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井上出と重松彬の往復メール

貿易立国(イ)

2006-08-31 02:47:43 | Weblog
「貿易立国日本の将来」

資源のない日本は原料を輸入しそれを加工し付加価値をつけて輸出し外貨を稼いで発展して来た訳ですが、中国韓国をはじめインド、マレ-シア、タイ、ベトナムと安い労働力を武器に加工貿易で発展を続ける国々が増えて来て居り、日本で従来作って居た家電や映像関連機器は最近では前述の発展途上国に生産拠点が移り、日本で製造し国際市場で勝負出来る様な製品は少なくなって来て居ます。

勿論日本でしか作れない様な工業製品は未だ沢山ありますがその数は少なくなって居り、日本の将来を心配する声が聞かれる様になって来ました。 そして工学部出身の学生達はブル-カラ-になる事を嫌いメ-カ-に就職する事を避ける傾向が更に強まって居ます。 

日本人の多くは今でも日本は加工貿易で食べて居ると考えて居ますが現実は違います。 最近では加工貿易ではなく海外投資から得る配当や利息が急速に増えて居ます。 国際収支の経常黒字に占める物 + サ-ビスの黒字は、2005年度7.7兆円でした。 それに対し海外から受け取る配当金や利息の合計は11.4兆円と言うのですから、もう日本は輸出依存の国ではなくなって居るのです。

これが良い事か悪い事か議論の割れるところですが、額に汗して外貨を稼ぐと言う旧来の立国政策は確実に変化して来て居ます。 汗を掻いて利益を得ると言う従来の肉体労働形輸出貿易ではなく、頭脳を使って金を稼ぐと言う時代になって来た事は間違いありません。 そして物作りに魅力を感じない若者達は今後も増える事になりそうです。

井上  出    (06/08/29)