なんでもメモ★もの忘れ防止に特効薬はない

gooブログはじめました。60を超すと記憶力が低下する。好奇心はあるので、忘れないようにメモをしなければ・・・。

久高島 イザイホー(岡本太郎が愛した沖縄)

2016年04月28日 | 読書・観劇・鑑賞メモ

川崎市にある岡本太郎美術館に行ってきました。『岡本太郎が愛した沖縄』展が開催中です(4/23⇒7/3)。

岡本太郎は画家として知られていますが、民俗学者であることはあまり知られていないようです。もう一つの顔は写真家でもあります。この企画展は岡本太郎が1959年と1966年に撮った写真(静止画)を200点近く展示しています。

1966年には久高島のイザイホーを取材しています。イザイホーとは沖縄本島の東南にある小さな島・久高島において12年に一度行われる女性だけによる神事。岡本太郎は民俗学者として強い関心をもったのでしょう。その記録は「忘れられた日本-沖縄文化論」として発表されています。

イザイホーは後継者が絶えたために1978年を最後に行われていません。映像記録として貴重なものです。企画展では東京シネマ新社が撮影した動画(30分程度に抜粋)も上映しています。イザイホーの様子がよくわかります。なおこの映像は、インターネットでもみることができます(科学映像館HP)。

この企画展で展示されている画像のほとんどは無料で配布されている出品リストに掲載されています。
リストの写真は、写真集『岡本太郎が愛した沖縄』に掲載されたものと同じと思われます。無料の出品リストはたいへんに有難いものです。企画展のチラシ(下記)は写真集の表紙を模したものです。

渋谷のアプリンクでは『久高オデッセイ 第三部風章』が上映されています(4/16~4/29)。

朝日新聞で紹介されたので観てきました。イザイホーの映像はありませんでしたが、久高島で神事が継承されてきたことがわかるような気がしました。
海に囲まれて暮らす日本人は、潮の流れに支えられて生活してきたことを都会で暮らしてきた私たちにも思い起させます。


諏訪大社御柱祭

2016年04月28日 | 散歩、ハイキング、旅行

来週(5月3日)から諏訪大社御柱祭 上社里曳きが始まります。6年に一度のお祭り。
前回は平成22年(2010年)5月4日の前宮建御柱を見ました。ことしは4月2~4日に上社の穴山大曲り、木落し、川渡しを見たのに続いて、来週には前宮本殿までの里曳きをみてきます。
年々規制が厳しくなって、前回は、建御柱を境内で偶々見ることができましたが、今年は規制強化により一般客の立ち入り禁止のようです。里曳き見物だけにとどめることにしました。

ということで6年前の写真で前宮本殿(曳付位置)での建御柱などを思い起したいと思います。

御柱祭は大人も子供も大活躍です。里曳きでの子供木遣り、拝殿では中学生くらいでしょうか巫女舞、女性の木遣りです。

本殿前での位置直しと冠落しが始まったようです。

 

御柱が引き上げられていきます。

 

 

柱からかなり離れた鳥居の前からもみえますので、道路は混むでしょうね。

ことしの木落し、川渡りの写真は次の機会に整理しようと思います。

 

 

 


2016-04-21 明治座 勘九郎、七之助、菊之助

2016年04月28日 | 読書・観劇・鑑賞メモ

明治座四月花形歌舞伎 昼の部。

勘九郎、七之助、菊之助ら若手俳優がたっぷりと楽しませてくれた。

二つ目の演目 『末広がり』 - 笑いをさそう舞踊です。勘九郎が一生懸命に舞台を務めている姿に感動します。
「末広がり」とは末広の扇子のこと。主人に買い求めてくるよう命じられたが、太郎冠者(勘九郎)はどのようなものかわからないままに買い物に出かける。商人(中村国生)の口車に乗せられて傘を買ってきたことから起きる騒動。とても賑やかな舞台で、回転する傘のうえに毬を乗せてくるくると回す芸の達者さは亡き勘三郎を思い出させる。大変に楽しい舞踊です。

一つ目の演目 『芦屋道満大内鑑 葛の葉』 - 愛してしまった人、子と別れることになった白狐(七之助)の悲しみや嘆きが溢れる舞台です。命を助けられた狐が許嫁の葛の葉姫に化けて子をもうけますが、本物が現れ身を引くことになる。狐の葛の葉は姿を消す前に障子に歌を残します。

 恋しくばたづねきてみよ和泉なる信田の森のうらみ葛の葉

はじめは右手で書きますが、目覚めた子を抱きかかえ左手で中の句を書き、子をあやしながら筆を口に咥えて下の句を書くところは拍手喝采。

この演目は平成25年7月に国立劇場で観たときは中村時蔵の葛の葉です。当時の劇評で、玉三郎に続く女形の台頭が待たれるが、時蔵、芝雀、福助がその候補者として挙げられ、「錦絵思わす時蔵の美しさ」と評された。今回の七之助の葛の葉はぎこちないところもあるかもしれないが、時蔵らに続く役者として期待される存在になっていると思えました。

三つ目の演目 『女殺油地獄』 - 近松門左衛門の名作、菊之助の河内屋与兵衛はひ弱で身勝手な姿を表わしました。平成26年4月金毘羅歌舞伎で観た染五郎は、確信犯の悪人ぶりを前面に出した像でしたが今回の人物像は成り行きで殺してしまう、最近の若者犯罪を表現しているかのようでした。

勘九郎、七之助、菊之助 - 若手三人の舞台はこれからも楽しみです。

 


2016-04-12 万博記念公園(太陽の塔+民族学博物館)

2016年04月15日 | 読書・観劇・鑑賞メモ

春の関西弾丸旅行・千里編です。

当日は快晴。青空に太陽の塔が凛々しく立っていました。

万博記念公園の開園時刻 9:30よりも少し早く着いてしまいましたが、入場口には同世代のおじさんたちがカメラを持って開園を待っています。

中央口を通るとすぐに太陽の広場、太陽の塔がすっくと立っています。みなさん(私も)、当然にカメラを向けます。

太陽の塔を眺めていると、なぜかニコニコしてきます。太陽の広場の奥のお祭り広場を抜けると国立民族学博物館です。

園内の地図

1970年万博の総合プロデューサー岡本太郎が世界各地から蒐集させた民族資料(仮面その他いろいろ・・)を太陽の塔の中で展示したとのことですが、それらの蒐集品を現在展示しているのが民族学博物館です。岡本太郎は芸術家として有名ですが、民族学者でもあります。

これらの仮面は、東京では2014年2月~6月に国立新美術館で『イメージの力 The Power of Images』展で展示されたものです。もう一度見たいと思っていました。

また、「アイヌ文化と縄文文化」に最近興味を持ち始めていたところ、『夷酋列像』の特別展が民族学博物館で開催中(2月25日~5月10日)と知り、是非とも行くべしとなりました。

この『夷酋列像』はフランス・ブザンソン美術館が所蔵しているもので、その展示は4月19日までの期間限定(フランスで所蔵されるに至った経緯は不明だそうです)。たまたま文楽観劇の日程とあわせることが出来て大変にラッキーでした。

 

 


2016-04-11 文楽 『妹背山婦女庭訓』

2016年04月14日 | 読書・観劇・鑑賞メモ

国立文楽劇場(大阪)の四月文楽公演を見てきました。この演目は、昨平成27年9月に国立劇場(半蔵門)の公演でも見ました。

大阪まで文楽を観に行くとはなんと気儘なことですが、2等席が2400円とは嬉しいです(東京の半額ですね)。

格安旅行の一人旅なので気儘に動いて、太陽の塔+国立民族学博物館(夷酋列像特別展)も目的にしました(おまけに造幣局の桜の通り抜けも体験してきました)。

http://www.ntj.jac.go.jp/assets/images/bunraku/gazou/H2804bunraku_arasujiomote.jpg

前回は四段目に絞った演目でしたから、他の段は解説パンフやイヤホンガイドであら筋として紹介されました。今回は省略された部分をたっぷりとみることができました。お三輪の遣い手は今回も勘十郎さん(お三輪が振り返りながら崩れ倒れる後ろ姿がとても艶めかしい)。

ストーリーはチラシを。

http://www.ntj.jac.go.jp/assets/images/bunraku/gazou/H2804bunraku_arasujiura.jpg

この物語は天智天皇+藤原鎌足による蘇我入鹿討伐の物語ですが、今回と前回をあわせてみると、大きく3つのストーリー・見せ場で構成されています(いるようです)。

1つ:「鹿殺し」(二段目)

猟師の芝六が禁猟とされている鹿を殺し、忠義のために実の子を殺すという筋。

2つ:「妹山背山」(三段目)

恋の成就のために死を選んだ久我之助と雛鳥。ふたりの親がせめて相手の子の命を助けてやりたいと思い、わが子の命を絶つことを選ぶというのが筋。

文楽は、太夫と三味線が舞台の右側(上手)に張り出した「出語り床」で語るのですが、三段目に限っては舞台の左側(下手)にも「出語り床」が作られました。初めて両側に床があるのをみました。この段特有の趣向とのことです。上手の背山(久我之助側)は男性的な、下手の妹山(雛鳥側)は女性的な語り口の掛け合いです。

3つ:「お三輪の恋」(四段目)

求馬(もとめ、実は藤原淡海)に恋した町の娘お三輪の恋が求馬・鱶七によって入鹿討ちに利用されるという筋。

 

文楽は、忠義のための不条理の死を扱っていますが、親の心・この心・人の情を熱く描いているので何度も見たくなります。

『妹背山婦女庭訓』を通しで見たかったのは、『竹本住太夫 文楽のこころを語る』を読んで思いが増しました。

 いちばんの見所聴き所は、なんといっても三段目の≪山≫、物語のクライマックスですからね。こんな結構な≪山≫を掛け合いで語って、お客さんを居眠りさせたら、太夫の責任です。(文春文庫版p154)