「皇室問題INDEX」設立準備室

マスメディアによる皇室の偏向報道、ネットに流れる東宮家への誹謗中傷を検証しています。

■議論:両陛下ご葬儀について:火葬は土葬より費用がかかる? ご意向表明は憲法違反?

2013-11-19 03:36:50 | 日記
11月14日、両陛下が逝去された際のご葬儀について検討していた宮内庁から、その検討結果の発表がありました。報道から要点を抽出すると、次のようです。

・両陛下が埋葬される「陵」は、東京・八王子市の武蔵陵墓地にある大正天皇陵の西側に、同じ敷地内に寄り添うように(横並びに接するように)造る。
・陵はこれまでよりやや小さくする。両陛下合わせて3500平方メートルとし、昭和天皇と香淳皇后の80%程度の大きさになる。
・350年余り前の江戸時代初期から続いていた「棺ごと埋葬する土葬」から火葬に変える。火葬は、武蔵陵墓地の敷地内に設ける専用の施設で行う。


▲両陛下の陵の建造予定地(出所:産経新聞11月15日)


▲大きさは昭和天皇・香淳皇后の80%ほど(出所:NHKニュース11月14日)


▲歴代天皇の葬法の変遷。歴代3分の1は火葬(出所:産経新聞11月15日)

 菅官房長官は、この検討結果について杉田官房副長官を通じて報告を受けているとし、「御陵および御喪儀の在り方に関する天皇・皇后両陛下のお気持ちについては重く受け止めている。事柄の性質上、内閣としては、これ以上申し上げることはない」と述べたとのこと。

 識者や皇室ジャーナリストらは、この宮内庁発表について礼賛コメントを出しています。「国民を煩わせたくない、規模を縮小して費用を押さえたいという両陛下の思し召しはまことに畏れ多く、国民は感謝すべき」という内容です。両陛下のご意思となると、どうしても礼賛ばかりになりますね。しかし、異論がひとつも出ないというのは、民主主義の国として訝しいような。と思っていたところ、明治天皇の玄孫として知られる竹田恒泰氏がツイートで疑問を呈していました。内容は、下記です。

竹田恒泰 @takenoma 11月14日 【宮内庁・天皇の埋葬方法変更を発表】
・現憲法下における天皇の埋葬は、昭和天皇で経験済み。現代日本の天皇に相応しい埋葬のありかたは、すでに一定の決着をしている。昭和天皇の例を踏襲するのが基本であるべき。伝統を変えることを議論する前に、伝統を守ることを議論しなくてはならない。
天皇陵の造営は国家事業であり、国の予算が充てられるため、本件は立派な政治課題。にもかかわらず、宮内庁は「陛下のご意思」を語った。これは立派な「天皇の政治利用」ではあるまいか。議論を封じる意図があるように思える。
・土葬から火葬への変更には疑問がある。「国民に負担を掛けたくない」という陛下の思し召しにもかかわらず、火葬を導入したら、専用火葬場の建設や儀式の煩雑化により、より経費がかかる。予算を掛けてまで火葬に変更して伝統を変える意味がどこにあるのか?
・持統天皇からおよそ1300年間、歴代天皇は埋葬を簡素にするように命じ続けてきた。それでも、立派な御陵が多いのは、国民がそれを聞いてこなかったから。もし命令通りに千年間も簡素化を続けたら、今頃、天皇の御陵はペットの墓みたいに小さくなっていたはず。
・陛下の思召は実に有り難くもったいない。しかし、たとえ陛下が簡素化をお望みだとしても、その通りにしてよいかは議論すべきだ。まだ決定ではない。これを議論の始まりととらえ、天皇に相応しい埋葬について、議論を深める切っ掛けとしたい


筋の通った意見に思えるのですが、小林よしのり氏はこの竹田氏の意見に激怒しています。要点だけ抜書きします(全文は下記のURLへ飛んでお読みください)。

竹田恒泰は天皇陛下に反逆している! (2013/11/18
・数日前にフジテレビの朝の番組「とくダネ」に竹田恒泰が出ていて、陛下の「火葬」問題についてコメントしていた。いつもの大衆を騙す慇懃なしゃべりの後に、「火葬について国民が議論してはいけないということではない、議論はこれからだ」と述べていたので、呆然としてしまった。
・天皇陛下が国民と共に生きることの証しとして、そして国民の負担を考えて、火葬がいいと仰っているのに、「国民が陛下の希望を拒否してもいい」とでも言いたいのか? 議論なんかしていいのか? 馬鹿野郎!これは決定事項だ!! 

常々尊敬申し上げる小林氏のご意見ながら、これはちょっと疑問です。陛下のご希望にはすべて従い、議論さえ許されないのであれば、民主主義国の象徴天皇とはいえないのでは。火葬で費用が削減されるかというと、まだそういう試算はしていないと宮内庁長官は答えています(詳細は下記URL「宮内庁長官会見一問一答」をお読みください)。


▲宮内庁長官会見一問一答「費用の検討はしていない」

ネットでは、葬儀利権が絡むのではと案じる意見も出ています。竹田氏と同様、憲法違反ではないかと危ぶむ意見も少なくないようです。あなたはどう思われますか? 当ブログでは「議論」トピックは初めてですが、よりよい議論ができればと思い、立ててみました。よろしくお願いします。

<参考記事URL>
・両陛下の陵は寄り添うように(11月14日 19時9分)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131114/k10013065771000.html
・陵と喪儀 両陛下のお気持ち(11月14日 19時31分)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131114/k10013066931000.html
・「国民念頭の両陛下だからこそ」東大名誉教授(日本思想史)小堀桂一郎氏
http://sankei.jp.msn.com/life/news/131114/imp13111422080003-n1.htm
・竹田恒泰氏ツイート
https://twitter.com/takenoma
・竹田恒泰は天皇陛下に反逆している! (2013/11/18new、小林よしのり氏)
https://www.gosen-dojo.com/index.php?action=pages_view_main&active_action=journal_view_main_detail&post_id=2684&comment_flag=1&block_id=736#_736
・宮内庁長官会見一問一答「新しい儀式のやり方、具体的に詰める必要」
http://sankei.jp.msn.com/life/news/131114/imp13111422580005-n1.htm
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7 コメント

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憲法違反とは思わないけれども (Dianthus)
2013-11-21 11:06:43
「国民国家統合の象徴」ではあられるが、その方は人間でもいらっしゃる。
だから、個人としての意志を全く表明できないというのもおかしな話だと思います。

国政に関わること、皇位継承のあり方や皇族の範囲のこと、「ご成婚」「即位式」「大喪の礼」などは、国の行事ですから、陛下のご意見は原則ナシと思いますが(こういう件についてご意志を示されるのは憲法違反と言われてもやむを得ない)。
ですが、誰と結婚するか、大嘗祭、お墓をどうするか、などは国の行事ではなく、人間としての私事の部分が大きいと思いますので、最大限ご本人のご意志が尊重されてしかるべきと思います。
少なくとも、意志を示されることが憲法違反だとは思えません。


ですが、今回のお墓について。
意志を示されたことは当然のこととして、その結果として出てきたものを見ると、陛下におかれては、「日本国民の感情に配慮し」というお気持ちながら、肝心の日本国民の感情は、今ひとつよく見えていらっしゃらないのでは、と疑念を持たずには居られません。

なぜなら、「小さなお墓」「国民の負担にならないように」というお話なのですが、
別にそれほど小さいお墓ではないですし
(歴代の天皇陛下には、もっと小さいお墓の方もいらっしゃったと伺います。大正天皇の陵墓が2500平方メートルだそうですから、両陛下の合葬とはいえ、3500平方メートルのお墓ならば、むしろ大きいとすら思えるかもしれません)
葬儀の手順を組み直したりする手間とか、火葬場を別に新たに設けるなどのせいで、かえってお金がかかるとしか思えないのですが。

天皇陛下におかれては、これが本当にご意志の通りなのでしょうか。
それならば、何となく残念なことに思えます。
かえって手間が掛かり、お金が掛かり、ならば、黙っているのも一つの知恵、と思えてきてしまいます。
話題違いで申し訳ありませんが (桜花)
2013-11-22 12:45:30
この記事のところに書いて申し訳ありません。

この話題は興味があったので上の記事を見てなるほどと思っていたのですが…。

下のこの記事を見た人はこんな記事も見ていますのコーナーは何とかできませんか?

今日の分は殆どが東宮を嘘塗れで貶めるサイトにたどり着きます。

東宮を貶めるもののサイトの宣伝のためにわざとに工作してきているのでしょうか。それとも管理人様の文章が的確で東宮を貶めるものにとっては都合が悪いのでそういう勢力のものが多数見に来ているのでしょうか。

ある意味東宮御一家を貶めようとしているものがどれだけ異常かがわかるのだけど。

嘘塗れで東宮を貶めるサイトについて (INDEX)
2013-11-23 05:56:27
桜花さま

ご指摘ありがとうございます。
gooブログの編集を変更することで、「この記事を見た人はこんな記事も見ています」コーナーを、非表示にすることができました。

gooに問い合わせるまでもなく簡単なことだったのですが、知らなかったためにいろいろなことを考えさせられました。親東宮派のブログと連携して相互交流をしたいと思ったり、当ブログ開設前に考えていた「ブログウオッチング」を、改めてやらなければと思ったりしました。

先に書いたコメントは誤りがあったために削除しましたが、嘘塗れの醜悪な東宮バッシングを続けている人たちが相互に連携していること、「運動」として東宮叩きをしていることは明らかだと思います。

彼らは嘘を承知で、百回、千回、一万、百万回書き続ければ、愛子様を障害児にできる、雅子様を仮病の怠け者にしてしまえると思っているのですよね。ネット空間は、そんな「運動」の成果物で埋め尽くされているようです。これからも、書き続けられていくでしょう。

そういう嘘を嘘と言い続けること、まっとうな感性をもって皇室について書いている方々とゆるやかにでもつながっていくこと、「まっとうな思考・意見・感性」で皇室について書かれた文章を紹介していくことを、「皇室問題INDEX」は目指していきたいと思います。

桜花さまはじめ心配してくださった皆様、ありがとうございました。おかげさまで、いろいろなことを考え、かつ「嘘塗れのアンチ東宮ブログリンク集」を、記事末から消すことができました。これからも、お気づきのことなど、いろいろとご指摘いただけますよう、よろしくお願いします。
陛下のご希望なら全てよいのか (澤の鶴)
2014-06-13 16:54:47
桂宮さまがこう去されました。
残された三笠宮ご夫妻のお気持ちを思う時、痛ましさに胸がふさがります。神道による服喪は、ご両親30日間、従兄の今上5日間です。今上と皇后は服喪期間中、除喪をして公務に臨みました。公務は2回、従って除喪も2回です。
神道における服喪を一時的に解除する除喪は、ないことはない祈祷らしいのですが、余程の突発事がない限りは行わず、まして5日間に2回の除喪とは前代未聞。
神道とは、八百万の神々に清浄な心身を以て奉仕し、その代償に五穀豊穣と安寧の恩恵を受けるものです。(私はそのように解釈しております。)
清浄な心身とは何か。皇居の賢所の話をしますと、神々に仕える内掌典は「大清」、日常生活は「中清」、日常生活でも下半身に触れた手やものは「次(穢れ)」、穢れの最たるものが「大次」となります。
大清、中清、次、大次は厳格に区別され、大清の神々の御用をしている間の内掌典は、腰から下を手で触れようものなら、おしろもの(塩)で浄めぬうちは「清くない手」なので、神事に携われません。
「よそよそ(トイレ)」「あせ(出血)」「まけ(生理)」などの大次の中で、人の死は究極の大次です。
親族の死亡を聞いた瞬間、その内掌典は大次になり、賢所の畳に触れることも許されず、同僚が敷いた新聞紙の上を歩いて玄関に行きます。自室にも戻れないので、帰省の荷造りは同僚がします。服喪を終えて賢所へ戻る時も、園丁の控え所、雑仕の控え所、内掌典の控え所で3度入浴し、濡れた身体を拭いたペーパータオル、晒し木綿の類いは使い捨てです。
何故ここまで喪(死)を忌むのか。
他人に穢れを移して、神々に対面できない状態にさせることを忌むわけです。
いとも安易に除喪を繰り返す今上、神道のトップとも思えません。
宮内庁契約監視委員会 (ぽんた)
2015-03-26 18:13:26
宮内庁契約監視委員会 第7回会議
2010年12月8日
www.kunaicho.go.jp/kunaicho/yosanshikko/kanshi/pdf/keiyaku-kanshi-h221208.pdf -

指摘されているのに、宮内庁側は言い訳ばかりな印象。
言い過ぎとは思いますが、談合や斡旋と疑われても仕方ないような気がします。「日本のモノを」と声高に叫んでいるのに、「江戸切子」じゃないのが疑問です。
明仁天皇と美智子皇后が入る陵墓 (匿名希望)
2016-11-05 23:27:25
明仁天皇と美智子皇后が入る墓は、
昭和天皇の兆域より2割減で計約3500平方メートル、陵墓全体で4割縮小の予定。

明仁天皇と美智子皇后の「簡素に」という強い希望を飲み込んで、天皇皇后陵として1ヶ所に並べることなどから縮小が可能になった。
位置は大正天皇陵墓の西。

大正天皇貞明皇后、昭和天皇香淳皇后それぞれの御陵の周りには天皇や皇后が生前に愛された草木のバラ、桜、梅、桃、メタセコイアなど50種ほどが植えられている。




身バレする可能性が大きいので匿名でコメントします。

明仁天皇と美智子皇后が入る陵墓に関するソースは某社団法人の会報誌です。
素朴な疑問 (奥津城)
2016-11-06 20:44:23
物凄く馬鹿な質問かもしれないのですが、無知ゆえお許しください。

庶民は墓不足が深刻になっています。これから多死時代に突入し、ますます加速するでしょう。
アメリカのように柩をそのまま土葬するとなると、縦だけで2m以上必要です。
骨壺ならうんとコンパクトになりますし、日本は1人ずつの墓でなく、先祖代々の墓のカロートに入れます。それでもそろそろ一杯という家もあります。

建築中の天皇陵の広さを見ると、いかにこじんまりしたとは言え、2mの柩は無理だから骨壺にしてほしいというレベルの問題ではないと思うのです。
三笠家のように既存の火葬場を使うわけではないですね?
そうなると火葬場も新築しなければならない。
何十人もの人が柩を担ぐ。それも様式美の一つです。
そういう式次第をどうするのか。
素人考えでは「今まで通り土葬の方が楽ではないか」と思うのですが、どうなんでしょうか。

生前退位の問題も、「体がきついなら摂政を置けばいいのに」と思ってしまいます。

お気持ちを口にされることで、周りが振り回されてしまう。審議そのものにも物凄くお金がかかりますし。

明治神宮は今、貴重な都内の緑地になっています。
皇室の権威で自然を守ることも、意義のあることだと思います。
オオタカの営巣地を「国民の皆さんにも楽しんでいただきたい」と開放してしまった。愚挙だと思いました。

国民の為にという名目で、どれほど好き放題されて来たのでしょう。

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