バンマスの独り言 (igakun-bass)

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美しい宵の天文ショー 

2012年03月27日 | 自然/自然現象
昨日、3月26日の宵、夜空には金星・三日月・木星がきれいに縦に整列し美しさを競う天文ショーがあった。

夕食を終えたのが19時過ぎ。春にしては少し気温が低く空にはほとんど雲が見られない状況下、楽しみにしていた天体ショーを見ようとカメラを持って外へ出た。

春の夜空は往々にして霞む。冬の時期と違い、空気の澄み具合は今一歩になる。夕べのように乾燥した状態というのはあまりなく、少し湿り気のある風がそよいでいたりする。
要するに天体観測(=観賞)には不向きな季節なのだ。

それでも昨夜は珍しく<観賞>にはとても良い条件となった。

日没30分後くらいが見ごろと国立天文台では呼びかけていた、金星と月と木星の大共演だ。


カメラ、手持ちで撮影(上から金星、月、木星)2012.3.26. 19:30

国立天文台HPの「ほしぞら情報」によると「日が暮れてすぐの西の空には、金星と木星が見えています。金星はマイナス4.2~マイナス4.4等、木星はマイナス2.2~2.1等と非常に明るいので、 夕焼けの残る空でも、とてもよく目立っています」とし、事実日没直後の西の空には、ひときわ明るい金星と、それよりやや暗い木星を観察することができるのだ。

そして昨日26日には、この金星、三日月、木星が一直線に並ぶように見える日で、縦一列に並んだ美しい光景を見せてくれた。

僕は19時半、カメラを手持ちで構え、ISO1600の高感度モードで撮影した。と、同時にバンド仲間にもメールで呼び掛け、このショーのことを知らせた。
ヴォーカルと鍵盤とマネージャーの三人がさっそくレスを返してきてくれた。 よかった!見てくれたんだ。

惑星だったり衛星だったりするこの3つの星の存在自体は珍しくないだろうが、なにせ明るい星たちなので、望遠鏡などの面倒な機材は無くても楽しめるショーなのだ。


さてせっかくなので金星と木星の豆知識をどうぞ。


金星

 
厚い雲に覆われている金星はその雲のせいで太陽光がよく反射し、そのため地球から見ても明るい星なのだ。
そこには非常に厚い大気があり、そのほとんどが二酸化炭素。そのため二酸化炭素の強い温室効果で星の表面の温度は昼も夜も摂氏470度と、太陽により近い水星よりも高くなっている。

大気中には硫酸の粒でできた雲が何kmもの厚さで広がっており、その雲にさえぎられて太陽からの光が直接地表に届くことはない。雲からは硫酸の雨も降るのだが(ひや~、恐ろしい!)地表があまりにも高温なため、地表に達する前に蒸発してしまうらしい。

また金星の大気の上層では、秒速100mもの風が吹いていて、金星をたったの100時間弱で1周してしまう。この強風を「スーパーローテーション」と呼ぶのだが、自転周期が非常に遅いのにもかかわらず、なぜこのような強風が吹いているのかは明らかになっていないそうだ。

金星の公転周期は225日で自転周期は243日だそうなのでこの星では一日が終わらないうちに一年が経ってしまうという???な特徴もある。しかも、金星は地球と自転の方向が逆なので、西から太陽が昇って、東に太陽が沈むという太陽系の惑星では珍しい星でもある。

金星は、地球よりも少しだけ太陽に近いところを回るおとなりさんの惑星。
地球と大体同じ大きさで、固い地面があって、大気もある。そういう意味では地球とそっくり似たものどうしで双子の惑星なのだけれど、地球は美しい星でこれをあえて<天国>と表現すると金星は上記の通り人も機械もそこにはいられないような場所で、すさまじい強風と硫酸の雨、超高温などなど文字通り<地獄>の星と言える。



木星

 

大きさは地球の11倍、重さは320倍。ガスでできた巨大な惑星だ。(太陽系惑星では最大)

木星より外側の惑星は、内側の惑星に比べて直径は極端(きょくたん)に大きいが比重(ひじゅう)は小さい。それはこれらの木星型惑星(木星・土星のこと)の大部分がガスで形作られているからだ。木星の表面はアンモニアやメタンの厚い雲におおわれていて、帯のような模様がたくさん見える。また、南半球の中緯度帯(ちゅういどたい)には、地球2~3個分に匹敵する大きさをもった赤い斑点がある。これを「大赤斑」というのだが<高気圧の嵐=台風>らしい。


どっしりと光って見える惑星の王者木星だがその実体は非常に軽いものからできているのだ。
木星は主に水素でできた球体なので、我々が観察することができるのはその分厚い大気の表面だけで、地面にあたるようなものを見ることはできない。だから縞模様や大赤斑も木星の上にうかぶ雲の模様にすぎないわけだ。

木星の大気中をどんどん下に降りていくと、圧力が急速に増してくる。自分より上にある大気の量がどんどん増え、その重さがのしかかってくるからなのだが100kmほど降りると、その圧力のために液体状になった水素の層が現れる。
この液体分子状の水素の層は厚さ約2万km、木星の外側3割ほどを占め、その底では圧力が300万気圧に達している。すると今度は、水素が液体金属状に変化するのだがこの層は約4万kmほど続き、その底では圧力は3600万気圧、温度は約2万度に達するらしい。岩石状の中心核があるのはこの下になり<地面>とよぶにはあまりにもかけはなれた世界なのだ。



というわけで、金星も木星もどうやら想像をはるかに絶する世界らしい。
まさに地獄の星たち。
春の宵、これらの星がきれいに月を挟む格好で輝いていたのだ。
こういうふうにきれいに並ぶのはなかなか無いそうだが、今回は観測条件にも恵まれ、またとない天文ショーを楽しめてとてもうれしかった。




PS. バンドのマネージャーから「翌日に見たらどうなの?」と質問された。「位置関係が崩れる」と返信したが・・・それを確かめるため先ほど(27日:昨日と同じ時間に)空を見たらやはり月だけが離れてしまって、縦にきれいに並んではいなくて、とても「ショー」とは言えない感じだった。

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2 コメント

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木星になるぞ (鍵盤姫)
2012-03-29 11:16:09
バンマス、メールありがとう。
美しい夜空に感動しました。

天体学はよくわからないけど
煌めく星空…
光り輝く金星…
ロマンチックな月…
私は真下で地味に光を放つ木星になりたい
…なんて思っちゃった。
デカいし(笑)

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鍵盤姫はバンドのスターだ (バンマス@発行人)
2012-03-29 13:55:37
>鍵盤姫 さま

コメント、ありがとう!

「私は木星になりたい」って?

ありゃ、空気(ガス)デブなんだよ!

でもね、あのきれいな模様は超巨大な雲の姿なんだって。想像を超えることばかりの宇宙の話には限りない神秘とロマンがあってすばらしいね。
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