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夜回り先生

2013-01-17 18:40:04 | 教育
先日「モーニングバード」で久しぶりに「夜回り先生」を見た。
健康のことを心配していたが、思ったより元気そうで嬉しかった。

「体罰は許してはいけない。」というのは現場を知らない現場にたずさわったことのない外野の意見との批判が多い中、
「夜間高校の教師」「夜回り先生」というまさに現在進行形の先生の
「断じて体罰を許してはいけない。」
「教育に体罰は必要ない。」
「体罰をしなければならないのは、教師の力量不足」
「戦前より戦後のほうが圧倒的に体罰は増えている」
などの発言を耳にした。
番組では、桑田元投手のインタビューなども取り上げられていた。

「体罰」の定義は難しい。
私は「暴力行為」と捉えている。
それは身体に加えられるものから、心に加えられるものまで「暴力」と捉えている。

学校やその他子どもたちをその集団を預かる管理者「教師」であったり「コーチ」であったりする者は、
集団の秩序の維持のため他への迷惑を回避するためなどの理由で、
何らかの暴力を振るわざるを得ない状況に追い込まれる。
なぜなら、「暴力」がその目的を達成させるために「手っ取り早い」方法だからだ。

しかし、「夜回り先生」はそんな集団を管理する立場にありながら
暴力を振るったことは「たったの一度だけだった」。
「夜回り」を通じてアウトローの子どもたちと多く対峙してきた夜回り先生こと水谷先生が、「暴力」を振るったのはたった一度。
私には驚きだった。
「暴力」なしの教育が可能である証明だ。

水谷先生と暴力を是とする教師たちとの差は、この「手っ取り早さ」にある。
水谷先生には、「根気」がある。
それは、絶対的な子どもへの信頼があるからこそ「根気」が保てると言える。

初采配でリーグ優勝を成し遂げた日本ハムファイターズの栗山監督が優勝の勝因についてインタビューを受けた時、
「選手を信じて、信じて、信じぬくことだ」と発言していた。

子への信頼があるというなら、「叱る」という暴力抜きで根気よく子どもと付き合ってあげてほしい。
もし万が一「叱る」という暴力を振るってしまったなら、
素直に己の未熟さを露(あらわ)にして心から子どもに詫びてほしい。

子は、頭(こうべ)をたれた大人の背中に、大きな何かを学ぶことだろう。