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Ride Motorcycle

趣味のバイクとの日々を綴っています。

ウインカー LEDで光量アップ

2013-05-25 00:15:00 | YAMAHA RZ350
「ウインカーが暗いよ」
友人の大工さん達と山道ツーリングに行く度に指摘をされていました。

以前ウインカーを交換した時に、レンズをクリアレンズに交換したのですが、アンバーに着色されたバルブが結構目立っていたため、アンバーバルブに金属を蒸着したタイプのものに交換しておりました。

こうなると、バルブを2重コーティングしているようなもので、光量がかなり低下していたようなんですね。
サングラスを2重に掛けているようなものですから。

そこで思い切って光量アップを図ることにしました。



電球のワット数アップは、電線のスペックなどの検討以前にハイワットの蒸着バルブ自体、モノがありませんので、照明用途のパワーLEDを使ってみることにしました。

市販のバルブは価格もさることながら、電球より暗いなど本末転倒になる話も聞きますので、今回はDIYで行きます。

ストックのフィラメントバルブは、21W/1ユニットですが、今回チョイスしてみたパワーLEDは定格1Wのものです。

あまり明るくして保安基準に引っかかるのもマズいですから、まずは1W×1灯でスタートします。

LED使用により必然的に省電力化になってしまうのですが、電気の消費を減らすとレギュレーターの発熱がかなり増加したり、バッテリーが過充電気味になって負担がかかるので、省電力化はやりたくないのですが、背に腹は代えられません。



LEDとはいえ、パワーLEDは発熱が激しく、そのままでは早期破損してしまうそうなので、放熱板を装着します。
また、安定点灯のためドライブユニットを使用しました。



LEDは120°広拡散タイプです。
放熱板との接触部は、PC用の放熱グリスを塗布するそうなのですが、あいにく手持ちがなかったため、銅などの金属粉が多量に入っている、ホンダブレーキグリスを使用してみました。



上が従来のもの。
一目瞭然ですが、発光部の大きさが全然違います。
発光位置は、レンズ全体が均一に光ってくれるよう、センター付近にしてみました。



上:電球  下:LED

写真だとアレですが、相当明るくなりました。
発熱云々も連続点灯ではありませんから、特に問題はなさそうです。
ちなみに電球の方ですが、10回程度の店頭でも素手では触れないぐらいに熱くなっています。


左:電球  右:LED

室内では問題なさそうですが、一度昼間の屋外でも点灯試験をして、視認性を確認してみるつもりです。

足りないと感じた場合は、同じLEDを2個使用してみるのも良いかもしれませんが、眩しくなってしまうと迷惑以外の何物でもありませんから、陽光下での視認性が問題ないことを祈るばかりです。


フレームリフレッシュ

2013-05-11 16:59:00 | YAMAHA RZ350
ホムセンの198円スプレーフレームも10年を経過し、ペイントのハゲや縮みなどの劣化や、錆の発生など老化が目立ってきました。

毎月貯めていたRZ貯金も、ここ数年大きなパーツも買わなかったためそれなりに貯まったこともあり、フレームの紛体塗装を施工していただきました。



専業のプロはさすがの仕上がりです。

傷つけないように保護フィルムを張り、パーツを戻していきます。


大物は腰痛がひどくない時に行ったので良かったー。
ステムベアリングなどは新品に打ちかえました。


なんとかここまで。
残りは、腰と相談しながらやります。


ホイールの化粧直し

2013-04-25 23:27:00 | YAMAHA RZ350
塗膜がショボくなり、白化したホイール。
なんだか気になりますよね。
今回は「お金をかけずにDIYで復活する」をテーマに、ホイールの化粧直しを行ってみました。

準備したのはコレ

ペンキ、刷毛大、ガレージブラシ、面相筆、です。
こんなにたくさんの

筆、いらないじゃん、、と思ったあなた、実は塗装だけじゃないんです。
特にお勧めは36ピースガレージブラシ。
塗装はもちろん、ホコリ取り、ねじ山へのスレッドコンパウンド塗布、パーツへのグリス塗布、縦型洗浄ブラシと、ガレージライフには必須アイテムなんです。
馬毛なので、毛が抜けてエンジンに入り込んでも、影響がないところもポイント。



今回使用する面相筆も超便利です。
余ったら子供の絵の具用に使えるのもポイントでしょうか。


ペンキは神経質に脱脂しなくても塗れてしまうのは楽ですが、オイルが残っていると乾かなくなるので、あらかじめアルカリクリーナーなどでブラッシング洗浄した方が良いです。
塗装面の細かいアルミの腐食は、金属ブラシで擦っておいた方が、仕上がり肌がきれいになります。

洗浄時はベアリング、アクスル部に水が入らないように要注意。
出来れば車体に装着したまま洗い、ホイールを取り外したのち、速乾でないタイプのパーツクリーナーで脱脂した方がベターでしょう。

ペンキは少々うすめたほうが、塗りやすいです。
またボテッとした垂れダマができにくくなります。

では塗っていきます。
マスキングは時間がかかりすぎるので、ノーマスクで!!


36ピースブラシセットの万能ブラシと油性ペンキ用の刷毛を使い分けながら塗っていきます。
アルミ地肌部に付着しても良いです。
簡単なリカバリー方法は後に紹介しますので。

リムの部分も万能ブラシで

ここも切削部に多少はみ出しても気にしなくて良いです。
神経を消耗させるのは、もう止めにしましょう。

スポークの部分もしっかり塗りましょう。

このような隙間が狭い部分は、使い捨てのアーティストブラシで塗るとラクです。


一通り、塗装が完了しました。
春先でしたら最低1日~2日7分ぐらい乾燥させれば、その後の作業がしやすいです。


ウゲぇ、汚い(笑)

でも心配無用。
簡単にきれいになります。
完全乾燥させないことで作業がぐっと楽になりますので、タイミングには気を使ってください。

以前紹介した遅乾性のパーツクリーナーをまた使います。

厚手のペーパーウエスにパーツクリーナーを含浸させます。

クリーナーとはいえ化学物質ですから、手袋は必須です。


擦る方向に面が出るように、ウェスを丸めて切削部分を擦ります。
乾燥度合いにもよりますが、それほどゴシゴシ擦らなくても良いです。


もう少し擦ります。
簡単にペンキが落ちます。

ウェスはきれいな面で作業できるよう、気を使ってみてください。

あら不思議、、簡単にきれいになりました!!

リムも同様に作業します。

コツはクリーナーが多すぎて、余計なところに流れ出さないようにすることでしょうか。
指先に切削部との境の段差を感じつつ、擦っていきます。


簡単にきれいになりました。
ウレタン塗装だと使えない方法ですね。

でもよく見ると、切削目にペンキが微妙に残っています。

普通は気にならないレベルですが、せっかくなのでフォローします。

ポイントは、使い古しの真ちゅうブラシです。

毛が丸まっているので、塗装面を攻撃しにくいのが良いんです。
これで切削目に平行に擦ります。
汚れを掻き出すようなイメージです。


それほど努力しなくても、短時間で綺麗になります。
綺麗になるというよりも、光ります(笑)

ここはコンパウンドで磨くのが困難ですので、この工程でフィニッシュとしましょう。

いよいよ完成が間近になってきましたね。
それでは最終仕上げに入ります。

スチールウールで、表面をピーリングしましょう。
コンパウンド仕上げが、グッと楽になります。


スチールウールは塗膜を攻撃するので、塗装面の際はやめた方が良いでしょう。
リム部のみ擦ればよいと思います。



☆しっとり仕上げ志向な方向け

ホルツのクロームクリーンがベストです。

コンパウンドのみだとアルミの劣化が早いですが、クロームクリーンは適度な光沢の保護成分が入っており、手入れのインターバルが確実に長くなります。


少なめに塗布するのがコツです。
多すぎると、塗装面にベッタリ付着して、掃除が面倒臭くなってしまいます。
そうならないように、ウエスに擦り込んで使うのが一番良いでしょう。


切削性が良いので、軽くこすれば綺麗になります。
ウエスがアルミ粉で黒ずんできますので、適宜きれいな面で研磨します。

仕上げはきれいな布ウエスで磨きます。


しっとりとした嫌みのないツヤ肌になりました。


☆ギラギラアメリカン志向仕上げ

鉄板のマザーズを使用します。
アメリカの家庭には、常備されてるらしいですね(笑)



クロームクリーン同様に、マザーズをウエスに取って磨いていきます。
マザーズは柔らかいペースト状なので、付け過ぎに注意です。

僕も例に漏れず、べたっと広がって塗装面に付着してしまいました。
磨き終わったら洗い流します。

面倒でなければ、塗装面との際は直接指で擦った方がきれいに磨けます。
このようなケースでは、ニトリルゴム手袋よりも、天然ゴム手袋の方が作業性が良いですね。






塗装面についた研磨剤は、布で擦って取ろうとすると、塗装面が曇ってしまうので要注意ですね。

最後は綺麗なウエスでからぶきしてフィニッシュです。

いやはや、恐れ入る艶肌です。
今回は手を抜いて擦ったつもりだったのですが、ギラギラと光りますね。


フロントリヤ共に磨き終わって完成です。


なかなか、良いんじゃないでしょうか。


トランスミッションギヤ点検

2013-03-23 19:34:00 | YAMAHA RZ350
ミッションの組み付け前にミッションベアリングを点検していたところ、微妙な引っ掛かりと保持器の焼けが見られたので、交換することにしました。
交換にはセパレーターが必要です。

           左:使用済み       右:新品

このほかのベアリングにも

洗浄後の点検で、ゴロツキや軽い引っ掛かりが見られたため、交換することにしました。

ミッションからと思われるゴロゴロ音が増えてきていたので、ベアリングが傷んできたのかな?と気になっていたこともあります。
”精神衛生上”とよく言われることなのでしょうか。

僕のエンジンはRZRのものですので、下記部品表は3HMのものです。

ヤマハ発動機様 部品情報検索より転載


ヤマハ発動機様 部品情報検索より転載

合計9,592円!、、です!!

部品図中2の特殊なアンギュラボールベアリングは、特に高額ですので長く乗られる予定の方は、今年の値上げ前に購入しておいた方が良いでしょう。

30年前の中古エンジン(ミッション)に付いているベアリングは、総交換前提で対処した方が良いかと思います。
ミッションはきちんとオイル交換していれば、それほど痛むところではないですし、振動や騒音もグッと改善されると思います。

汎用ベアリングのC3隙間品も止め輪付だったりすると、純正部品と価格はたいして変わらないですし、アンギュラタイプのセンター止め輪付なぞ特殊なため、安心の純正部品で揃えました。

特にエンジン内のベアリングは、市販品と番号が同じでも転動面に耐久性を上げる特殊な処理をしてあったりする似て非なるものが多いため、市販の汎用ベアリングはやめた方が良いと思います。

例を挙げれば

NTNミッション専用ベアリング
http://www.ntn.co.jp/japan/news/news_files/new_products/news201100041.html
とか
ジェイテクトバイクエンジン用ベアリング
http://www.jtekt.co.jp/products/bearing08.html
です。

動荷重や締め率、温度変化による隙間(CNとかC3で表記)も最適化されている筈なので、サイズが同じとはいえ安さに負けて汎用品を無暗に使用すると、早期破損などのリスクがあることでしょう。

こんな状態でしたので、アセンブリ状態で点検に加え念入りに洗浄してはいましたが、ギャを分解して点検と洗浄を行うことにしました。


洗浄が終わった洗油です。
透明だった灯油も黄色く濁り、異物もそれなりに出ました。
ギャの内径部や入り込んだ部分に、汚れが残っていたようです。


仕上げにパーツクリーナーですすぎ、乾燥させてからパーツの点検に入ります。
パーツクリーナーは、あまり速乾性のものは使用しない方が良いですね。

要は使い分けなのですが、ホムセンで異様に安いものは大概が超速乾的なもので、気化熱が大きいため結露が起こり易く、パーツがあっという間に錆びます。

色々使用してみましたが、僕はコスパ面で以下の3種類を常用してます。
成分に含まれるアルコール分が比較的多いもの程、乾きがゆっくりで結露しにくいですね。

↓結構乾きが遅いので、洗浄とふき取りで落としたい時にGood、安い


↓そこそこ遅い、グッドバランス、安い


↓結構遅いので、汚れを落としながら乾かしたい時に便利、どこでも売ってる。


但し、乾燥が遅い系はゴムパーツを膨潤させやすいので、使い分けした方が良いでしょう。

ミッションシャフト


特に大きなキズ、摩耗はありませんでしたが、ほぼすべてのCリングやサークリップの溝部にバリが出ていました。
ヤスリとオイルストーンで丁寧に馴らしました。


取り外したクリップ、シム類。
部位によっては、かなり摩耗が見られます。
またクリップは変形してしまったものもあり、この辺りは全交換した方が良さそうです。

ドグ部の異常摩耗も点検します。

個々の摩耗が進むとギャ抜けし易くなるといわれていますが、ノンクラッチ・ノンシンクロで無謀なシフトを行わなければ、それほどおかしくはならないと思います。


ギャの歯面ですが、特に大きな異常はありませんでした。

内径部の真ちゅうブシュ部

ガタつきや、大きな摩耗も見られず問題なしです。


クラッチバスケットを締める切削ナットに、バリが発生しているので修正します。
座面がおかしいと、ゆるみに直結したり相手部品を傷つけてしまいますので、交換か修正が必要でしょう。


平ヤスリの中目で角部を面取りし、バリを除去します。
仕上げにオイルストーンで、ナット座面を面出しします。


比較的締め付けトルクの大きな締結部品は、中央部や外周近くが凸や凹になります。
片面の中央寄りが凸になれば、反対側の外周寄りが凸になっています。

研いでいると、幅が狭かった当たり面(画像左)がだんだんと広がってきます。
だいたい画像右のように、六角形の内接円部程度まで面が出ればOKだと思います。

今回のベアリングもギャーの寿命も、ミッションオイルの品質に左右されるところが大きいですので、改めてミッションオイルの定期交換の重要性を確認しました。
ギャーが痛むとパーツはものすごく高額ですから・・・。

そういえばNTN車の新製品情報に、ミッション軸受の寿命に関する面白い記事があります。
http://www.ntn.co.jp/japan/news/news_files/new_products/news201200037.html

ミッションオイルの循環型清浄装置があれば最高ですね!!
そう思うと4サイクルエンジンは、ミッションオイルもオイルフィルターで異物除去しているから優秀ですよね。


RZ泣き所-シフトシャフト

2013-03-21 23:33:00 | YAMAHA RZ350
RZの泣き所、探せばいろいろ出てきますが、オイルが漏れるというトラブルは上位に食い込んでくるのではと思います。

はい、シフトシャフトです。


ヤマハ発動機様 部品情報検索より転載

№1~№9までのパーツで構成されております。
蛇足ながら№9の

スペーサーは入手不可ですが、RZR(1XG)は辛うじて残っているようです。
これがないと、たるんだチェーンでシフトシャフトが削れますので、販売終了になる前に対策はお早めに。

部品№:90387-125A8 名称:カラー 価格:294円 個数:1 在庫:あり


ヤマハ発動機様 部品情報検索より転載


実際にエンジンには、このように組み付いておりますが、写真の通りミッションオイルバスに浸かっていますので、潤滑面では全く問題はないでしょう。

ゆえにオイルシール部に問題を抱えると、盛大にオイルが漏れるのですが・・・

しかしギヤオイルに浸かっているからと言っても、交換を怠っていたり、チョイノリを頻発すると油温が充分に昇温しないため、結露した水分が飛ばずに底部に溜まり、潤滑に問題が出たり発錆を招く場合がありますのでご注意を。


スケールの目盛でいうと80mmの部分にあるリング状の黒い部分が、オイルシールのリップが当たる部分で、大多数の車両で偏摩耗が発生します。

シールの当たり部分がどんどん減ってくるので、リップのテンションが弱くなりミッションオイルがにじみ出てきます。

交換を怠り重症になると、知らず知らずのうちにミッションオイルがレベルゲージ以下になっていた、、など米国の高官が好きそうな言い方ならば「深刻な結果」につながる可能性があります。




オイルシールを取り外したところ。
ダストシーリングのリップ部(手前)にオイルシーリング側(奥側)対比、顕著な摩耗が見られます。


シフトシャフトを引き抜いたところ。

オイルシール奥側のクランクケース穴(軸受)には、表層にPTFEをコートした、ブッシュが圧入されています。
このブッシュは測定及び目視したところでは顕著な摩耗は見られません。



クラッチ側は、アルミのケースにブッシュなしで保持されていました。
白いカラーは、位置調整用ですね。

それでは厄介な摩耗が、なぜ早期に起こるのか?
自分なりに考えてみます。



1.摩耗物質は、どこからやってくるのか?

 NOK技術資料を参考に可能性を考えてみます。

(1)ギヤオイルに含まれる金属や異物
  →金属粉、クラッチカス

(2)大気中から入り込んでくる物質
  →金属粉、砂、

(3)オイルシールそのもの

(1)(2)は妥当、(3)は単体ではあり得ませんが(1)(2)との組み合わせで有害になりえるでしょう。



2.現物を観察し、摩耗がひどい順に並べてみます。

(1)リップの当たり面が顕著に摩耗している。

(2)オイルシール側の軸受部にも段付きまではいかないが摩耗が見られる。

(3)クラッチ側軸受部にも摩耗が見られる。

力のかかる順では一見、軸受から作用点までのオフセットが大きいシフトペダル側と思ってしまいますが、ここはクランクケースカバーにも軸受がありますので、同等でしょう。

カバーを外したり、加工してしまうとこの限りではありませんが。



クラッチ側軸受
シフトペダル側に対し、幅が短くブッシュも入っていないので、同等とは言いましたが負荷は少ないのでしょう。



3.シフトシャフトとの接触幅を確認する。
 シフトペダル側から見てみると

(1)オイルシールのリップ:1mm以下

(2)軸受(シフトペダル側):20mm

(3)軸受(クラッチ側):13mm

となります。

オイルフィルターがないギャオイルですから、オイルにも問題はあるでしょう。

しかし、接触幅が一番狭いオイルシールのリップ部が顕著に摩耗していることから、
[面圧が高く、大気側にいちばん近いため外部からの異物の可能性]が濃厚だと思われます。

リップに異物を噛みこんで、シフトシャフトがヤスリがけされてしまっているのでしょう。

どうして金属より柔らかいはずの、ゴムのシールが削れないのか?

指にコンパウンドを付けて、金属をこすってみると分かりますが、柔らかいハズの指紋は削れませんが、金属は削れるのと同様なのですね。


☆以上から対策として考えられるのは

(1)ギャオイルをオイルフィルターで濾過する→×

(2)チェーンをやめてベルトドライブ化→×

(3)クリーンルーム内でしか乗らない→××

(4)シフトシャフトの表面硬度を上げて、削れにくくする→○

NOK技術資料で軸摩耗対策として推奨されていますね。


ではRZのシフトシャフトの表面硬度はどのくらいののでしょう?
残念ながら自宅に硬度計は無いので、資料と実験から想像してみます。

NOKの資料によると
『一般オイルシールT型の推奨硬度はHRC30以上』とあります。

※HRC:硬度の規格、数字が大きいほど硬い

HRC30は硬質アルマイトよりちょっと柔らかい程度
(参考硬質アルマイトHV350-450≒HRC36-45)

シフトシャフトは、一般的な炭素鋼のS45Cを使用していると仮定して、調質(熱処理)後硬度:HB270≒HRC28

そんなに柔らかいのかな?と鉄鋼ヤスリで擦ってみました。
 鉄鋼ヤスリ:HRC63(JISB4704)



溶接部の焼きが入っているところでも容易にガッツリ削れましたので、それほど固くはなさそうです。
エビデンスが少々欠けますが、そんなところでしょうか。


ここまで推論してみると、どうやら構造的な問題ではなく、単純に「シフトシャフト表面の硬度不足」ではないかな?という結論に達します。



☆対策☆

そこで既存のシフトシャフトを使用しながらも、費用対効果に優れたものを検討してみた結果、メッキにより表面機能の向上を図ることにしました。

第一化学工業株式会社様の硬度表を参考にすると、ハードクロムメッキが一番良さそうです。

但し、メッキ後にシャフトの外径寸法と表面粗さを出すために、研磨が必要にはなります。

ハードクロームの表面硬度は相当硬く、最高でHRC69!とHSS-ジルコニア!レベルまで到達します。

今回施工をお願いしたメッキ屋さん曰く、「絶対に摩耗しません。」と、盾鉾バトル番組並の言葉を頂きました。


これがハードクロームめっき施工が完成したものです。

上が中古、下が中古再生品。

新品投入後1万キロ走行ちょっとで、早くも段付き摩耗した中古品で施工しました。

素材の状態がよほどひどくても再生可能なのが良いですね。
フォークのインナーチューブ再生と同じです。

表面研磨→酸洗浄→ハードクローム→研磨ですが、僕の場合は後述する理由で煩雑な行程となりました。


シフトシャフトは、シャフトに星形のカムを回すためのプレートが溶接してありますが、均一なメッキを行う場合(電極の位置の都合で)、このプレートが邪魔になってしまうそうです。

そのため一度このプレートの溶接を除去して、シャフト単体とし、シャフトに均一なメッキを行い精密研磨仕上げした後、プレートを再溶接する必要があったのです。

施工を依頼したメッキ屋さんに「そこまで手間をかけなくて良いですよ」とお話したのですが、「中途半端な仕事はしたくないので、料金はメッキのみの見積もりで良いので、やらせて欲しい」とのこと。

素晴らしいプライド・・・

これが当該部位です。
溶接に当たっては、しっかり直角度も出して頂いています。

シャフト端部には、精密研磨を行う際のセンター穴が新たに加工されていました。

2013年値上げ前でのシフトシャフト新品価格約2本分程度でしたが、今後の価格上昇分とエンジンを開けての交換手間、オイル漏れの憂鬱、1日では終わらない煩雑な工数を考慮すると、僕は相当安価と感じます。

結果が出るのは、何年先になるかわかりませんが、机上検討と長くハードクロームメッキを手がけている職人さんの経験を考慮すると、対策としては高確率で完璧に近い結果が出ることでしょう。


最後に施工していただいた業者さんを紹介します。
福岡県久留米市の(有)吉川ハードクローム さんです。
WEBサイト

旧車のパーツ摩耗にお悩みの方は、一度相談されてみてはいかがでしょうか。

初期型エンジンのクラッチプッシュロッドも、同様の摩耗でオイル漏れを起こす部位でしたね。