
トマトのぬいぐるみを取られてボブが駆け出すシーン、３人はそれぞれどんな気持ちでいるのか考えてみて。
場の空気を壊しに来たジャスミンの演技良い。「ふざけたまねしないでちょうだい」と３人に対して言う所は印象づけたい。この言葉が３人に残す傷は大きい。


５Ｄ
M、感情の流れをしっかり意識して。このMは登場する人たちの気持ちがそれぞれ大きく変わって行く所なので。
ただ、はじめた頃に比べるとずいぶん良くなってきている。
回想シーン、ジャスミンはもっとライソンの話に合いの手を入れてよい。「ライソントマト号」なんて自分の名前を付けてしまうライソンを笑ってみせるとか。
最後、レード少し声小さかった。気をつけて。



５Ｅ
はじめケーリーの台詞が聞こえづらい。アドリブも普通の台詞と同じ声量で。
「悪いのはジャスミンさんさ！」はどんなつもりで言っている？
怒りを顕わにするケーリー、悪いのはジャスミンさんだ、ってことは別にここではじめて感じたことではないよね？
ボブ、どこにぶつけたらいいか分からない思いをもっと言葉に出そう。

第１回通しコメント（４Ｂ～４Ｄ）

コメントも後半に入ってきました。
ここからは形式を変えてできるだけ短く記述します。

4B
（確認と連絡）去っていく客たちに紛れて登場する際マーマレードは下手前方より登場して下さい。

M中、動く時は大きく動く。とまる時ではピシッと止まる。決めのポーズの時に体が揺らいだりするとちょっと残念。
レード、Mの「慌てて逃げる」時の動きがかわいく見えてしまう。もっとおどけていいはず。
マーマ、「海賊なのに……船が無くて」の台詞中に間が空いているが、これはどうして？感情の流れから来る間なら、もう少しその感情を具体的にしてみて。
SP１が話し出すまで「もうそろそろ言うタイミングかな？」なんてベントスたちの側をうかがったりしないように。


４C
ベントスは感情の流れを注意してほしい。
ここで腹黒さを見せる訳だが、身内に「実はこういうつもりさ」と明かすときってどんな気分？愉快だったりするんじゃないだろうか。
でも、愉快だけでは済まないだろう。大統領になろうという「野望」で、普段からベントスはどれだけ自分の事を騙しきれているんだろうか。
ベントスの気持ちは何重にも屈折して表に現れてくる。そこがベントスの難しい所です。

「私の船を使うのだよ」の付近、SP３の動きはベントスの言葉に逐一反応するだけになっている。ちょっと不自然？
もう少しSP３の３人の中での立ち位置を考えてみようか。


４D
雨が降っていることを忘れないように。

ベントスとSPたち→深夜雨の降りしきる中で船回収の極秘作戦
　　　　ライソン→必死に船を返すよう求める

この場面の登場人物たちはみんな緊迫した状況下にあるのに、その緊迫感があまり感じられない。
ライソン、ちゃんと感情の流れを追おう。船が持って行かれる時はまず驚くはず。ベントスの対応を受けてライソンの驚きは怒りへと変わって行く。そして力いっぱい走ってきていきなり「すごい雨だ」とは言えないはず。
SPたちやベントスは今夜初めてライソンという男を見たという意識を持とう。
ベントスはこの厄介な男を見て何を思う？何度追い払っても必死に食らいついてくるこの男を見てベントスの思う事は何？よく考えて。

慟哭、かっこよくなってきたが、それだけでいいの？
船を奪われてここで歌うのは何故だ。歌に込められたものは何だ。船を奪われた悲しみ。ベントスへの怒り。夢を追って頑張ってきたのにそれがいとも簡単に潰されてしまったこの不条理な運命への怒り。「どうして船を奪われたか」「俺の代わりに幸せになるのは誰か」「これから俺はどう生きるのか」雨の打ち付ける中ライソンは考えたはずだ。でも何一つ納得できる答えなんて得られなかった。
きれいな声で歌えるほど冷静な状態だろうか。語尾等変えて構わないからMの歌詞を感情込めて声に出して読んでみてほしい。

後、「かなえたい夢一つあった」の箇所では夢が打ち砕かれる前の頃の自分に帰ろう。これが俺の夢なんだ！という笑顔で歌ってみて。

第１回通しコメント（４Ａ）

もはや通しの演技に対するコメントではないかもしれない。
むしろ各シーンへの注意点的な性質が強いかもしれない。
短めに書ける所は短く書いていきます。
駒場祭中に全て書き終えるつもりでしたが個人的な事情によりできませんでした。申し訳ありません。


4A
（確認）舞台上真っ暗になったらベントスは固定スポットの当たる定位置へ。ベントス定位置に着いたら４Ａがはじまります。

（ベントス）
大統領就任間近、自信に満ち溢れたベントス、今夜は自分を支援する貴族たちを招いてのパーティーだ。スポットライトのあたっている時のベントスの心情よく考えて。

[SPたち]
　来賓の客ともっと積極的に交流しよう。
　今宵集まった人たちは大事なベントスの支援者たちだ。丁重に、失礼のないよう高貴な方々をおもてなし。

[貴族たち（全般）]
　自分はどのような形でベントスと関わりがあるのだろう。その点を具体的に想像してみて欲しい。

　ex)たとえば。「そうなれば私の会社も優遇されますな」かつて新大陸の港制覇を果たしたベントスは現地の商人たちともパイプがある。この会社は、そんなベントスの口利きによりほぼ独占的に新大陸から紅茶を輸入して販売している大きな貿易会社である。会社を営む一家はこの国で指折りの名家で、政治界への発言力も強い。現社長は政治家としての道を歩んでいくベントスのパトロンとして資金を提供した見返りに独占貿易の権利を手に入れた。

　そしてベントスとの関わり方についても考えてみて欲しい。

　ex)たとえば。豪快で細かいことなど気にしない。手腕のありそうな人物なら金のある自分が支援すべきと太っ腹。
　　 たとえば。ベントスを支援すれば絶対に権力が手に入ると思い込んで調子に乗っている。
　　 たとえば。知的でベントスの行く先を全て考えている。ち密な計算の上で支援を決断。

　顔を合わせる貴族たち同士についても何か相手への印象などが決まっていると面白いな。

　ex)たとえば。あそこの家は今でこそ大臣を輩出しているが、血筋で言えばうちの家の方が格段に上なのだ。

　具体的な動作としては、互いの挨拶の他相手方の夫人の服装を誉めてみたり、屋敷で出迎えたベントス・ＳＰたちと挨拶を交わすのもあり。


　マネーイズオール、堂々と踊りましょう！富と名声さえあればいい、金が全て、という歌詞にパワー負けしないように。曲が終わったあとはびしっと決めて！ここでぐらつくとそれまでの動きが全部無駄になってしまう。

　また、「先へ進み～」に入ったあと、後方で「money is all」と歌う所が聞こえづらい。横を向いている分声が前に届きづらいので大きな声を意識して。そしてその箇所だけでなく、全体的に声に力が無いように感じる。Ｍ発声もっと意識して。歌っている時の表情ももっと、活き活きしていた方が良い。

[伯爵Ａ]
　声の感じ、ベントスより年上の男という印象があって良い。ただ「少し気が早いのでは」滑舌気をつけて。はっきり言えるように台詞を練習して欲しい。

[夫人Ｂ]
　声・表情良い。強いて言うなら、台詞の後一瞬真顔に戻るのが少し気になった。　

[伯爵Ｃ]
　表情良い。「我が社」「安泰」滑舌気をつけて。

（夫人Ｄ）
　夫婦二人して喜び合っている雰囲気が出せると良い。

[夫人Ｅ]
　はじめ問いかける時はベントスをきちんと見よう。
　ここで「船がベントスの手元に無い」事が分かってマーマレードの動きへつながって行く。台詞中のキーワード「船」は大事。


[マーマレード]
マーマ、「ベントス様！」場の空気の流れを断ち切る台詞だということを意識して。
ベントスの屋敷へ潜入する二人の計画の内容を具体的に考えておく。

ある雑貨屋にて

閉店間際のある雑貨屋。
お店の人が、売上げ記録をゆっくり眺めている。

「今の所はねぇ、まだ売れてないみたいだねぇ」
「やっぱりそうですか……」
「詩とか文章とかってね。どうしても、なかなかね」
「そうですよね。絵だとそのまま直感でいいなぁ、とか感じますけど」

「でもね、うちの店には本当に色んなお客さんが来るからね。ざーっとしか見ない人もいるけど、一つ一つ手にとって見る人もいるから」
「うん……別に売れなくても、誰か見てくれている人はいるんじゃないか、って。そう思うんですよね」
「それはそうよ。この本とかだってなかなか売れないけど、でもやっぱり買っていく人はいるのよね。読みたい人がいるのよ」
お店の人は別の棚においてあった本を手に取り、ほほえんだ。

「あなたもまだ、もう少しここで頑張ってみたらいいんじゃない？」
「はい」


……


家に帰ってきてから、色んなことを考えた。
昔は小説家になるのが夢だ、なんてことを本気で思っていた。
今はそうでもない。別に諦めた、というのではないけれど、昔に比べて興味のあるものが増えてきて、物書き以外にも素敵なものがいっぱいあるなぁ、と思うようになってきた。それは別に、悪いことではないと思う。
でもどうなんだろうね。
今の僕は、夢についてライソンたちに偉そうなことを言わせられるような立場にあるだろうか。



……なんてね。難しいことはどうでもいいのかな。今はただ、今やるべきことをやるだけ。今やりたいことをやるだけ。



　本物のライソンは劇中とは打って変わっての働きようで自社の駒場支店の開店準備を整えたようです。お疲れさま。そして準備に関わった皆さんもお疲れさまです。あ、授業で来られなかった人たちももちろんお疲れさまです（笑）。明日から駒場祭ですね。寒いけど、寒い分スープは売れるさ！

　３日間頑張りませう（^人^）
　体調にはくれぐれも気をつけて！

ミュージカルバンド。

　通しのコメント……
　いくらなんでも長すぎだよね。
　「これはないわ」って思ってる人大勢いそうだけど……
　でも読んで欲しいな。目を通して欲しい。


　今回はちょっと通しのコメント小休止。

　水曜日にミュージカルバンドを見てきました＠高田馬場。そのご報告。

　その内容は、ディズニーやレ・ミゼラブル等の劇中歌を小さなライブハウスで歌うというものでした。そのライブハウスの規模は月見のボイスファクトリー程度。

　ミュージカルの曲ってストーリーの中に存在するものだけど、曲だけで逆に前後のストーリーがどんどん作り上げられていく感じがしました。なんと言えばいいんだろう、圧倒された、と表現すれば多分それが一番正しい。

　レミゼのOn My Ownが良かったです。せつなさ、というのがとても伝わってくるけど、そのせつなさが単なるせつなさじゃなくて揺るがない感情だった。私の今の境遇はこうだ、今私はこう感じているんだ……私の声を聞いてくれ！そうやって歌われる歌だから、最初から終わりまで歌い手から目を反らすことは許されないような感覚がしたんです。

　なんか言葉でつらつら書いたって批評っぽくってつまらないね。実際に見てみるといいよ。今回のライブとは関係なく、舞台で演じられたレ・ミゼラブル（後で追加：本当の劇中と言うわけではないようです）から「On My Own」。Youtubeだけど。英語だけど。細かいことは気にしないっ

→ http://www.youtube.com/watch?v=cuS1cCnG8xc

特に歌を聞いてみて。

（訳詩がこちらのページの下の方に載ってました。
http://ameblo.jp/m-suu-san/day-20091004.html
勝手にリンク貼ってごめんなさい）

　歌うって、考えてみたらすごく強い意志だと思う。言葉をただ発するよりも何倍も強い意志がいる。伝えたい、聞いてくれ、そういう思いがあるから歌うんだよね。

　それはＭもＣも、そしてＢも同じで、もっと大きく言えば定演開催の動機そのものだと思います。ただ定められた公演日程に発表する、というんじゃなくて、１２月１２日に自分はこういう事を伝えるんだって、そんな意志を持って小岩に集まれたら素敵だと思う。