コミュニケーション技術の重要性を説く人がいる。
不思議なことに、本来必要とされるスキルとは別にこのスキルの重要性を語るので聞かされる方としては少々面食らってしまう。どういう場面でのどういう対応を必要とするのか、より具体的な定義が必要だと言いたいのである。
一般的には、この技術は、社会人、特に、言葉での伝達を特に重視される職業において重要とされるが、その一方、この技術を不得意とする組織集団内において、実はこのスキルがあるだけで、世話役的リーダーとしてみなされ一目置かれる存在となることは確かである。
一方、企業やお役所内においては、コミュニケーション技術は、「八方美人的なごますり技術」と混同されやすい技術でもある。誰とでも仲良くし、口裏を合わせ、村社会遊泳術を心得る方は、実はこの技術のスペシャリストであることは疑う余地はない。
そうは言っても、コミュニケーション技術一辺倒では、単なる気配り、メモ魔にしかなり得ないし、大東亜戦争中にアジア各国から大東亜会議に招待された指導者たちの中には、記憶力、気配りに秀でた当時の東條英機首相のことを「戦略なき宰相」とみなしていた形跡があるのだ。
そういう訳なので、コミュニケーション技術については、最上位の必須スキルではなく、社交感覚が要求される場面における、一種の世話焼き技術として扱うべきなのかもしれない。
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