同時多発ニュースに疑義あり

昨日、2006年1月17日になぜ多くの重大ニュースが重なったのか・・・いろいろ考えてしまうのです。

阪神淡路大震災。あの日は確か火曜日（百貨店定休日）で僕は池袋にある西○百貨店内で「優越的地位を利用され」納入取引先としてせっせと自分の会社の商品の棚卸を手伝わされていたのでした。第一報では（昼頃）死者が20数名でたもよう、くらいの報道でしたが時間が経つにつれて大惨事であることが分かってきました。
で、昨日1/17はその日から11年目ということでニュースになりました。これは自然災害ですから当然です。

連続少女誘拐殺人事件の宮崎勤の最高裁判決は司法が決めた判決日なのでこれもなにも文句はありません。

が、耐震偽装問題でのヒューザーの悪党社長の国会証人喚問とライブドアの証券業法違反容疑での一斉捜査とが同一の日になされたことが僕にはちょっと疑問なのです。
耐震偽装問題はその内容や今後の展開次第ではまさにロッキード事件に匹敵するような政・官・民の一大疑惑に発展しそうなのです。あの社長のおしゃべりグセは有名になりましたが、昨日のあの口ごもった寡黙さはいったい何を表しているのでしょうか。そうです。言えないんです。何も言えないんです。あの人の口を閉ざさせようとするなんらかの力が陰で働いているのです。
そこで多くの国民の注目を分散したい（あるいは、そらしたい）がために政界・官界は意図的に1/17を選んだと考えるのは、思い過ごしでしょうか？

限りなく犯罪に近いグレーゾーンでライブドアのお調子者社長は錬金術を繰り広げ、今、一種のスケープゴートとして捜査の手が入りました。こいつも相当の悪というか、最近のなりふり構わぬ金銭至上主義を崇拝する軽薄な人間どもを多く生産した張本人の一人ですが、こちらは株の世界での犯罪なので、立件されたとしてもせいぜい執行猶予のついた罰金刑程度のものでしょう。（ただし粉飾決算などはもっと罪が重くなります）

ではこのような経済犯のあぶり出しを東京地検がなぜわざわざこの日に実行したのでしょうか。
僕などはこの事件によって報道（メディア）がコントロールされて、耐震偽装の問題から国民の注視をそらす意図が政府役人になかったか、と思ってしまうのです。

まぁ、悪といっても金儲けに知恵がある程度の若者ですから、一般国民には彼の存在なんていうのはそれほど価値のあるものではないでしょう。（確かにミニバブル経済は混乱してるでしょうが）　どんなやりかたをしても金を儲けた者の勝ち、金があればなんでもできる、なんていう過去の日本人にはなかった価値観が若い人を中心に蔓延しつつあることを国家が是正しようとした結果、もしかしたら今回のライブドアへの強制捜査は国策捜査なのかもしれません。そのタイミングは別としても。

そんな事を考えていたら今日この事件がすぐ株式市場に波及しましたね。今日18日午後、東証の全取引が停止されました。非常に大変な混乱だと思います。これで青くなったのはプロの機関投資家たちではなく、最近流行のネット取引を家庭で行っている個人投資家でしょう。でももし現在の株価動向がバブル的だとしたら、市場の無意味で実体のない過熱振りが冷やされることになり、長い目でみればこの国の未来にとってはいい方向ではないかと思います。

結局のところ思うのです。いかにライブドア問題が今のわが国経済にとって激震になりえても、今我々が最も注意深く見ていかなければならない問題は、政界、官界の癒着構図が耐震偽装問題によって表面にあぶりだされるかどうかということであります。
いちＩＴ社長のずる賢い錬金術など、底が浅い問題は１/17という日本にとって忙しかった日に取り上げるほどの価値はなかったと思うし、翌日の報道であってもよかったんじゃないかとすら思うのです。