イノさんシゲさん

井上出と重松彬の往復メール

上海雑感(イ)

2007-10-18 01:33:35 | Weblog
平成19年10月16日

上海旅行雑感(2) - 上海蟹のお話

上海蟹は最近は日本の中華料理屋でも食べられる様になりましたし日本で養殖して居るところもありますが高値で私達庶民には仲々手が出ません。 そこで今回の出張のついでに上海蟹を沢山食べようと上海滞在中は殆んど毎日たべました。

9月は雌が卵を抱えて居る事から雄よりも高くなり好まれるのですが産卵した後の雌は味が落ちる事から10月からは雄に人気が集中します。 値段はサイズによって大きく違いますがレストランでも最低は18元(306円)から一流レストランに行くと220元(3,740円)とその値開きの大きいのには驚きます。

上海人は上海蟹のシーズンになると皆一度は食べたいと言う気持になる事から需要が大きいのですが汚染された湖や河川から取って来た蟹もマ-ケットに並びます。 そこで上海蟹の元祖を誇る生産地では陽澄湖の大閘蟹と言うブランドを付けて販売して居ます。

これがプラスチックの小さなメタル状の物でそこに電話番号が入って居て問合わせが出来る様になって居り又きれいな紐で二重に縛ってあります。 勿論生きて居ないと値打ちがない訳でレストランでは沢山の蟹を袋に入れてテ-ブルに持って来て客に選ばせたりレストラン入口にサイズ別に値段を付けて展示しそこで選ばせたりと言う方法で食べさせて居ます。

河川の汚染は10月5日の私のレポ-トでお伝えした様に全土に広がって居り当然の事ながら蟹も汚染されて居る物が沢山市場に出て居るのです。 従って皆前述の陽澄湖の蟹を選ぶのですがこれが又コピ-大国の中国ですから模造した証明の為のメタルを付けられた物が店頭に並んで居るのが実状です。

私達が日本で蟹を食べる際には殻を割る物(クラッカ-)を使いますが中国ではレストランでもそれが出ないところが多いのです。 従って歯で殻を割って身を引っ張り出すと言う事になるのですが上海の人は実に上手に中身を吸い出すのには驚きました。 我々にはとても難しく食べるのに苦労しますし正直のところ肉の味は松葉蟹の方が上の様に私は思います。 何と言っても蟹のサイズが皆手の上に乗る位の小さなものですから肉と言っても少ないのです。

併しこの蟹の味噌(英語ではバタ-と言います)の味は実に美味でこの蟹の脳味噌の味は他の蟹では得られないものです。 お酢のたっぷり入った生姜醤油プラス砂糖のタレをチョット垂らして食べると頬が落ちそうになります。

蟹味噌を食べない人が日本人には多いのですが是非試してみて頂きたいと思います。 毛蟹でも松葉蟹でも何でも結構ですからお試し下さい。 そして機会がありましたら上海蟹の味噌も是非食べてみて下さい。

井上 出