ハニカム薔薇ノ神殿

西南戦争の現地記者の話他、幕末〜明治維新の歴史漫画を描いてます。歴史、美術史、ゲーム、特撮などの話も。

「推し」という言葉と歴史創作

2021年09月01日 | 雑記
9月になりました。
ちょっと涼しい?


いつ頃からか、オタクの間で使用されるようになった「推し」という言葉。
古参の自分には抵抗あるというよりも
自分の使う「推し」と意味がズレてたらどうしよう、って考えてしまいます;
そのせいか、気軽に使いづらい。

しかし、もはや普及した「推しは誰ですか〜?」というような質問に
「そもそも推しとは何か」を持ち出すようなのは、これは野暮でしかない。
ですので、そう訊かれた場合はとりあえず
なんとかかんとか;答えはします。


「推し」という言葉は、これは「キャラクター消費文化」から発生しているのでしょう。

「キャラクターを消費しない」つまり、総合的にいろんなもの(グルメだとか、時代背景だとか世界観、文化全般)がただ好きな場合には使いづらいのですが
近年はキャラクター消費が圧倒的に多くなってしまいました。
元々アイドル文化からやってきて実権を握った言葉なので
一応「推し=好き=応援=消費」これがセットになっています。

これは同時に、小さな人間関係に限定しないと落ち着かないオタクにとっては
「相手との距離感を計測する相札」になります。
オタクは人間関係を築くのが下手くそな場合が多いので、そもそもオタクではなさそうな人、自分の世界や価値観と合致しない人はスルーしますが
同じ「村(ジャンル)」でも相手を知っておきたいわけです。
ゆえに「箱推し(全部好き)」は怪しまれがち。

また、推しとは偶像崇拝である必要性があるので
ゆえに、サブカル系はどうなったかというと
「そんなものまで擬人化するんかい!」という、偶像崇拝の極みとなっております。



さて歴史。とにかく範囲が広いので「推し」すなわち
「著作権の存在しない二次創作」的な接し方をするのは自由なのですが。

その対象のなる歴史人物は「消費される為に作られた偶像」ではありません。
なんせ既に鬼籍、死んでます。
作られた2次元アイドルと違う。
今ならとんでもない犯罪に手を染めたこともある
ありえない非道な選択をせざるを得なかったこともある
結婚して子供がいたりする…わけです。

そこで「消費文化」と一体となった「推し」という言葉と
リアル史実の研究対象のままだと
人によって語弊は生じやすいかもしれない。
好きは好き、でいいのかもしれませんが。

仮に歴史で「推しは」と聞かれたら、それは一旦キャラとして成立した架空人物である、という前提です。
例えばドラマの人物像としての、とか。

同様、オリジナルでも「推し」は
一旦作者である自分がキャラ化した人物、という事になりますので
実在の人物、史実は(そりゃあ好きなら調べたりもしましょうが)
異なる次元での話になると思うのです。
お分かりか。


逆に、「創作上のと限定した上での歴史人物」に限定する
なら、「推し」という言葉は便利だし、アリだと思います。

え?
自分の推しっすか。

いやー
「推ししか描いてない」んで;
でなきゃ本とか出さんわよな。

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