なんでもメモ★もの忘れ防止に特効薬はない

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2016-04-11 文楽 『妹背山婦女庭訓』

2016年04月14日 | 読書・観劇・鑑賞メモ

国立文楽劇場(大阪)の四月文楽公演を見てきました。この演目は、昨平成27年9月に国立劇場(半蔵門)の公演でも見ました。

大阪まで文楽を観に行くとはなんと気儘なことですが、2等席が2400円とは嬉しいです(東京の半額ですね)。

格安旅行の一人旅なので気儘に動いて、太陽の塔+国立民族学博物館(夷酋列像特別展)も目的にしました(おまけに造幣局の桜の通り抜けも体験してきました)。

http://www.ntj.jac.go.jp/assets/images/bunraku/gazou/H2804bunraku_arasujiomote.jpg

前回は四段目に絞った演目でしたから、他の段は解説パンフやイヤホンガイドであら筋として紹介されました。今回は省略された部分をたっぷりとみることができました。お三輪の遣い手は今回も勘十郎さん(お三輪が振り返りながら崩れ倒れる後ろ姿がとても艶めかしい)。

ストーリーはチラシを。

http://www.ntj.jac.go.jp/assets/images/bunraku/gazou/H2804bunraku_arasujiura.jpg

この物語は天智天皇+藤原鎌足による蘇我入鹿討伐の物語ですが、今回と前回をあわせてみると、大きく3つのストーリー・見せ場で構成されています(いるようです)。

1つ:「鹿殺し」(二段目)

猟師の芝六が禁猟とされている鹿を殺し、忠義のために実の子を殺すという筋。

2つ:「妹山背山」(三段目)

恋の成就のために死を選んだ久我之助と雛鳥。ふたりの親がせめて相手の子の命を助けてやりたいと思い、わが子の命を絶つことを選ぶというのが筋。

文楽は、太夫と三味線が舞台の右側(上手)に張り出した「出語り床」で語るのですが、三段目に限っては舞台の左側(下手)にも「出語り床」が作られました。初めて両側に床があるのをみました。この段特有の趣向とのことです。上手の背山(久我之助側)は男性的な、下手の妹山(雛鳥側)は女性的な語り口の掛け合いです。

3つ:「お三輪の恋」(四段目)

求馬(もとめ、実は藤原淡海)に恋した町の娘お三輪の恋が求馬・鱶七によって入鹿討ちに利用されるという筋。

 

文楽は、忠義のための不条理の死を扱っていますが、親の心・この心・人の情を熱く描いているので何度も見たくなります。

『妹背山婦女庭訓』を通しで見たかったのは、『竹本住太夫 文楽のこころを語る』を読んで思いが増しました。

 いちばんの見所聴き所は、なんといっても三段目の≪山≫、物語のクライマックスですからね。こんな結構な≪山≫を掛け合いで語って、お客さんを居眠りさせたら、太夫の責任です。(文春文庫版p154)

 

 

 


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