囲碁とロック

好きなことについて

やりきりました。

2021-01-12 18:29:32 | 囲碁アート

ぜえぜえ

 

 

 

長い戦いだった・・・

ヨコ600路、タテ800路の作品が先日完成しました。

いつも通り囲碁で引き分けになるようにしています。

 

(囲碁です)

 

写真をドット化して、それを囲碁に変換していくという作り方をしました。

それゆえ、いわゆる「絵」とはいいにくい。

黒・白の配置を自分で決めた部分も多いですが(とくに地面は囲碁の勝負に大きく関わる)

ものの形や輪郭は写真のとおりです。

 

いろいろ気づいたことや考えたことがあったので、まとめてみようと思います。

 

・なんの写真?

 

 

私の地元、埼玉県飯能市の山中です。天覧山から多峯主山に行く途中です。

ガチ登山ではなく、ちょっと頑張ったお散歩、みたいなノリで行けるところです。

何年か前、あまりにもいい感じだったので、スマホでおさめた画でした。

 

 

・なぜこの写真を?

 

地元愛。

 

だけでなく

引き分けにするという大変な工程に挑むわけなので、写真の段階である程度の形勢判断(どっちが勝ってるのか判断すること)ができていないと、とても踏み出せないのですが・・・

この写真は「引き分けにできるっぽい」と思わせるものがありました。

 

 

陣地が同じになることが囲碁の「引き分け」。

黒の陣地っぽいところは、色が濃い写真なので、どこにでも用意できそう。

葉っぱの形や木と木の間など、細かく全体に散らばっているイメージです。

石があるところではなく、空いているスペースを囲ったものが陣地です。

黒の陣地のなかに白石がありますが、大体は助からないもの(取られた扱い)になっている)

 

対する白のほうは、地面と空をすべて陣地にすれば、けっこうな広さを用意できそうです。

でも、黒石もたくさんあるじゃん、となりそうですが・・・

 

 

地面にある黒石はほとんどが取られている「死に石」となっています。

この黒石はぜんぶ、終わった後に取り外されて黒の陣地の中に行き、このへんは白の陣地になります。

地面の黒っぽさを出しつつ、それでいて白の陣地にもできました。

 

 

・なんで引き分けが分かるの?

 

囲碁をご存じの方ほど、「引き分けにする」って大変だと思うでしょう。

しかし、実は最近はもう碁盤見てません。

意外と方法はあるもので・・・

 

 

ドット絵のソフトで、色塗りをしています。

大きな碁盤の陣地を数えるソフトはないけれど、ドットの数を数えるソフトはあります(gimpとか)

黒の陣地が緑、白の陣地がピンク。取れている黒石が青、白石が赤。

という色塗りをしていけば、ちゃんと陣地の数がわかるのです・・・!

今回ですと、お互いに25787ドットの陣地を得ており、引き分けになりました。

 

・作っていて印象に残ったところは?

 

ええ、一生忘れないでしょう。

地面と、反則回避です。

 

地面の黒石を、間違いなく全部殺すという作業が約2週間続きました。

いくら石とはいえ、殺生だけを続けていると変な気持ちになってきますよね。

脳があやしいダンスパーティーをしていましたが、どうにか現世に戻ってこれています。よかった石で。

 

そして、「着手禁止点」だけは避けないといけません。

 

 

こういう白石は最初から囲まれちゃってて、ルール違反なので一発アウト。謝罪となります・・・!

目視での確認です。

48万粒のお米が目の前にあって、割れちゃっているやつを一つ一つ取り除いていく感じです。夢に出ます。

 

 

・この作品の意義は?

 

一つはやはり、今のところ一番でかい作品であることです。

そして、SNSで発表していくには、これ以上はきついかな・・・と思われるサイズなので、

ある意味「来るところまで来た」といえます。

ツイッターで細かいところまで見れないですし、インスタでもこれ以上は細かすぎます。それがわかった意味は大きいです。

 

二つ目には、囲碁と現実とがまた一歩近づいたと思います。

すべてフリーハンドの絵ではなく写真を使うということで、現実の物体の線や輪郭、形状が囲碁の中に入ってきた。

目の前のものを囲碁に写すことができる、というのは新たな可能性として考えていきたいです。

 

最後には、すごい囲碁をさせてもらったな、という充実感です。

絵じゃなくなったことで、私の立場というのが、単に、というかより純粋に「囲碁」なんですよね。

画像の形式をjpgから囲碁に変換する人、みたいなイメージです。

特に地面は、全体に合わせつつ囲碁のヨミに集中するという、まさしくこれ囲碁じゃん!!という気持ちでした。

 

 

 

 

そろそろ囲碁アートを始めて5年になります。

色々なものを囲碁にできるようになったので、より多彩に作っていけたらなあと思ってます。

今年もよろしくお願いします!