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indigo YOKOHAMA

横浜を拠点に活動する社会人JAZZ FUNK BAND "indigo YOKOHAMA"のバンドブログです。

今週の一枚 Ricardo Marrero & The Group / A Taste

2014-01-26 19:54:37 | FUNKY MUSIC
今週ご紹介するのは、リカルド・マレーロ『A Taste』。
いわゆるレア・グルーヴですが、これはなかなか良いですぞ。

リカルド・マレーロはニュー・ヨークで活動するキーボード兼打楽器奏者である。
サルサ界の巨匠とみなされているそうである。
そんな彼の『幻の』デビュー盤をイギリスのJAZZMANレーベルが復活させた。
(それをPヴァインが限定紙ジャケで国内発売している。)
なぜ、『幻』だったのかというと、これを最初に発売したのがTSGという、脱税目的のために作られたレコード会社だったからだ。
形式上レコードをプレスして、ろくに販売もせずに損失計上みたいな事をされたら、そりゃ出回るわけもないのである。

内容だが、これはもうサルサ好きもファンク好きも納得してしまいそうなラテン・ファンクの名盤と断言して良いだろう。
基本的にラテンのアルバムでこれがもうノリノリなのだが、2曲目のファンク系インスト・ナンバー『Algo』が強烈。
ベース・ラインがグングン全体を引っ張り、ワウ・ギターとパーカッションがホーンを煽っていくインスト・ナンバーだ。
他にファンク色の強い曲ではインスト・ナンバーの『Babalonia』も挙げられる。
こちらもベースが非常に印象的。
この曲は彼らのデビュー曲を録音し直したもので、デビュー時のヴァージョンもボーナス・トラックで収められている。
『My Friend』はラテンとR&Bのグルーヴが見事に融合しているだけでなく、構成も少し凝っていて、映画音楽的な印象も与えるヴォーカル・ナンバーである。

それとお薦めしたいのが『And We'll Make Love』。
フリー・ソウルな人たちが涙を流しそうな、都会的なラテン調のミディアム・バラードだ。
いやはや、人によっては実はこちらが本命のアタリかも知れない。
いや、間違いなくそうだ。

レア・グルーヴというマニアックな響きは気にせず、買って損はないよと言っておこう。


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今週の一枚 The Players Association / Born To Dance

2014-01-20 00:43:26 | FUNKY MUSIC
一週お休みを頂いての『今週の一枚』、今回ご紹介するのはThe Players Association。
ジャズ・ファンクを目指す方には是非モノの予感がするグループだ。

プレイヤーズ・アソシエーションはドラマーのクリス・ヒルズとプロデューサーのダニー・ワイスによって1976年にニュー・ヨークで結成された。
当初は小編成のバンドに過ぎなかったが、1977年に発表された2枚目のアルバムからセッション・ミュージシャンを積極的に起用する事になる。
その2枚目のアルバムが今回の『Born To Dance』である。
参加ミュージシャンには、あのデヴィッド・サンボーンやマイケル・ブレッカー、パーカッションのエムトゥーメイが名を連ねる。
この時点で凄いのであるが、特に目を惹くのがトランペットのジョン・ファディスである。
ジョン・ファディスはとにかくハイ・ノートで有名。
一聴してそれと判る彼の狂喜乱舞のハイ・ノートは演奏に強烈なインパクトを与える。
このハイ・ノートがアルバムの冒頭から爆裂してサンボーンすら霞んでしまうほどなのだ。

演奏スタイルはジャズ・ファンクであるが、最近のリスナーが考える『ジャズ・ファンク』ではなく、ビッグ・バンド・ジャズ的要素の強い『ディスコ・サウンド』というイメージである。
『ドッドッドッドッ』という感じの(だけではないが)典型的なディスコ・ベースが楽曲の底を支え、ゴージャスなホーンとストリングがこれに絡んでいく。
ヴォーカルは入っているが前面に出すという感じではなく、大半はコーラス形式でインスト・パートと並列しているような使い方である。
このため、ヴォーカル曲なのに不思議なくらいヴォーカルを意識しない(歌詞もあるのに)。
全体を支配している空気はハッピーでアーバンでファンキー。
各パートのソロもバンバン入ってるのに、とてもリラックスした雰囲気で楽しめる。

プレイヤーズ・アソシエーションは、中ヒットを出すに留まったバンドなのだが、イギリスでもチャートに上がり、かの地のジャズ・ファンク・バンドに少なからず影響を与えたのである。
本作は78年のR&Bチャートで57位を記録した。



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今週の一枚 Bononia Sound Machine / Thank You For The Party

2014-01-05 20:12:27 | FUNKY MUSIC
皆さん、明けましておめでとうございます。
今年もファンクの普及のため、精進して参ります。
どうぞよろしくお願い致します!


という訳で、新年最初の『今週の一枚』はLorenzo Bombacini氏に敬意を表して、彼のバンドBononia Sound Machineのライヴ作品『Thank You For The Party』について書きます。
(ちゃんと届いたので…過去記事参照)

『Thank You For The Party』はBononia Sound Machineの2009年、2011年のライヴを収録した作品である。
パッケージはCDとDVDのセットになっている。
DVDの方はドキュメンタリー番組風の作り。
バンド・リーダーであるLorenzo Bombacini自身がナビゲーターとなって、2009年のライヴ映像にバンドメンバー及びバンド関係者へのインタビューを挟みながら進行していく。
この『関係者』というのが物凄い。
何しろ関係者の大半はタワー・オブ・パワーのメンバー、特にジェフ・タムリエなのだから。

まずはバンドの成り立ちについて説明しているのだが、映画『ブルース・ブラザーズ』を観た事が今のバンドのキッカケになったそうで、映像でもLorenzo Bombaciniはブルース・ブラザーズのTシャツを着ている。
(私もあの映画は大好きだ)
タワー・オブ・パワーからはエミリオ・カスティーヨ、デヴィッド・ガリバルディ、そしてジェフ・タムリエが登場する。
話のメインはBononia Sound MachineのTOPとの出会いからジェフ・タムリエをプロデューサーに迎え、バンドがサウンド作りに励んでいく過程についてである。
これはTOPファンにとって案外お宝映像かも知れない。
(まあコアなTOPファンはチェック済みでしょう)
因みにジェフ・タムリエはライヴにも参加している。
ソロも披露して、これはとんだボーナスだ。

収録楽曲(2011年のも含め)は、大半がカバーとなっており、ジャコパスの『Soul Intro』に始まり、TOPの『Squib Cakes』、スライやJBメドレー、アルバート・キングの『You're Gonna Need Me』、果てはビートルズの『Hey Jude』までと、単純にファンクだけではない所も見せている。

演奏はTOPも認めた彼らの事、素晴らしいの一言だ。
曲中でホーン・セクションが踊ったりするお約束もきっちりこなしている。
個人的にはJBメドレーがお気に入りである。
やはりファンクのルーツは押えておかないといかんわね。

残念ながらDVDはリージョン・コードの関係と思われるが、通常のDVDプレイヤーでは再生ができない。
(PAL方式とは書いてないのでリージョン・コードと思われる)
ただ、パソコンなら視聴可能だ。
CDには全11曲が収められており、最後の2曲はスタジオ収録のものである。

ペイパルを使っている人なら個人輸入が可能だが、MP3化の予定もあるそうである。
映像が欲しいなら迷わずパッケージの方を!



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今週の一枚 Spin Doctors / Pocket Full Of Kryptonite

2013-12-23 23:26:11 | FUNKY MUSIC
今年はクリスマスが休みとズレてしまったので、おそらくこの連休でクリスマス気分を味わった方も多いでしょう。
管理人は勤め先から出てる課題みたいなものを仕上げてたので、あまり連休関係ありませんでした。
最近、休日が引きこもり気味かも。
いかん、いかんぞ~っと。

さて、気を取り直しまして『今週の一枚』。
連休時の本コーナーはいつもちょっと捻りを加えた作品紹介をしている訳ですが、今回は90年代から今も尚活動を続けているロック・バンド、スピン・ドクターズ『Pocket Full Of Kryptonite』を紹介。

ここでこの時期のロックの潮流について物凄く乱暴に触れておくと、80年代後半にリヴィング・カラーやレッド・ホット・チリペッパーズなど、ヘヴィなリフの裏でベースがスラップをバキバキ決めるようなファンク要素が加味されたタイプのロック・バンドが出始め、90年代に花開くオルタナティヴというミクスチャー系ロックの土台を築く事になる。
オルタナティヴといった場合、ざっくりパンク系統(シアトル系とか)とファンク系統に分かれるが、スピン・ドクターズは後者に属する。

スピン・ドクターズは80年代後半にニュー・ヨークで結成された。
91年にEP『Up for Grabs...Live』でデビュー。
同年8月にデビュー・アルバムとなる本作『Pocket Full Of Kryptonite』を発表。
当初は全くウケなかったようだが、92年に出演したロック・フェスを機に人気に火が点いた。
『Little Miss Can't Be Wrong』と『Two Princes』がMTVに流れるようになり、アルバムの売上が爆発する。
一瞬目を疑ってしまったが全米で500万枚も売ったらしい。

そもそもはブルース・オリエンティッドなバンドであるが、ファンキーなリズムとリフ、カラッとしたサウンドが印象的である。
とにかくドラムとベースが猛烈に小気味良い。
コロコロと転がるようなAaron Comessのドラム連打とベースのMark Whiteのスラップが絶妙だ。
Eric Schenkmanのギターはカッティングを多用しながらブルージィなフレージングが光る。
この伴奏の上にChris Barronの、力の抜けた軽やかなヴォーカルが乗っかる。
ロック・ヴォーカルとしてはあまり類似したアーティストのいない声質で、これが案外嵌る。

楽曲だが、ファンキーさでは『Jimmy Olsen's Blues』『What Time Is It?』『Two Princes』が、ロック・リフ的には『Little Miss Can't Be Wrong』『Refrigerator Car』『Shinbone Alley/Hard to Exist』がオススメ。
『Shinbone Alley/Hard to Exist』は後半の『Hard to Exist』でのスラップはお手本にしたい。

アルバムは全米チャート3位、全英チャート2位を記録した。

バンドは今も尚活動中で、今年は新作『If the River Was Whiskey』というブルース寄りのアルバムを発表している。



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今週の一枚 Mette Hartmann / Swan

2013-12-15 23:29:12 | FUNKY MUSIC
今週紹介するのはノルウェー出身のモデル、メッテ・ハートマンである。
彼女は2枚のアルバムを発表しているのだが、デビュー作である『Swan』はノルウェーのチャートで1位に輝いた。
さすがに米英のチャートには上がってこなかったが、日本では売れた。
何度も書いているかもしれないが、この辺のボーダーレスな貪欲さは日本の音楽ファンの凄いところである。
特にこのアルバムの発表された95年頃は日本の音楽シーンが絶好調。
渋谷系が流行ったのもこの時期だ。
洋楽もアシッド・ジャズがもてはやされ、外資系CDショップが拡大していった頃だった。
そんな時に登場した彼女のアルバムは、北欧系ポップの先駆けともなったのである。
因みにスウェディッシュ・ポップの発火点となったカーディガンズの『Life』も同じ95年。
エピック・ソニーが精力的にプロモーションをかけて流行らせたメイヤは96年である。

トーレ・ヨハンソン的小洒落た感じの北欧系の中で、メッテ・ハートマンのポジションはとてもアダルトなものだった。
後にジャズ歌手に転換していくヴィクトリア・トルストイ(こちらのデビューは96年)とも相通ずるジャズ的要素を取り入れた都会的で静謐なバック・サウンド。
アンニュイという言葉がピッタリくる、ややハスキーで切なげなヴォーカルが、洋楽好き・クラブ好きの日本人リスナーには、かなり琴線に触れた。
アルバムの1曲目を飾る『I Believe』は日本のFMチャートを賑わせたのもむべなるかな。
ジョージ・ベンソンもかくやと思わせるギター・ソロにシンクロニシティのバッキング・ヴォーカルも挿入され、雰囲気は満点だ。
ベーシストJohnny Sjoも大活躍。
ツボを押えたベース・リフは少し注意して聴いてあげても良い。
おまけに11曲目の『Playgrounds』などは彼のソロ曲である、それも完全にジャズ系の。

アルバムの構成は全17曲で、うち前述の『Playgrounds』を含めた4曲の小品がアクセント的に入っている。
前半の『I Believe』『That's What I Do』『He Walks Alone』はクラブ調の踊れるナンバーで、軽快に飛ばしていく。
続く『Every Beat Of My Heart』はバラードの佳曲。
小品『Jungle』を挟んで少しポリリズムな『Jungle Of Love』はシャーデーがやりそうな曲。
まあ、彼女の方向性自体が白人版シャーデーみたいな味つけであって、当時シャーデーが好きな人なら確実にチェックしていただろう。
後半はアコースティック感のあるバラード中心で、これが実に味がある。
パワーはないのだが、とにかく雰囲気がある。
当時20歳だったらしいが、とてもそうは聴こえない憂いを帯びた大人の女の歌声が堪らない。




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今週の一枚 High Fashion / Feelin' Lucky

2013-12-08 23:17:14 | FUNKY MUSIC
私は時代に逆行するようにパッケージ至上主義なので、音源は必ずパッケージ・ソフトを買うのだが、コレクターではないので、別に中古でも廉価ボックスでもカップリングCDでも構わない。
そんな私にとって最近の『Original Album Series』などは非常に有り難い存在である。
といっても、このシリーズはロック&ポップス主体という印象は拭えず、それはそれで買ったりしているのだけど、R&B系はもう少し頑張って欲しいと思うところ。
もっとも、R&B系だとスマッシュ・ヒット一発で消えたアーティストなぞウンザリする程いるので、そういうところがパッケージ化の難しさではないかとも思うのである。

そんな中、イギリスのExpanshion Recordsが発売している『Two Classic Albums On One CD』という一連の再発ものシリーズには、『え、これ出てたの?』みたいなタイトルが結構あったりして、なかなかお薦めなのである。

で、今回紹介するのは80年代に2枚のアルバムを残して消滅したHigh Fashionである。
これは前述のExpanshion RecordsからカップリングCDが発売されている。
High Fashionはフランス人のジャック・フレッド・ペトラスにプロデュースされた男女混成のヴォーカル・グループである。
ペトラスは他にChangeやBB&Qなどのミュージシャンを世に送り出し、ルーサー・ヴァンドロスのプロデュースも手がけた人物である。

High Fashionはエリック・マクリントン、メリッサ・モーガン、アリソン・ウィリアムスという、男1名・女2名のトリオ編成である。
もちろん楽曲によってリードを使い分けている。
因みに、後にそれぞれソロに転じるが、3人のうちでもっとも成功したのがアリソン・ウィリアムスである。

彼らのデビュー作となる『Feelin' Lucky』は82年にリリースされている。
楽曲のスタイルはいわゆるシック・サウンドと言ってよいもの。
そういう意味では特筆すべき新しさは無いが、楽曲自体のセンスと歌唱力はなかなかのもの。
冒頭にシングル・カットされた『Feelin' Lucky Lately』でガッチリとハートを掴んでくる。
だが、この曲で終わりではなく、通しで聴いても充分楽しめる。
今の耳ではチョイダサに聴こえるかもしれないオブリやキメが結構心地よかったりする。
いや、既に一巡りしているかも知れない。
各曲のバラエティにも気を配られている印象。
バッキングはニュー・ヨークのミュージシャンで固められた折り紙付きだ。
『You're The Winner』『Brainy Children』のスラップ・ベースがカッコイイ。

アルバムはR&B部門で51位、シングル『Feelin' Lucky Lately』が32位を記録した。



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今週の一枚 Bononia Sound Machine / Stuffunk

2013-12-01 23:41:44 | FUNKY MUSIC
ども、管理人です。
今回はボノニア・サウンド・マシーンをご紹介。
ここではまず、以前にツイッターで書いた事を少々掲載します。

*************************

イタリアのTOPことBononia Sound Machineは日本では一枚しか出してないけど、現地ではスタジオ盤2枚にライヴ盤も出してます。
この内、国内ルートで手に入るのはスタジオ盤1枚のみ。残りは海外サイトから直接入手するしかない。
で、ライヴ盤はDVDも付いてくるお得仕様だが、これはイタリア本国にアクセスしないといけない。
そこで、オフィシャルのショップに発注したのだが、オールイタリア語な訳だ、当たり前だが。
発注はどうにか出来た。ところがペイパルの決裁方法が普段と少し違っていた。
ペイパルから『支払っちゃう前に確認してね』メールが届いてから確認するプロセスがあって、それを見落とすミス。2ヵ月放置。
見落としに気づいて、『支払うから送って』とメール。
イタリア語無理なんで英語。
ところが音沙汰無いまま更に2ヵ月が経過。既に支払い済だが、面倒になって放置。
するとロレンツォなるイタリア人からメールが届いた。
『あなたのメールが迷惑メールのボックスに送られてたんだよ。何でだろ。(俺が知るかっ)すぐに送るね』…と、文面にツッコミを挟みつつも、めでたく商品が届く事になりました。やれやれ。
そんなこんなで色々あったりするのだが、尚更CDの『現地調達』はやめられなかったりする。
バンドのリーダーが直接発送何てこともちょくちょくあって、何かワクワクする。

*************************

…という訳で、今このバンドのライヴ盤を待ってるところな訳です。
因みに文面のロレンツォなる人物、恐らくはこのバンドのリーダー、ロレンツォ・ボンバッチーニではないかと後で気付いた。
リーダーは何でもやるんですのよ。
(本当に届いたら内容についてレポードします)

さてさて、そんな気さくなバンド、ボノニア・サウンド・マシーンを持ち上げておこうというのが今回の『今週の一枚』ですよと。

ツイートへの補足を兼ねての説明だが、ボノニア・サウンド・マシーンはイタリアのボローニャを拠点とするファンク・バンドで、そのサウンドからタワー・オブ・パワーへのリスペクトがはっきりとわかるバンドである。
バンドの発足は92年というから、なかなか息の長いバンドである。
これまでの作品を列挙してみると、

Blue Inn Café Live (2004)  ※Live盤
Stuffunk (2007)
Funky Dreams! (2010)
Thank You For The Party (2012)  ※Live盤

以上の4枚で、『Funky Dreams!』が2011年にPヴァインから日本盤を発売している。
(ジャケが違うので、注意!)
この日本デビュー盤はジェフ・タメリアがプロデュースでTOPのメンバーも多数客演というオマケがついてくる、TOPファン垂涎の作品である。

バンドのメンバーだが11人、他にローディが正式メンバーに数えられ、合計12人という大所帯。
トランペット×2、サックス×2、トロンボーンの5管に男女による専任のツイン・ヴォーカルを擁するというゴージャスなフロント。
これにギター、ベース、ドラムにオルガン(ハモンドC3)のリズム隊が加わるという構成である。
さすがTOPラブなバンドだが、女性ヴォーカルがいるのは大きい。
エレナ・ヴィラーニというのだが、この人の声質がチョイエロなおネエさんという感じで、結構ハマる。
ここのところは、イタリアのインコグニートの異名をとるアディカ・ポンゴにも通じるところがある。
ずばり、イタリアのおネエさんはエロいのである(勝手な断言)。

さてアルバム紹介だが、今回は一応正式なデビュー盤と言える『Stuffunk』について採り上げる。
TOPが直接絡んだ『Funky Dreams!』はTOPの影響が強烈過ぎるからだ。
(そうでなくてもTOPラブなバンドである)
前述の通り07年に発表された本作は、バンドのセルフ・プロデュース(ルカ・オリオーリとの共同)で制作されている。
既にツイン・ヴォーカル体制は確立されており、曲によってリードをうまく使い分けている。
TOPもそうだが、ゴージャスなバッキング陣がいながらインスト曲は収録されておらず、あくまでもヴォーカル曲で勝負している。
因みに歌詞は全て英語である。
楽曲は当然ながらTOP的アプローチが全開で、初っ端からTOPマニアは大興奮間違い無しである。
冒頭の『Assfaces』を聴いた時点でもう大ウケだ。
だがしかしっ。
このバンドにはフェロモンむんむんのエレナ様がいるのである。
彼女によってTOPには無いアダルトでお洒落なテイストが見事にプラスされている。
これは魅力だ。
メロディラインもBSM(ボノニア・サウンド・マシーンの略)の方が少し哀愁がかかっていて、しかもサビがキャッチー。
例えるとインコグニート的な感じ。
恐らく予備知識のない日本の一般人が聴いたら、こちらの方がハマリそうな気がする。

各曲について書くと、
『Assfaces』で掴みはOK。TOPマニアはニヤニヤする。
『Very Little Good Time』は、さり気なく裏に入るストリングと艶のあるギター・ソロが光る。
『In My Soul』は哀愁漂うアーバン・ソウル。テナサクがソロをとっている。
『Get Up And Dance』はTOP全開(笑)。トランペット・ソロはエフェクトをかけてまるでシンセのような音。
『Children Of The Sun』はアレンジに少しインコグニートを感じる曲。Bメロからサビまでの流れが猛烈にキャッチー。
『She Don't Love Me』はTOP的なホーンのバッキングが絶妙なバラード。切ないなあ。良い曲だなあ。ヴィックがリード。
『I Can't Stand It』はホーンバッキングのキレが冴え渡るキャッチーな曲。エレナ様リード。
『Can You Feel』は歌メロの歌い出しが近藤真彦の『ハイティーン・ブギ』っぽくて少しウケる。
『Get Back』はちょっと聴いただけでは気付かないがビートルズのカバーである。
『Wasted Time』はトリッキーなバッキングでTOPマニアはただ頷く。

日本に来てくれないかなあ。
面白いと思うけどなあ。


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今週の一枚 Nick Pride & The Pimptones / Rejuiced Phat Shake

2013-11-24 23:21:28 | FUNKY MUSIC
ニック・プライド・アンド・ザ・ピンプトーンズのサード・アルバム『Rejuiced Phat Shake』が先日発売された。
国内盤もPヴァインから出ている。
ディープ・ファンク系なんか1枚出して、ハイそれまでよって事も多いPヴァインが今回も国内流通をするという事は、これ結構押してますよ(勝手に断言)。
実際こいつはカッコイイです。
はっきり言ってお勧めです。

因みに日本デビュー盤については小生、以下のように書いております。

http://blog.goo.ne.jp/indigo_yokohama/e/9a244c1e3ef567a540cd43f3ec8cbead

作品ではなくプロモーションに苦言を呈したので、関係者は憤慨してるかもしれませんが、イギリスのクラブ・ミュージックの先輩であるジェームズ・テイラー・クァルテットやコーデュロイ辺りが使い倒したコンセプトを継承しているバンドなのは確かなので、その辺はしっかり押えて欲しかったって事ですよ。

で、今回の作品だが、前回とは比べ物にならないくらい詳細なライナーノートが付属。
過去の疑問点にも答えてくれてるし、楽曲ごとの紹介も力が入っている。
よって、ここではザックリと感想だけを書いておきます。

前作にも増して、各楽曲のクォリティが高い。
演奏が上手いだけでなく、理屈無くカッコイイ。
前作よりもオールドなR&Bテイストが強調されているが、ラップを入れたり、ニュー・オーリンズっぽかったり、ブルージィなハーモニカが入ったりとバラエティにも工夫が見られる。
全体的に前作よりも雰囲気が楽しげで、バンドの勢いが感じられる。
そして今回は前作以上にゲスト・ヴォーカル(ラッパー含む)を積極的に使っているのが効を奏している。
しかも楽曲によってゲストを使い分けている念の入りようである。
レベルの高いシンガーを上手く使うことで、単に『演奏のカッコ良いイケメン・バンド』ではなく、クォリティに厚みのあるバンドに進化しているのが実感できるだろう。

個人的には『Everything's Better In The Summertime』『Wanna Treat You Right』『99 Reasons』辺りがお気に入り。
このオールド・スタイルはツボ。
宝箱のようなポップさ満載の本作は今年の1・2を争うジャズ・ファンク・アルバムと言ってよいと思う。



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今週の一枚 Ceasar Frazier / '75

2013-11-18 00:41:46 | FUNKY MUSIC
今回紹介するのはシーザー・フレイジャー。
彼は70年代に活躍したジャズ・ファンク・オルガン奏者である。
どうやら合計3枚のアルバムを発表した他、他のアーティストの作品の録音にも参加していたようだが、商業的にはあまり成功せず、いつの間にか姿を消してしまった。
その後、ジャズ・ファンクのリバイバルの流れに乗って再評価され、アナログ盤が高値で取引されるようになったそうだが、現在1・2作目がカップリングCDとして発売されており、簡単に入手できるようになった。
このCDでは、名前の表記が『Caesar』になっている。
普通『シーザー』というのはローマ帝国のカエサルと同じで表記上は『Caesar』で間違っていない気もするが、彼の名前の表記は『Ceasar』とオリジナルではなっているので、そちらを正しいとしておく。

話を戻す。
今回紹介するのは2作目である『'75』だが、これは正に儲けもんと言ってよいような快作である。
演奏はパーカッションを含む2組のリズム隊によって3曲ずつ収録しており、メンバーにはギターにコーネル・デュプリーとデヴィッド・スピノザ、ドラムにバーナード・パーディとジミー・ヤングが起用されている。
また全曲に5管ホーンを擁し、なかなかの厚みを持たせている。

楽曲は2曲を除いて全てシーザー・フレイジャーの作曲。
因みにカバーは『Summer Breeze』がアイズレー・ブラザーズ、『Living For The City』がスティーヴィー・ワンダーの作品である。

オリジナルの方はアルバムの冒頭を飾る『Mighty Mouse』はアシッド・ファンのハートを鷲掴みにした、強烈にグルーヴィなファンク・チューン。
『Sweet Children』はエレピの響きが心地よい大人なナンバー。
『Funk It Down』は、ギャングスターの『Ex-Girl to the Next Girl』のネタ元として使われている。
この曲自体、冒頭で若干ラップっぽい事をやっている。
『Walking On The Side』は、ラテン・テイストの哀愁漂うメロディにコンガの絡んだリズム、効果的に入るバッキング・ギターのオブリが絶妙。
このアルバム、もう少し有力なレーベルにいたらもっと売れていたんじゃなかろうか、割とマジで。
売れなかったのがつくづく惜しまれるが、今は割りと簡単に手に入るのだから、有り難い時代になったものである。

1stアルバムである『Hail Ceasar!』の方もなかなかの良作につき、こいつはご購入の価値有りと断言しておきましょう。


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今週の一枚 Chapter 8 / S.T.

2013-11-10 21:14:45 | FUNKY MUSIC
ほぼ毎週お送りしている『今週の一枚』だが、なるべくサウンドに幅を持たせて選ぶよう、管理人なりに工夫をしております。
といっても多少の好き嫌いはありますし、ノー・アフィリエイトで好きなものを好きなように書くと言うのがそもそもの趣旨なので、気になるタイトルだけでもつまみ食いしてもらえれば充分なのです。
ただのルーティン・ワークにならないよう、今週も頑張るぞと。

この記事で採り上げようか、いつも迷うアーティストがいくつかいるのだが、そのうちの一つが今回のChapter 8である。
なぜかというと、彼らの最高傑作と言われているのがセカンド・アルバムの『This Love's For Real』なのだが、こいつは海外ではFunky Town Grooves、国内ではディスク・ユニオンが一度CD化にこぎつけたものの、その後は再発されること無く、ほとんど流通していない代物なのである。

仮に売りに出ていたとしてもプレミアは必至なのだ。

ただ、ちょっと考えてみた。
『This Love's For Real』は確かにアーバンソウルの名作だが、ファンキーという点ではファーストの方が良い。
という訳で今回紹介するのは、チャプター8のセルフ・タイトルとなる第1作目である。

チャプター8の一番の売りは、男女によるツイン・ヴォーカル体制を採用していた事であり、その女性の方がアニタ・ベイカーだったという事である。
ただ、彼女が参加していたのはこのデビュー・アルバムのみで、その後彼女はソロに転進し、大成功を収める。
因みにアニタ・ベイカーをヴォーカルに迎えるまでに女性ヴォーカルが替わっており、彼女は3代目だったらしい。
(2代目とする文献もあるが)
バンドは73年にマイケル・J・パウエルとデヴィッド・B・ワシントンを中心に結成された。
このマイケル・J・パウエルが後にアニタ・ベイカーのプロデュースを務める事になる。
デビュー作である本作が発表されたのは79年である。

アルバムの構成だが、アップ・テンポとバラード系を交互に組み合わせる形をとっている。
全8曲中3曲がバラード系である。
バラード系はCD化された『This Love's For Real』にもボーナス・トラックとして収録された『Ready For Your Love』や、これぞ定番といえるメロディが光る『I Need Love』、アニタがリードを務める『I Just Wanna Be Your Girl』と、いずれも美しく、セカンド・アルバムでこちら寄りに行ってしまったのも頷ける。
だが、アップテンポの楽曲が決して悪かった訳ではない。
ハッピーなテイスト溢れる『Don't You Like It』、アニタがシャウトする『Come On Dance With Me』、ホーンも参加したディスコ・チューン『Come And Boogie』など、聴き所はある。
う~ん、なぜ売れなかったのか。

アルバムはR&B部門で70位。シングルは『Don't You Like It』が55位、『I Just Wanna Be Your Girl』が81位と、まあそこそこという感じ。
だが、フリー・ソウルな人達が持ち上げるセカンドの方はチャートインすらしていないのだから、良しとするか。
アルバムとしてのバランスはこちらの方が遥かに良いのである。



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