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ロハ好き!

~地球と仲良くできるやさしい暮らし

5月の熊野を思う

2005年05月09日 | 木の話
ふと熊野のこと、タキばあちゃんのことを思っていたら、ばあちゃんの49日だったそうだ。
茶摘の手伝いに来てくれと言われつつ、今年も行けなかった。役立たずですみません。
春が過ぎ、新緑を向かえ、湯の谷に帰っていったばあちゃんは元気にしているだろうか?
今年の番茶の味はすこし渋いかもしれない、などと空想する。
これからしばらくは、北山川・奥瀞の川くだりがすばらしい。
杉に巻きついた藤の花、那智黒の岩が雨で黒光りし、その合間に岩つつじのオレンジが鮮やかに映える。その渓谷を、えっちらおっちら漕いで下るのも楽しい。
機会のある方はぜひ行って見てください。

熊野へ・その3

2005年03月29日 | 木の話
昨日から一転の晴天。
朝飯を食い、寺で飯を食い、坊さんの説教を聞かずにお清めの飯を食った。ここにいると何回飯を食わされるかわからない。それを断りもせずすべて食う俺も俺だが・・・。
葬式が終わるとあわただしく帰宅の準備。
ばあちゃんのお陰でいろんな人と話ができ、改めてばあちゃんの人柄を知ることもできた。今回の葬式でよりいっそう湯の谷とのつながりが強まった気がする。
Kさんに駅まで送ってもらった。
「私は、ばあちゃんがカヤノキの妖精じゃないかと思うんさ。まあ妖精にしちゃ、かなり口が悪いけどね」
とKさん。Kさんは熊野の町を活気付けるために色々な人をつなぎ、学生などの面倒をよく見ている。やさしくて情熱のある人だ。こういう人に引き合わせてもらったのも、ばあちゃんの力だろうか?

「付き合う」ということは、私にとって最も価値あることのひとつであるように思う。
ばあちゃんとの別れはさみしいが、最後まで付き合い、また新たな付き合いをもらえたことに満ち足りた思いもしている。
奥山の古木と96年も生きたばあ様と、これほど深い付き合いができたことは、私にとって一生の宝物だ。

熊野へ・その2

2005年03月28日 | 木の話
今日は朝から雨。
普段は軽い朝食しかとらないが、今日は二杯もご飯を食べた。
湯の谷の素晴らしさは、霧のかかった山を見て深呼吸し、茶粥を食い、コーヒーを飲み、ヒノキ風呂に入ればわかる。
空気・水・食い物がうまいことが、これほど人を幸せにするものかと驚く。

お清めをする車に同乗した。この地域では、川や寺や滝などの要所に塩をまいてお清めをする習慣がある。過去何度もお清めをしている地元の人に、話し込んでお清めを忘れた話や、のんびりしていて霊柩車に追い越された話などを聞いた。今回は盛ってきた塩のタッパーを車の中でひっくり返した。新しい失敗談として語り継がれるだろう。
「湯の谷の5年後はどうなるんかのう?」
と車の中でトミ子さんの息子Kさんがつぶやいた。谷に住む21名のうち大半が70以上。過疎の問題は遠い先の話ではなく、今ここで起こっている。

熊野へ・その1

2005年03月27日 | 木の話
タキばあちゃんの通夜に出席するために急きょ熊野へ。
2年半ぶりの湯の谷はやはりひんやりとした風が流れていた。巨樹を描く旅が縁で、6年前からこの辺鄙な谷と深いつながりができた。
「よう来たのう、こんな田舎まで。暇なんか?」
と次男のJさん。みなさん元気そうで何よりだ。知らぬ顔もあったが、ばあちゃんがいつも私のことを話してくれたお陰で、私のことを親戚のように歓迎してくれた。
ばあちゃんは、今にも起きてきそうなほどきれいな顔で眠っていた。茶摘の頃に会おうと言う約束は果たせなかったけれど、顔が見れてよかった。みんな代わる代わる話しかけ、さみしいが暖かい不思議な通夜だった。
夜、酒を飲みながら先月放映された番組のビデオを見た。
「ババアがおらんで飲んでも怒られんでええわい」
「いや、俺のほうがよう怒られたど」
など、ばあちゃんの話に花を咲かせた。口は悪いが、みんなばあちゃんが大好きなんだとよくわかった。その輪の中に入れてもらっていることがうれしい。
夜更けにぽつぽつと雨が降り始めた。
「雨男!あんたが来るといつも雨が降るわい」
ばあちゃんの憎まれ口が聞こえてきそうだった。

豊頃のハルニレ

2005年03月13日 | 木の話
十勝川の河原に『豊頃のハルニレ』という木がある。広告などにも使われていたことがあり、観光名所になっている。
現在、運営しているホームページでかつて巡った巨樹をシリーズで紹介しているが、今週はこのハルニレの木。ちょうど土曜日のNHK地球大好き環境新時代でも放送されていた。真冬で寒そうだった。
私が訪れたのは7年前の夏。その時は木の下でカレーを食べ、寝袋に包まって寝た。
あのころは、自分が何をしていいかわからず、すがるような思いで木の絵を描いていた。今でも自分の絵を見ると、当時を思い出してむずむずする。
テレビのブラウン管で、なつかしい友人や過去の自分にあったような気がした。
 

ばあちゃんガンバレ!『地球大好き 環境新時代』

2005年02月19日 | 木の話
親しくさせていただいている熊野のタキばあちゃん(95)の娘・ミチさんから電話があった。
「今度ばあちゃんがテレビに出るので見てねー」
当日は別の用事があったので録画してみると「巨樹は語るばあちゃんたちの小宇宙」と題して、環境をテーマにした番組だった。すげー
実は、巨樹の絵を描いて旅しているとき、ばあちゃんの家に1ヶ月以上居候させてもらった。ばあちゃんとわらじを編んだり、足のマッサージをしたり、田んぼの草むりしなどを手伝った。熊野の山はとってもパワーがあって、湯谷は将来住みたい場所の筆頭候補だ。
「人よりサルのほうが知恵があると思うよ」
と放送されていたが、ばあちゃんのそのまんまが出ていた。
ばあちゃんだけでなく、トミ子さんや瀬戸さんなど、湯谷のお姫様たちみんながでていてとっても良かった。吉増剛造さんが詠んだ詩も良かった。
「ばあちゃん、すっかり有名人だねえ、こんどサインもらいに行くよ」
と電話すると
「前みたいに元気はないけれど、遊びに来てね」
と言ってくれた。GWあたり顔を出そうかと考えている。
とってもいい番組です。2月27日に再放送をするので、録画してみてください。
▽リンク:NHK地球大好き環境新時代
▽リンク:森の語り部たち・石上様のクス

三春の滝桜-雪で枝折れる

2005年01月19日 | 木の話
巨樹をめぐる旅で1998年に訪れた三春の滝桜の枝がしめった雪のせいで折れたという記事を見つけました。残念です。
もともと桜は、杉やクスなどと比べると長生きしない樹木で、当時も滝桜も柱などで支えられていたのですが、雪の重さに耐えられなかったようです。そういえばテレビで屋久杉の枝が折れたニュースも見ました。
雪の重さに負けずたくましく生きる木といえば、京都の台杉や芦生杉が印象に残っています。折れても折れてもひこばえする姿はたくましい。
▽リンク:森の語り部たち・三春の滝桜