バンマスの独り言 (igakun-bass)

趣味と実践の音楽以外に日々感じる喜びや怒り、感動を記録するためのブログです。コメント大歓迎です!

セミ時雨と地上の平和

2014年08月22日 | 雑感
連日の猛暑でかなりバテぎみですが、夜になるとたとえそれが熱帯夜であっても、外は秋の虫の鳴き声がかなり目立つようになってきましたね。

生ぬるい夜風はちっとも気持ちよくありませんが、草むらや家の周りからエンマコオロギがやさしい声をあげています。家の窓には時々ヤモリがやってきてその小さくてかわいい指をいっぱいに広げてへばりついています。きっと家から漏れる明かりに寄ってくる小虫を狙っているのでしょう。毎年きまって姿をみせるこのヤモリくんをうちではみんながかわいい、と言ってそっとしておいてあげます。

うだるような暑さの日中ですが、いくつかの仕事先には武蔵野の雑木林があって、先週あたりからはもうセミ族のトップシンガーであるツクツクボウシがそのメロディアスな美声を身体いっぱいに使って披露してくれるようになりました。

秋が確実に近づいているのですね。

それにしてもこの蝉の鳴き声は非常に音楽的ですね。なぜなら鳴き方に「形式」や「形式美」があるからです。
あえて言えば「三部形式」なのです。ワン・シークエンスを分解すると鳴き始め(スタート)はロングトーンから次第にテンポを落とし、メインテーマが現れます。テーマの反復(リピート)回数は個体によって異なりますがクレッシェンドしていき最高の盛り上がりを見せます。そして終結部は別の短いテーマが現れて再びロングトーンでディミヌエンドしてワンサイクルが終わります。
こんなに音楽的な鳴き声が他の虫や動物にあるでしょうか?

 ツクツクボウシ

先週のある曇り空の日には同じ雑木林でなんとヒグラシが時間を間違えたかのように数匹が鳴いていたこともありました。
しかしこのヒグラシというセミは最高ですね! 悲しげで涼やかで森の精霊の声を聴くような心持になります。音楽的というよりサウンドそのものが芸術的で、彼らが重層的にスタートをずらして鳴き始めるとこの世のものとは思えないような幻想的な雰囲気になります。
首都圏ではあまり聴く事のできないセミですが、これがどこからともなく聞こえてくるような環境に僕は住みたいです。

ヒグラシ

さてこのセミ族、よく知られているように卵から生まれて数年間はひたすら地中での生活をして、そのあとやっと地上に顔を出すんだそうですね。その地上での生活はたった一週間程度らしく、瞬く間にその命を終えるということをいつも悲しく思っていました。

しかしその短い地上生活たるやさぞすさまじい生存競争や繁殖競争にさらされるんでしょうね。オスはメスを呼び込むために身体全体を共鳴させてただひたすら暑さの中で鳴き続けているのです。その力強さは「蝉時雨(せみしぐれ)」という言葉があるほどで、秋の虫が鳴き始めた今日この頃ではそろそろ役目を終えた個体が一匹また一匹と静かにしかも唐突に落ちてくるのを見る事が多くなるでしょう。

考えてみればセミたちはのんびりと長い時間を過ごす地中生活と暑いさなかに子孫を残すために外敵からの危険も恐れずに全力で鳴き続ける地上生活と、いったいどちらが幸せなのでしょうかね。僕はいつも彼らの鳴き声を聞いて、おいいったいキミらはどっちが好きなんだい?と聞いてみたい気持ちになるのです。

***

話は変りますがこの夏の太平洋高気圧のパワーが本来のものよりモヤモヤとしている関係で日本列島はかつてないほどの大雨の被害が続出していますね。こういった自然災害(時には人災)を含む激甚災害への対応と予防には国を挙げての研究と努力をしっかりとしなければなりませんね。
首相は好戦的な人物なのか、国を守る事にやけに力点を置いているようですが、この時代、最も怖いのは戦争などではありません。戦争に関しては多くの国や多くの人々がやってはいけないものと過去に学んでいます。何の利益にもならない戦争、特に大国間においては今後も起こる確率は低いでしょう。となれば、今の我々が戦争よりも最も怖れなければならないのは激甚災害(台風、地震、竜巻、津波、大雨、伝染病など)とテロなのです。

不幸な事に我々の国、日本は世界でも有数の自然災害多数発生国です。
おりしも、今、広島や九州、四国などで過去では考えられなかったような大雨の被害が大変な規模と深刻さで発生しています。
台風の被害というのではなくて梅雨末期のような前線による大雨には大規模な気候変動の兆候があるのではと危惧しています。

また、中東や北アフリカの紛争地域での内戦やテロ。今までも見え隠れしていたアメリカ社会での人種差別の顕在化と経済格差による人心の荒廃。
これらに伴うテロ事件や凶悪な無差別犯罪など、我々人類がもっと知恵を働かせてこれらを封じ込める努力をしなければなりません。

気候が悪い方に変動し、人々の心が乱れ出す。この二つで人類は滅びてしまうかもしれません。

蝉たちのように地上に楽園を夢見る事ができるのでしょうか。
暗い地中でじっとしていたほうが、荒れた世の中よりずっと良かったりして・・・。



     (トップの写真は僕の部屋の窓から見た巨大に成長した積乱雲)

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
収穫の秋 (くまじー)
2014-08-29 10:26:59
ごぶさた・・

しばらくぶりに、我が家の畑を訪ねてきました。

ジャガイモさん、枝豆さん、長ネギさんが雑草ボーボーの中から「早く獲ってよー!」っと顔をチラチラ覗かせています。 
試しに土を掘ってジャガイモさんはまずまずの出来。 枝豆さんは身がパーンパン。 長ネギさんは細身でちょっとスマートすぎ。
収穫は週末あたりが丁度いいかな?

話は変わって、先日大雪山連峰の旭岳(2291m)に登ってきました。 1600mまではロープウェイで終点、姿見の池駅で下車。 そこから約2時間チョット、快晴で高山植物やエゾシマリス等眺めながら山頂。 
記念撮影(Facebook参照してください)孫3人と家のかみさん。

のーんびり生きてます。
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秋の虫は鳴いていますか? (バンマス@発行人)
2014-08-31 16:24:02
>くまじー さま

ご無沙汰・・・。

北海道の短い収穫の秋。
土の匂いがしてきそうな畑の情景、ありがとうございます。

例えば「枝豆さん」、これはやはり大豆として利用するのですか?ビールのおつまみ、のような食べ方じゃないですよね。

主峰、旭岳はあこがれの山の一つです。
北海道では他に利尻岳と斜里岳に登ってみたいなと若い頃からずっと思っていて、もちろん実現していません。

健康的な生活を送られている様子に、なにか癒されました。

畑の雑草はきれいに刈り取りましょう。
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