伊方原発の廃炉のために

2006年から「伊方原発のプルサーマル問題」として続けてきましたが、伊方原発の廃炉のために、に15年に改名しました。

東温市議の渡部伸二議員による原子力防災の質疑

2014-05-22 09:43:35 | 原子力防災と住民の対応

東温市の議会中継のページより http://gikai.gikai-tv.jp/dvl-toon/2.html

 「3月11日」の一般質問の5人目です。

5 渡部 伸二議員
00:59:44
1.伊方原発事故時の避難者受け入れ体制について
 ・県広域避難計画によれば、東温市は西予市・内子町から14,141人の原発事故避難者の受入候補自治体とされているが、これら「重点市町」との協力体制について問う。
 ・本市における、避難者の受け入れに必要な計画の整備状況について問う。
 ・福島第一原発事故のように、避難が長期化する場合の避難者受け入れ体制の検討状況について問う。
 ・原発災害の住民広報の検討状況について問う。
 ・避難所の整備、特に介護環境が必要な避難者への受入体制の整備・運営等の検討状況について問う。
 ・愛媛県広域避難ベースモデル(移動手段・移動経路等を含む)の問題点について問う。
 ・原子力規制委員会の原子力災害対策指針には、目安「数時間」で避難するとされているが、西予市からの避難者は数時間で本市への避難が可能と考えるかについて問う。
 ・本市には中央構造線活断層帯が走っているが、南海地震発生と中央構造線活断層帯の連動→伊方原発事故という複合災害を、防災計画では考慮すべきではないか。また、複合災害の場合、「重点市町」の避難者の受入は不可能になってしまうのではないかについて問う。
 ・福島第一原発事故では、直線距離で100キロ以上に達する地域が放射性物質で高濃度に汚染されたが、伊方原発から60キロの本市の住民は、事故時には、どこに避難すればよいのかについて問う。
2.プロポーザル方式実施取扱要綱および議会説明の際の「提案書の回収」について
 ・当該要項第22条の情報公開基準では、契約締結後であるにもかかわらず、「提案書類」や「評価項目ごとの採点表」などは非開示にしているが、その理由について問う。
 ・議会の全協での新児童館に関する説明の際、契約業者の提案書について説明した後に、議員に渡さずにすべて回収したが、この理由について問う。
3.二元代表制の実現について 
 ・二元代表制にあっては、議会と市長の対立は当然の原理であると考えるが見解を問う。
 ・また、議会と市長は、対等の機関として熟議を尽くし、政策の一致をめざしてこそ住民の負託に応えることができるのではないかについて問う。
 ・議会事務局職員に対する人事権は、自治法上「議長」に所属しているが、現行、実質的には市長が行使しているのではないかについて問う。

 東温市は松山市の東隣の市で、伊方原発からは50kmから60km圏の自治体です。

 東温市を通っている北方断層は、中央構造線活断層帯の一部ですし、伊方原発と四国東部の火力発電所群とを結ぶ高圧送電線は、東温市の川内変電所で中継されています。活断層との関わりはこちらをご覧ください。

 


 以下、渡部市議からいただいた質問文をひとまずアップしておきます。
 

2014年3月議会一般質問事項(渡部伸二)

 今、現在も福島第一原発では、毎日400トンの高濃度の放射能汚染水が排出され続けており、すでに52万トンにもなっています。原子炉の中はどうなっているのでしょうか。溶けた核物質はどこにあるのでしょうか。事故原因は解明されたのでしょうか。事故から4年目に入る今日でさえ、何もわかっていないのです。そんな状況にありながら、安倍政権は原発の再稼動を加速させようとしていますが、もはや狂気の沙汰というほかありません。

 現在も、原発災害により、自宅やふるさとに帰りたくても帰れない人々が福島県だけで、13万人もおり、終わりのみえない避難生活のなかで、復興とは程遠い状態に置かれています。

 また、福島県内の18才以下の県民の甲状腺検査で、がんと確定または疑いありと診断された子どもは、先月で75人となり、最近5か月で16人も増加しています。これは福島原発からの放射性ヨウ素の影響が疑われる、明らかに異常な数値です。福島の子どもを見殺しにするような、このような棄民政策を断じて許すことはできません。

 福島県における「震災と原発事故」という複合災害は、私たちに多くのことを警告しています。災害時における避難行動の困難さ、避難先での悲惨な生活、国や県のズサンな対応、放射性物質による健康被害と広域環境汚染、そして、人間は原子力発電所を制御できないこと、事故を起こさなくても放射能を作り続ける原発は、生命との共存はできないこと、事故が起これば国家レベルの危機をもたらすということ。

 つまり、原発がある限り、何が起こるかわからない、何が起こってもおかしくないということであります。

では、通告順に質問いたします。

1、伊方原発事故時の避難者の受入体制について

 ①愛媛県の広域避難計画によれば、東温市は内子町・西予市から14,141人の避難者を受け入れる候補地となっています。本市は、愛媛県地域防災計画に則り、内子町・西予市との間で緊急事態の際の、広域応援協力のための協議および協定締結などはなされているのでしょうか。まだであれば、その見通しをお尋ねします。

 災害時の受入について相互協定は不可欠。

 ②14、000人の避難者の受け入れに必要な、中・長期的体制(つまり、人員の動員や避難生活物資、避難所の整備などを含む受入計画や手順などの整備状況をお尋ねします。

 また、避難者のうち、特に、要介護者・妊婦・乳児・子どもなど災害弱者といわれる人々への避難環境整備状況はどうなっていますでしょうか。

東日本での原発震災の経験からいえることは:

・通信連絡に携帯や固定電話が使えなかったことから、自治体関係施設、福祉関係施設、学校などに衛星電話の設置が必要であること。

・福祉施設、医療関係施設においては、水、食糧、介護用品、医薬品の十分な備蓄が必要であること。

・介護環境が避難所になければならないこと

・広域災害の場合、避難者の搬送手段と、その燃料の十分な確保が必要であること。

・被災者の健康管理のためには、シャワー・入浴施設、調理場は欠かせないこと。

・広域災害では高齢者や乳幼児・妊婦・障害者など災害弱者の救済に照準を合わせた救援体制が欠かせないこと。などが挙げられます。

 たとえば、屋根がある東温市内の避難所として19施設が登録されているようですが、そのうちシャワーがあるのは1施設だけです。調理場は学校を含みますので、15施設にあります。災害弱者を含む1万4千人の避難者を、健康的に、プライバシーに配慮した避難環境をどのように確保できるのでしょうか。

③本市の住民に対する原発事故時の住民広報は、どのようなレベル(例えばEAL・OILの基準など)で、どのような手法で周知徹底を行うのか。

(例えば、親は職場、子どもは学校などというように、緊急事態において、家族が離れ離れの場合が考えられる。このような場合も考慮しなければならない。)

 伊方原発で事故が発生した時点で、即時に警戒警報を流すのかどうか。

④愛媛県広域避難計画をみると、主に自動車による避難が想定されており、その避難経路は、国道197号・378号・56号・33号と松山自動車道が、主要ルートとされています。

④-1 国道は大部分が2車線ですが、緊急車両の通行の必要を考えると、片側車線しか使えない恐れがあります。そうなると、避難車両で道路が埋まってしまうような凄まじい交通渋滞が予想されます。この現象はすでに福島第一原発事故の際に、福島県内で見られています。避難は放射性物質に暴露しないためのものですから、現状では、避難できないまま被曝する可能性が高いと考えますが、ご見解をお聞きします。

④-2 国の原子力災害対策指針には、OIL(運用介入レベル)1の場合、目安「数時間」で避難するとされていますが、西予市からの避難者が数時間で本市に避難できると考えられますか。

 車が集中することによる大渋滞以外に、

南海トラフ地震による揺れにより、道路わきのがけ崩れや倒木、路面の地割れ、橋脚の破損、電柱の倒壊や交通事故にガス欠など、避難道路を寸断させる原因はいくらでも考えられます。

④-3南海地震では巨大津波が発生しますが、瀬戸内側とはいえ国道378号は、双海町から保内町までは、海岸沿いにあり、津波の影響をうけ通行が制限される可能性があると考えますがいかがでしょうか。

④-4 松山自動車道は、森松で重信川を横断してから、伊予断層と交差を繰り返しながら、伊予インターチェンジの直下まで伸びています。中央構造線活断層帯である伊予断層が動けば、松山自動車道路は寸断されます。マグニチュードは8程度、もしくはそれ以上、右横ずれ幅は2~3メートルにもなるとされています。伊方原発沖の中央構造線伊予灘海底活断層は、およそ2000年周期で活動しているとされていますが、その2000年はすでに来ていることを考えると、南海トラフ大地震と続いて、伊予断層、そして東温市にある重信断層・北方断層・川上断層も連動する可能性は否定できません。防災対策は、最悪の事態を想定し、被害を最小化するために行うものですが、市はどこまでの災害規模を想定しているのかお聞きします。

⑤東温市が被災すれば、避難者の受入も困難になると考えますが、そのような可能性も考慮しているかお尋ねします。

⑥東温市は伊方原発からおよそ60キロの距離にあります。福島第一原発から60キロにある福島市では、事故から5日後の3月15日の夕方に最大で24.24μSv/hが観測されており(これは通常のおよそ480倍の放射線量)、避難が必要なレベルになりました。この事例からみれば伊方原発の過酷事故の際には、東温市民も避難しなければならなくなることは十分考えられます。

その際には、どこに、どのように避難すればよいと、住民に周知するのかお尋ねします。

⑦国の原子力災害対策指針では、UPZを概ね30キロとしているのは、福島第一原発の事故の実態を踏まえれば、あまりにも狭いのではないかと考えますがご見解をお聞きします。

(例えば、年間20000μSv以上の被曝が予想されるとして、村ごと避難した飯館村は、福島原発から30~45キロであり、20μSv/h以上だった福島市は60キロ以上だった。)

 200キロ地点で、通常の約10倍の0.5μSv/hが観測されています。

福島原発事故の実態を踏まえていない!

 ⑧避難を余儀なくされた15万人以上の人々の人生を奪った福島原発の事故を経験した私たちは、二度と原発事故による被害を繰り返してはならないと考えます。東温市民の生命と生活と自然環境を、原発事故から守る責務が市にはありますが、市は、市民をどのように守るのかお尋ねします。

・東温市は、伊方原発から60キロに位置していますが、浜岡原発から60キロの位置にある静岡県湖西市の三上市長は昨年、市長として脱原発運動をすることを市の幹部会で宣言し、県主催の市長会で「浜岡原発を止めていただきたい。」と発言し、浜岡原発差し止め訴訟の原告団に参加することを決めました。これは自治体運営の総責任者として、あるべき姿であると私は思いますが、高須賀市長の所見をお聞きしたいと思います。

・もっとも効果的な防災はその発生源を取り除くことであります。しかし、原発をたとえ廃炉にしても、膨大な熱と放射線を作り出し続ける使用済み核燃料は10万年、あるいは100万年に渡って厳重に管理しなければならないのが原発の恐ろしさです。一刻もはやく、すべての原発の廃炉作業に着手し、最悪の事態の最小化をはかるべきと考えますがご見解は。


 

 

 

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