閑雲孤鶴の日々  - Fire生活者の呟き -

Fire生活経験談のほか、世相世情 💹📆、知的生産技術💻📱、書評📒について、書き綴ります。⏳

美しい日本の私 その序説

2015年06月09日 | 書評 エッセイ
美しい日本の私 その序説/川端康成/講談社現代新書/1969

ノーベル賞受賞小説家、川端康成の受賞記念講演全文である。
内容的には、川端康成的視点で見た、日本文学の伝統などが、紹介され、自身の文学観を最後に示している。川端康成が描きたかった世界は、禅の精神を持った、日本の美、中でも日本人が抱き、継承してきた、日本人特有の心の美であり、
サイデンステッカー氏による英訳文も掲載されている。

川端は、講演にて、自身の受賞を、日本文学の受賞としてとらえ、また、日本の精神的美しさを紹介した点において、後に続く受賞者にとって、記念碑的存在であると私は思う。
このことは受賞後、ノーベル賞受賞作家の肩書で反日政治活動に勤しむ大江健三郎とは一線を画していることを意味する。
この講演録だけでも、素晴らしくかつ偉大な小説家がいたことの証明であると同時に、川端康成の遺書的文献であることを心に留めておくべきだろう。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 渡部昇一の古代史入門 頼山... | トップ | 朝鮮半島をどう見るか »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿