再演ルドルフは、初演同様に訳詞が竜真知子さんなのですが、なんと初演から90%の部分が書き換えになっているそうです。
で、前には気づかなかったあちこちが妙に気になってます。
前にはちゃんとスムーズだった言葉が、なんだか「翻訳調」でひっかかるし、「え~?!あなたそこでその言葉はあり得ないでしょう!」と思うこともしばしば。
まず、ターフェが「叫べ、わめけ~」とルドルフの悪夢に出てくる第二幕の冒頭、初演では一緒にいたのはステファニーさんでした。で、夫がいきなり「マリー!」と叫ぶのを聞いて逆上したところ、「だまれ!」と振り切られてしまいます。
しかし今回、宮殿の寝室にいるのはマリーでそこにステファニー妃に踏み込まれるのです。絶対絶命の危機的状況でなんとルドルフは「どうして黙ってていることすら出来ないんだ!」と妻をどなりつける。ちょっとちょっとルドルフくん、その強気の居直りはあんまりでしょう。寝室で夫が下着姿の娘とはしゃいでるのを見てしまった上、「…黙っていることすら出来ないのか!」と非難されるなんてあんまりだ。
ステファニーさんの受難は最初の舞踏会シーンからあるのです。初演知念ステファニーが「身分をわきまえた女性はどこに行ってしまったのかしら」といやみを言うと、玲奈マリーはひたすら恐れ入るだけでしたが、今回の和音マリーはおめずおくせず「入れ替わったのです!礼儀をわきまえた女性
に!」と言い返すのです!皇太子妃に!17歳の社交デビューしたばかりの小娘が!
またまた言うようですが、これを観ていた客席の中高年女性の4割強は、「マリーって息子のヨメそっくり…」と一瞬不快になったのでは…?「うちのさとこさんって、いつもひとこと言い返すのよね」と。
しかも傍らのルドルフくんは「こんなにするどい応酬をする女性は初めてだ!」と感動するおばか息子。ヨーゼフ父さん、やっぱりこの子は御前会議に出しちゃダメ。皇位継承者の自覚が出来るまで発言させちゃダメです。自覚のない母親に育てられた息子は使い物になりません。でももとはと言えば、ちゃんとしてたお姉さんより、美人のシシーに目が眩んだあんたが悪い。帝国の崩壊は身から出たサビ。
ところで8月は帝劇に参る予定がございません。ルドルフ公演中、ロビーのテレビでくり返し「ラマンチャ~♪」とやっていたのを見ましたので、「もうこれでいいやあ~」
久しぶりにパソコンの前で涙がでるほど笑い転げました。やっぱりカマーさま節はツボです。またゆっくりお話したいです。
8月は帝劇に通っておりますので、お声かけ下さいまし。