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indigo YOKOHAMA

横浜を拠点に活動する社会人JAZZ FUNK BAND "indigo YOKOHAMA"のバンドブログです。

今週の一枚 Richard "Groove" Holmes / Comin' On Home

2013-11-04 00:26:30 | FUNKY MUSIC
激戦を繰り広げた日本シリーズは東北楽天が気迫の勝利を収めて優勝しましたね。
MVPにならなかったとは言え、最後はどうしてもマー君に投げさせたかったんだろうなあ。
今日の仙台はさぞ盛り上がったんでしょうね。

さて、今週の一枚。
連休ってことで、今回はエロジャケ(なぜ?)の紹介を兼ねまして、リチャード・グルーヴ・ホルムズを採り上げましょう。

リチャード・グルーヴ・ホルムズは、ジミー・スミスと並び称されても良いジャズ・オルガン奏者。
あのジミー・マクグリフの師匠にもあたる人である。
ジミー・スミスがヴァーヴでオーケストラを絡めた小洒落たサウンドを展開していた頃に、もっと濃厚でブルージィなオルガンを聴かせていたのだ。

彼は当初はあくまでもファンキーなジャズというスタイルだった。
64年にオーケストラをバックに録音しており、当初アルバムを2枚出すはずだったのだが、セールス上の理由だか流通の問題だかで1枚しか出さなかったらしい。
これは現在、未発表音源を加えて『A Bowl Of Soul』としてエロジャケ仕様で発表されている。

内容は結構良いと思う。

そんな彼がアシッド系やジャズ・ファンク系のファンによって支持されているのは、その後ますますファンキーでブルージィなサウンドに昇華していくからである。
60年代後半から70年代にかけてプレスティッジやグルーヴ・マーチャントで精力的に作品を発表しているのだが、後者での作品は少し前にPヴァインが再発してくれていて、大変あり難い。

で、今回紹介するのは前述の2レーベルに挟まれるように彼が71年にブルー・ノートで残した唯一のアルバム『Comin' On Home』である。

このアルバムの特徴はホルムズのオルガンにウェルドン・アーヴィンのエレクトリック・ピアノを絡めたところにある。
ウェルドン・アーヴィンは7曲中2曲の作曲も担当しており、真っ黒一辺倒ではない都会的なスパイスを提供している。
そして、ベースにジェリー・ジェモットとチャック・レイニー(2曲目のみ)、ドラムにダリル・ワシントン(グローヴァー・ワシントンJrの兄弟)を迎え、ギター、パーカッション2人を加えた、なかなか強力なリズム隊となっている。
特にジェリー・ジェモットのベースが楽曲の全体を引っ張っており、ついつい耳がそちらに釘付けになる。
因みにギターのジェラルド・ハバードは、その後のホルムズの作品に何度かクレジットされている。
そんなリズム隊の上をホルムズのオルガンが縦横無尽に暴れまくるのである。

内容だが、1曲目の『Groovin' For Mr. G』がいきなり強烈なグルーヴをお見舞いしてきて、聴く者はビックリする事だろう。
最初から全開ではないかっ!
この曲だけでも本作を買う価値はある。
にしても、なんでこの曲をフェード・アウトにしたのだっ?
まあワン・コード一発で引き倒してるだけの曲というか、ぶっちゃけジャムってるだけだと思うのだが。
2曲目『Theme From "Love Story"』は映画『ある愛の詩』のテーマ・ソング。
フランシス・レイのセンチメンタルなメロディを軽妙に料理して、ちょっと小粋なカフェの気分。
チャック・レイニーのベースが渋い。
3曲目の『Mr. Clean』はウェルドン・アーヴィンの『Liberated Brother』に収録されている曲だが、発表年次から、こちらの方が初出と思われる。
4曲目『Down Home Funk』もウェルドン・アーヴィンの作品。腰にくるタメの効いたベース・ラインとアフロなパーカッションが印象的。
5曲目『Don't Mess With Me』はパーカッションのジェームズ・デイヴィスの掛け声をフィーチャーした曲。
6曲目『Wave』はアントニオ・カルロス・ジョビンの名曲。
これは超ご機嫌なボッサ。ハバード⇒アーヴィン⇒ホルムズと回していくソロも色気があって良い。
7曲目『This Here』は6拍子の変形ブルース。

このアルバムの後、グルーヴ・マーチャントの諸作品でジャズ・ファンク度がますます高まっていくので、興味のある方はその辺りも是非押えていただきたい。



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今週の一枚 Shaun Escoffery / S.T.

2013-10-27 01:33:26 | FUNKY MUSIC
今週採り上げるのはショーン・エスコフェリー。
UK出身のソウル・シンガーだ。
デビュー時、高い評価を受けながらもセールスに結びつかなかった人物である。

DJの父と歌手の母を両親に持つショーン・エスコフェリーは、学生時代から音楽活動を始め、インディーズのオイスター・ミュージックからシングル『Space Rider』を2001年に発表。UKチャートで52位を記録。
2002年にはシングル『Days Like This』を発表し、同じく53位を記録した。
これを受けて同年に発表されたデビュー・アルバムが『Shaun Escoffery』である。

全ての作曲に彼自身が名前を連ねており、その歌詞世界はセクシャルなものや能天気な要素とは無縁。
自身の魂と向き合うような哲学的なものが漂う。
それを反映するかのように楽曲は静謐で、聴く者の魂に訴えかけてくるような美しさがある。
演奏はハウス系の打ち込みもの主体だが、その上に乗る彼のヴォーカルは伸びやかで実にソウルフルだ。

先行シングルとなった前述の2曲を冒頭に配し、こちらは比較的キャッチーな要素もある。
後半はじっくりと聴き込むような感じ。
あくまでもディスコとかそういう空気ではないので念のため。

彼は合計3枚のアルバムを出し、現在はアメリカで活動しているようである。


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今週の一枚 Electro Deluxe / Home

2013-10-20 23:40:43 | FUNKY MUSIC
待ちに待ったエレクトロ・デラックスの新譜が発売になった。
前作の『Live In Paris』と同様、国内での発売は今のところ無し。
MP3での入手は可能だが、CDを購入しようとすると、フランス本国のショップを使わないといけない。
だが、ここでひるんではいられないのだ。
インターネットの時代、フランス語が判らなくても案外どうにかなるのですよ。



という訳で、入手した新作『Home』。
私の期待を裏切らない快作でありました!
まず編成だが、今回もゲストを4名加えての録音。
だが、今までと違うのはメイン・ヴォーカルを全てJames Copleyが行なっている事。
これまでのスタジオ作品ではゲストでラッパーを起用していたのだが、その要素を排除した事で彼らは何を狙っているのか。

聴いてみると、これまでの作品の中でもっともアーシーで生々しいサウンドが展開されていた。
やはりライヴ活動でのビッグバンド路線が影響しているのだろうか。
以前ならもっと都会的でクールな要素を強調していたのだが、今回はまるでアメリカのオールド・スタイルのR&Bバンドのようなブルージィなテイストを前面に出しているのである。
ホーン隊はもちろん大活躍。
恐らくオーヴァーダブもやっているのだろうが、キレのある分厚いホーンが小気味の良いリズム隊に乗せられてガンガンに攻めまくっている。
James Copleyのヴォーカルはダンディな感じでなかなか良い。

お薦めは全部と言ってしまうと駄目だろうか。
強いて少し挙げてみるが、『Free Yourself』はThomas Faureの活きの良いサックス・ソロも堪能できるインストで、シンプルながら腰に来るベースのリフが聴く者を横ユレさせる。
これに続くヴォーカル曲の『Twist Her』も思わず踊りだしたくなるようなナンバー。
『G-Force』は過去のエレクトロ・デラックスのスタイルらしさを見せつつも、それだけでは終わらんぞという黒さを発揮する。
オルガン・ソロがこれまたイナタい。
極めつけはインスト曲の『Ground』だ。
この曲と『Turkey』のコンボは強烈。
テンションが上がりまくるのは間違いなしである。
もう絶対聴いて欲しい。
『Blacktop River』はアメリカン・ロック的テイストも漂わせた楽曲である。

頼むから国内盤出してくれ~っ!



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今週の一枚 Eugene McDaniels / Headless Heroes

2013-10-06 22:47:34 | FUNKY MUSIC
今日は、地元横浜で活動するロックンロール・バンドの濱街バンドのライヴに行ってきました。
ウチとは系統が違いますが、クレイジー・ケン・バンドや横浜銀蝿、矢沢栄吉にも繋がる本格派です。
お互い、横浜の音楽シーンを盛り上げていきましょうねっ!

さて、今回紹介するのは一筋縄ではいかないアーティストである。
シンガー・ソング・ライターのユージン・マクダニエルズ。
彼は自身のソロ・アルバムを2枚発表しているのだが、そのいずれもレア・グルーヴの名盤として認知されている。
この『レア・グルーヴの名盤』という表現が意味するのは、発表当時はあまり売れなかった(気付かれなかった?)が、後の音楽ファンなりミュージシャンが『これ、ええわ』と様々な形で発信して知られるようになるという事である。
彼の場合、それはヒップホップ・ミュージシャンのサンプリング・ネタとしてメチャクチャ使われた。
71年に発表された2ndアルバムの『Headless Heroes』の場合、ア・トライブ・コールド・クェストだの、ビースティ・ボーイズだの、ピート・ロックだの、その他数多のサンプリング実績があるらしい。
楽曲的には、誤解を恐れずに書くと、ソウルのテイストを漂わせたサイケデリック・ロック(!)なのだが、事が単純にいかないのは起用されたミュージシャンにある。
ドラムがアルフォンソ・ムザーン、ベースがミロスラフ・ビトウス、つまりウェザー・リポートのメンバーなのだ。
これによって、ジャズ~クロスオーヴァー的色彩が加わり、独自の音楽世界を構築しているである。

個人的なお薦めは、エルヴィス・プレスリーが完全に黒人になったらこうなっただろうと思えるグルーヴィなロック『The Lord Is Back』、70年代ジャズの味が濃厚な『Headless Heroes』あたりか。


こういう作品が世に出ていたのが70年代なのだなと感じさせる一枚である。




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今週の一枚 Big Sam's Funky Nation / Peace , Love & Understanding

2013-09-29 22:54:10 | FUNKY MUSIC
今回は前回に続いてニュー・オーリンズ系のトローンボニストをご紹介。

ビッグ・サムズ・ファンキー・ネイションはビッグ・サムことサム・ウィリアムスが率いるジャズ・ファンク・バンドだ。
サム・ウィリアムスはダーディ・ダズン・ブラス・バンドの元メンバーだった。
このバンドはフジ・ロック出演歴があるから、知ってる方も多いはずだ。
サムは2000年代初頭に4年程在籍していたそうだが、その後自身の音楽をやりたくて脱退。
ビッグ・サムズ・ファンキー・ネイションを結成する。
04年にデビュー作『Birth Of A Nation』を発表。
その後アルバム発表のたびにメンバー変更を繰り返す。
『Peace , Love & Understanding』は08年に発表した3rdアルバムであるが、デビュー作のメンバーは皆無。
2ndアルバム『Take Me Back』から残ったのはトランペットとベースだけ。
4作目は総取替えとなっている。
つまり本当に彼個人のバンドなのである。
ただ、バンドの編成自体はホーン隊を前面に出し、ヘヴィ・ロック指向のギター、スラップとどす黒い重低音を聴かせるベース、そして小気味のよいオルガンがバックを支えるというスタイルを一貫して踏襲している。

今回紹介する『Peace , Love & Understanding』は過去2作と基本的には変わっていないが、冒頭のヴォーカル曲の後、前半の8曲目までひたすらインスト曲で押し、後半4曲をヴォーカル曲としているのが特徴。
この節目として『Up In Here』という曲を1曲目と9曲目に置いている。
これはアナログ盤の表裏のような切り替えを強く意識しているのかもしれない。

楽曲のスタイルは先週のトロンボーン・ショーティで触れたような、非常にロックの影響が濃く感じられるニュー・オーリンズ・スタイルである。
リフ自体はシンプルだが、このリフがかなりヘヴィなのが印象的である。
過去2作よりもヘヴィさが強調されている。
そして、そのヘヴィネスとファンクの軽快感が融合しているのがなかなか心地よい。
しかも、随所に仕掛けが施され、聴く者を飽きさせない。

全体としてなかなか完成度が高いと思うが、お薦めどころは個人的にはインスト編の前半。
『Dozenland』『T.M.P』『Yu Blockin'』の3連チャンがイイ感じだ。
インスト編の最後を飾る『Wishful Thangs』は却って意外とも言えるオーソドックスなブルース・ナンバー(14小節の変形版だが)。
ヴォーカル編はIvan NevilleとNick Danielsがそれぞれ2曲ずつ担当している。


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今週の一枚 Trombone Shorty / For True

2013-09-22 20:04:20 | FUNKY MUSIC
先週はお休みを頂いてしまった『今週の一枚』ですが、今週は平常運転で参ります。

それにしても『半沢直樹』見ながら書いてますが、うむむ、こう来ましたか~っ。
基本的には時代劇的な勧善懲悪ものですが、ただでは終わらんのう。
いやはや、これはまだまだ続きそうですなあ。

という訳で本題に復帰。
今回紹介するのは先日ニューアルバムを発表したトロンボーン・ショーティの前作『For True』。
トロンボーン・ショーティは86年生まれで、本名をトロイ・アンドリュースと言う。
なんと6歳の頃からトロンボーンを吹き始めたという筋金入りのトロンボーニストだ。
出身地はニュー・オーリンズ。
ニュー・オーリンズと言えば一般的にはジャズ発祥の地として知られるが、ジャズ・ファンクの世界では一大派閥を形成していると言って良い独自のスタイルを形成している。
その特徴はロックやヒップ・ホップその他のジャンルとの融合であるが、特にロック色を前面に出したサウンドメイクがロック・ファンのハートをも掴む味になっており、日本のロック・フェスでもニュー・オーリンズ系は既に常連と化している。

肝心のトロンボーン・ショーティだが、2005年にレニー・クラヴィッツのワールド・ツアーに参加。
その他U2やチャールズ・ネヴィル、グリーン・デイ、メイシオ・パーカー等と仕事をしながら実績を積み上げていった。
そして、2010年にアルバム・デビュー(『Backatown』)。
ソロ名義であるが、彼の活動はトロンボーン・ショーティ&オーリンズ・アヴェニューというバンド形式であり、参加メンバーはバンド・メンバーを基本としている。
因みにバンドのフロントはトロイ・アンドリューズにバリトン&テナー・サックスを加えた重厚な3管編成である。

2作目の『For True』は2011年に発表された。
ゲストとして、ジェフ・ベック、キッドロック、スタントン・ムーア、イヴァン・ネヴィル、シリル・ネヴィル、レニー・クラヴィッツ等が参加している。
前作のスタイルはそのまま継承しており、100BPM台の踊れるテンポに分厚い3管とロックなギターが豪快に絡んでいく。
特にホーン隊はその合奏スタイルやフレージングにニュー・オーリンズ・ジャズの源流を感じてしまう。
リズム・スタイルはロック的なものからヒップ・ホップ的なもの、ニュー・オーリンズ調から16ビートになるものなど、各種取り揃え。
楽曲は14曲中インスト曲とヴォーカル曲が半々となっており、うち3曲はトロイ自身のヴォーカルである。
『The Craziest Thing』で聴かせる歌声はなかなかブルージィだ。
また、レニクラとの共演(レニーはベースのみ)となる『Nervis』はどことなくレニーの楽曲っぽい。
それとゲストの女性ヴォーカルLedisiが参加する『Then There Was You』がソウルフルなバラードで心地よい。
個人的にはこれが一番気に入ってしまった。
このアルバムに関して言えば、インストよりヴォーカル曲の方が良作に恵まれていると思う。
尚、12曲目の『UNC』は全てトロイ自身が演奏しており、伸びやかなトランペット・ソロも聴かせている。



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今週の一枚 Howard Tate / S.T.

2013-09-08 22:35:27 | FUNKY MUSIC
2020年のオリンピック、東京開催が決まりましたね。
驚いたのは、最終プレゼンの素晴らしさ。
NHKでは結構辛口な評価でしたが(苦笑)、高円宮久子様を始め、皆さんなかなか『熱い』スピーチだったと思います。
メンバーそれぞれの熱い思いが会場を覆っていく感じがしました。
そして、最後の安倍首相の『断言』で、『よし、決まり』となったのかなと。
個人的には太田選手のスピーチが気に入りました。
いろいろと紆余曲折のあった招致活動ですが、決まったからには素晴らしい『おもてなし』を見せるのが日本人の心意気ってもんです。


さて、今週の一枚だが、最近アトランティック系ソウルの廉価盤が再発されているので、そこから気に入ったものをご紹介。
ハワード・テイトのセルフ・タイトルだ。
これはなかなか良いです。

ハワード・テイトは1967年にヴァーヴからデビューしたソウル・シンガーなのだが、このファースト・アルバム『Get It While You Can』自体はそれ程ヒットした訳ではないが、ジャニス・ジョプリンやジミ・ヘンドリクスが楽曲をカバーして、再評価されたらしい。
そして、アトランティックから72年に発表されたこちらが2ndということになる。
プロデューサーは前作に続いて、ジェリー・ラゴヴォイが務めた。
バッキングにはバーナード・パーディ、リチャード・ティー、ジェリー・ジェモット、デヴィッド・スピノザなど、ブルース~ジャズに造詣の深いメンバーが揃えられている。
楽曲はトータル12曲で、大半はジェリー・ラゴヴォイの作品。
これぞR&Bの典型と言うような曲、アレンジで、ホーン・セクションが要所要所でバックを盛り上げる。
これにハワード・テイトの生々しくソウルフルなシャウトが絡み合って極上の真っ黒サウンドに仕上がっている。
アルバムはチャートに入らなかったようだが、内容はすこぶる良い。

R&B好きなら押えておいて損は無いアルバムである。



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今週の一枚 James Taylor Qualtet / In The Hand Of The Inevitable

2013-09-01 23:07:18 | FUNKY MUSIC
アシッド関連が続いていますが、今週もアシッド・ジャズにお付き合い下さい(笑)。

アシッド・ジャズ・ムーヴメントで一世を風靡したミュージシャンの中で、もっとも影響力のある人物の一人がジェームズ・テイラーである。

ジェームズ・テイラーは元々ネオ・モッズとかモッズ・リバイバルとか言われたガレージ・ロック・バンドのThe Prisonersでオルガンを弾いていた人だ。
つまり、かなり荒削りなロックのDNAを持っている訳で、この辺の出発点の違いがインコグニートやブランニューヘヴィーズとかガリアーノ辺りとは一線を画している所以である。
その後、ジェームズ・テイラー自身は、ガレージ・ロックからオルガン・ジャズ・ファンクに移行していく訳だが、リズム・セクションは明らかにロック・テイストだった。
どちらにしても荒削りなスタイルで若者を踊らせるというコンセプトは一貫しているように思う。
JTQとも呼ばれるジェームズ・テイラー・クァルテットがデビューしたのは87年の『Misson Impossible』(ラロ・シフリン)という事になるが、ファースト・シングルとなる『Blow Up』(ハービー・ハンコック)や『Gold Finger』『Alfie』などのサントラ・カバーをメインに軽快なオルガンで捌きまくるという演奏を聴かせていた。
ところが、アシッド・ジャズ・ムーヴメントとの関わりの中で、ちょっとコンセプト変えてみました~という時期があった訳である。
特にそれが顕著だったのが93~96年頃だったと思う。
要はインスト一辺倒からヴォーカルをフィーチャーし出した時である。
93年の『Supernatural Feeling』はノエル・マッコイ。
そして、ソロで全米ヒットを記録した事もあるアリソン・リメリックを起用したのが94年のEP『Extended Play』と今回紹介する95年の『In The Hand Of The Inevitable』である。


そもそも『Supernatural Feeling』の成功を受けて(UKチャート36位)、更なる飛躍を期待してのアリソンの起用だったのではないかと推察する。
もうこの路線で天下とってやろうと。
スノウボーイなどのサポートも受けて明らかに音符が細分化、緻密になったリズム・セクションに、ホーン・セクションやコーラス、ストリングも従えてのゴージャスなバッキングで支えられた楽曲は、やや憂いを湛えたサウンドでイギリスや日本の若者の心を鷲づかみにした。
実はこの時、クァルテットと称しながらメンバーにジョン・ウィルモットも加わって実質クインテットになっており、楽曲制作にも関わっている事は重要なポイントかも知れない。
アルバム的にはジェームズの兄弟であるデヴィッドのギターが要所要所で大活躍している印象。
ヴォーカルのアリソン・リメリックは、その大柄な体格から発せられる芯のある歌声で充分な存在感を見せている。
ジェームズ・テイラーのオルガンは、露出度が明らかに下がり、ピアノやシンセの頻度が上がったものの、時々オルガンで暴れるときの疾走感は捨てがたい。


個人的なお薦め楽曲は、ヴォーカル曲『Love Will Keep Us Together』『Free Your Mind』『Stepping Into My Life』は鉄板。
インストだと『Haitian Breakdown』『Journey』あたりであろうか。

因みに『Whole Lotta Love』はレッド・ツェッペリンのインスト・カバー。

アルバムはUKチャートで63位を記録した。
この後はチャート上からは姿を消す。
元のスタイルに戻ったのである。



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今週の一枚 Bluey / Leap Of Faith

2013-08-25 21:29:56 | FUNKY MUSIC
今回は前週に続いて、インコグニート関連を採り上げる。
というより、まんまインコグニートの人であるが。

今年の3月に発売になったブルーイの『Leap Of Faith』、意外な事にこれが初めてのソロ作だったのである。
しかも、全曲オリジナルでご本人が歌唱という、そう来ましたか、みたいに驚かせる内容であった。
因みにプロデュースはリチャード・ブルとの共同名義である。

自身のバンド、インコグニートにおいて強力なラインナップのヴォーカリストを擁して、これでもかとハイ・クォリティなサウンドを放ってきた彼がどんな歌声を聴かせるのかと、少々疑問だったが、これは無用な心配だった。
彼自身はパワフルに歌える訳ではないが、どうしてどうして!
雰囲気出てるじゃないですかっ!
クールで抑制的なアーバン・ソウルにとってもオトナなブルーイのヴォーカルが絶妙に溶け込んで良い感じ。
バンド・サウンドとの違いを出すためか、あまり仕掛けは施さず、楽器のソロ・プレイもフィーチャーせず、ひたすらのヴォーカル押しである。
これはこれで良いのではないか。
各楽曲のクォリティは折り紙付きの素晴らしさ。
インコグニートの活動歴は30年以上になる訳だが、いつも感じる安定感がここでも存分に味わえる。
インコグニートと較べると、アルバム全体の抑揚に欠けるという見方も出来るが、自動車の運転などにはちょうど良い作品だ。

あえて変化どころを挙げるなら6曲目の『Live Like A Millionaire』はCharles Wright & The Watts 103rd Street Rhythm Bandの『Express Yourself』風のナンバー。
8曲目の『Sky』はちょっとボサノヴァ風。
なんかこのテイスト、リール・ピープルっぽい。
この辺は親交があるから、当然な気もするが、全体的にラスムス・フェイバーとかリール・ピープルを聴いてる人にはお薦めできそうである。




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今週の一枚 Beggar & Co / Sleeping Giants

2013-08-19 01:22:03 | FUNKY MUSIC
今回はウチのギターから推薦されたバンドをご紹介。
因みに彼は私など歯が立たないぐらいファンクやソウルの造詣が深く、CDの所有枚数も私の比ではない。

Beggar & Coは1980年代から現代に至るまで活動を続けているバンドである。
その前身はLight Of The World。
実はこのバンド、インコグニートのブルーイが参加していたバンドである。
確かに、ベガー・アンド・カンパニーとインコグニートの間にはどこかしら音楽性の共通点が見出せるのだ。
つまり、インコグニートのファンには是非モノのバンドと言えるかも知れない。

ベガー・アンド・カンパニーはケニー・ウェリントン(トランペット)、デヴィッド・バプティスト(サックス、フルート)、ブリーズ・マックリース(ギター)の3名を中心メンバーとし、他は楽曲によって替わっているようだ。
80年代にイギリスのシングル・チャートを賑わす存在だったが、アルバムについては81年に『Monument』というデビュー作(当時はまだアナログしかない)を発売してから、しばらく音沙汰が無く、90年代に至ってはシングルも発表された形跡がなく、もっぱらコンピレーション・アルバムに過去のシングルが収録されるのみという状況だった。
だが突如、彼らは息を吹き返した。
2007年にライヴ盤でもある『Brass String N'Things』を発表。
2011年にスタジオ録音の『Legacy』を発表。
そして2012年に発表されたのが、今回紹介する『Sleeping Giants』である。

参加しているメンバーは、復活後はある程度固定化してきているようだが、録音をロンドンとLAで行なった関係からか、過去に参加していないメンバーもチラホラ見える。
楽曲はインストあり、ヴォーカルありのアーバンなジャズ・ファンクで、インコグニート好きな人なら概ね気に入ると思われる。
あえて違いを指摘するなら、インコグニートなら個性あふれる女性ヴォーカルを積極的にフィーチャーしているが、ベガー・アンド・カンパニーの場合は、コーラス・ワークの方がメインとなっている事か。

アルバムのハイライトは冒頭のヴォーカル曲『If You Love Me』、3曲目の『Summer Is Here At Last』、11曲目の『Rise Of The Phoenix』あたりか。
5曲目の『Street Life』は鉄板と言って良いクルセイダーズの名曲のカバーである。


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