カイロからマドリードまで夢がゆく

エジプトで働きつつスペインのMBAで学び
卒業後は日本で働いています

長期間何かにコミットする

2018年12月13日 | ビジネス構想
昨日の記事「時間を味方につける」で、超長期の視点で事業拡大の道筋を捉えることの重要さについて述べました。

超長期の視点で現在の立ち位置を意識し続けるのと併せて、長期にわたって事業拡大に必要な要素にコミットし続けるということが大事だと感じています。
そのコミットする対象が自分の興味関心事項で、長期間の継続的なコミットメントが自然にできることが理想です。

しかし、まずやってみないと何が興味関心事項かわからない場合が多いと思うので、今この瞬間「これだ」と思うものにコミットしていく、という姿勢が大切だと考えています。

長期間何かにコミットし続けるというのはかなり難度の高いことです。
一番自然なやり方としては、毎日毎日、その対象のことを考え、何かしらアウトプットする時間を持つ、ということではないかなと思います。

今の私は、その時間をなるべく1日の早い時間帯に持とうと努力しています。
1日のどこでもいい、もしくは夜落ち着いた時にその時間を持とうとすると、1日の間に積もり積もっていく「やるべきこと」に追いやられて、毎日確実にその時間を確保するのが困難だと感じるためです。

早寝早起きしてその時間を確保するのが理想ではありますが。
実際は毎日夜中になんとか時間をひねり出している状況です(^^;)


時間を味方につける

2018年12月12日 | ビジネス構想
スタートアップで働くようになって得た最大級の発見は、「時間」も管理対象の一つであるということです。

スタートアップが成功するためには、そのために必要な資金、人材、資材、資産をしっかりマネジメントしなくてはなりません。
それら「ヒト」「モノ」「カネ」というリソースに加えて、「時間」リソースの全体像をどう管理するかも重要な視点だと知りました。

これは、1日のうち、何に時間を費やすかという切り口だけではありません。
何年スパンで事業の目的達成を捉えて、その中で如何に現在の立ち位置を客観的にとらえ、目の前の選択をするか。
それも重要なマネジメント・ファクターだと思います。

やはり、大事業は一朝一夕にはできません。
ものになるのに10年はかかるということもあるでしょう。

10年なんてとても長い時間で、予測することなんて不可能だと思えますが、必要条件として、10年、20年のタイムスパンで事業拡大の道筋をイメージできないと、大事業を達成することはできないと思います。

以前読んだ本で、熊谷正寿さんの「一冊の手帳で夢は必ずかなう」というものがありました。

一冊の手帳で夢は必ずかなう - なりたい自分になるシンプルな方法
クリエーター情報なし
かんき出版


この本では、この超長期計画を持つことの重要さを教えてくれていたと、今でこそ理解できます。

なお、上記の本、amazon kindle版も出ていますし、それが書籍よりもとても安く売られていますが、kindle画面だと事例が見づらかったりするので、書籍で購入されることをお勧めします。

創業◯年のすごさ

2018年12月10日 | 日記
スタートアップで働くようになり、世に溢れる「創業◯年」という言葉の持つパワーに改めて気づいている。
それが長ければ長いほど、だ。

例えば創業60年の和菓子店があったとする。
60年前と言えば1950年代。
日本の景色も、人々の価値観、ものの考え方も今と大きく異なるだろう。
和菓子店を取り巻くあらゆるものが大きく変化していく中で、当然和菓子店を支える従業員も、その経営手法も変化してきたことだろう。
経営者自身だって、おそらく一度くらい代変わりしているだろう。

そういう中にあっても、和菓子という商品(ただし、その味は絶えず変化してきているだろう)を生産し、世に提供し続けるという機能にコミットし、それに徹し続けたこと。
その時間の積み重ねが生み出す信用力がすごいと思う。
信用力の一部は、「おそらくこの先も、ここにこの和菓子店があるだろう。」と思わせるパワーだと思う。

個人レベルでは体力も考え方も、趣味関心も、1年もすれば大きく変わる。
しかし、創業者の強い意志か、それ以外の何かの仕組みかが、その和菓子店に和菓子を供給させ続けている。
「創業◯年」という言葉を見ると、そこまで勝手に想像してしまう最近だ。

techの使い方を考える

2018年12月10日 | ビジネス構想
「IT系」「テック系」という言葉が使われるようになって久しいです。
ここ数十年、「IT系」「テック系」という言葉はダイナミックに成長する産業の代名詞でした。
この間、この分野では常に新しい技術が生まれ、紹介され、その最先端にいる企業が産業の成長をけん引している印象がありました。

一方、昨日の記事「大阪に出張に行ったときに感じたこと」で、Shinji Kimura氏の「メディアの分散化で個々人の頭の中がバラバラになってきた。」という言葉をご紹介しました。
この考え方によれば、人々がイメージする「IT系」「テック系」という言葉が連想するものもだいぶ分散化してきていると考えられますし、私は実生活でそう感じてもいます。

現在「IT系」「テック系」の最先端といえば、「AI」「ブロックチェーン」等のが連想されると思います。
しかし、ビジネスの世界においては、その界隈で「枯れた」といわれる、既に一般化されたような、そして実活用に信頼性のおける技術の方が、ニーズが高かったりします。

こうした場面に出くわすたびに、IE Global MBAカリキュラムの最後のBusiness Planの授業の発表会において、最先端技術を駆使したビジネスプランが紹介される中でローテクな「ブランドバックレンタルサービスを南アでやる」というビジネスが、評価委員であるマドリッドの投資家から最も評価されたことを思い出します。

要は、「IT系」「テック系」といってもビジネスで必要とされる技術はそのシーン毎に異なっており、それぞれのシーンのニーズに合致した技術を合致した形で提供できたものが生き残るという、シンプルなルールが支配的だということです。
そして、既によく知られた技術であったとしても、それを最適な形で再定義した会社も、立派な「IT系」「テック系」として認識される可能性があるということです。

大阪に出張に行ったときに感じたこと

2018年12月09日 | 日記
ここ数日間、大阪に出張に行っており、さらに出張先で体調を崩していたため、ブログから遠ざかってしまっていました。

さて、大阪は、自分が幼いころ夏休みの度に訪れていたので思い出深い街です。

出張の終わり、少し懐かしい場所を巡って歩いていると、幼いころの街並みと大きく異なっていることを感じました。

ちょうど天気がよかったこともあってか、昔よりもすごくきれいな街並みになっているように感じました。
昔の景色と大きく変わった街並みを歩きながら、でもそこかしこに昔の片鱗を見つけ、とても懐かしく胸に迫るものがありました。

綺麗になった街で、楽しげに走り回る子供たち。
この子たちが見ているこの街と、自分が脳内で今見ているこの街とは、大きく異なるものなのだろうと、そんなことを考えました。

最近、Twitterで、SHINJI KIMURA(@shinzizm2)さんという方が紹介されていた、その方のブログ記事「スマホから変わる世界」を読む機会がありました。

この記事でとても印象的だったのは、スマホが広まった現在、テレビをはじめとする昔のマスメディアは衰退し、「メディアの分散化で個々人の頭の中がバラバラになってきた。」という言葉です。

たしかにそうだと思います。

さらにいえば、テレビを通じて一つの基準となる生活イメージが共有されていて、そのイメージとの比較で自分の生活を見ていた時代が終わったということではないでしょうか。
共有された一つの極がなくなり、多極化した世界。

大阪で訪れた街で走り回る子供たちが見ている世界と、私が見えている世界とは異なるだろうと考えたとき、この多極化した世界というものを、再確認した気がしました。

むしろこの多極化した世界は、歴史上のほとんどにおいて、当たりまえの状態だったのではないでしょうか。
テレビというツールが登場した20世紀後半が、異常な時代だったのではないか。

そうも思いました。