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アイデアリズム idealism daydream

サボテンの花達人事件

打てないアタマがあるものか。

唸ったバットで叩き出す。

ああ、青春のホームラン!

カキーンと惚れ込むあいつだぜ。

どいつかと言うと、横浜市の17歳私立高校2年生である。

彼が一花咲かせたのは渋谷駅前。

どいつもこいつも、地元でやれ地元で。

得物はトゲ付きの鉄棒ならモヒカンが似合うところだが、もっとリーズナブルに金属バットだ。

こんな時は、

「ヒャーッハハハッ!! オラーッ、死ねやァーーーッ」

とわめいて走りまわるべきだったが、髪も体格も普通な彼は、シャイな事に無言だったという。

バットもちゃんと買ったという。

気は優しくて、力持ちだな。

20世紀もあとわずか、一連の「17歳」シリーズ最新作。

だが、どこかうそ寒い感じがするのは何故だろう。

金属バットと言えば、80年代の家族崩壊を象徴する名作「家庭内金属バット殺人事件」を思い出した者もいるだろう。

昭和の事件史に燦然と輝く大事件だ。

そして、ミレニアム2000年、ニュージャンルを確立し圧倒的な注目を集めた「17歳バスジャック事件」。

この一件で「リアル・17歳」のフォーマットが出来あがり、以後同系統の事件が続々と提供されている事は諸君もご承知の通り。

いまや粗製濫造、という観すらある。

そこで今回の事件。

トレンドの「17歳」の要素に、先行作の新宿に対してよりファッショナブルな渋谷というロケーションを採用、更に昭和の金字塔「金属バット」を加えての勝負だ。

一ツ一ツの要素としては一見悪くないが、全体を貫く企画として、どこか安易さがつきまとう。

どれもこれも他のヒット作のエッセンスであり、オリジナリティを欠いている。

これでは、あからさまにブームに乗った便乗事件でス、と言っているようなものではないか。

平成「金属バット殴打事件」として、もっと練り込んで実行すれば往年のヒットシリーズに新たな1ページを加える事だッてできたのに。

単にリメイクに失敗しただけになってしまった。

昭和の「スーパー犯罪」を新たな「リアル・17歳」のスタイルで仕上げるにあたって、もっと考えるべき事は無かったのか。

「ブームの内に荒稼ぎを」とか、「とにかくワクの確保のため何でも良いから」とか、「この辺押さえときゃいけるッしょ」みたいな内向きな態度がありはしなかったか。

新機軸を打ち出す努力を怠り、或いはリスクを恐れ、テキトーに流すことこそ最終的にはジャンルそのものをダメにしてしまう事に何故気付かない。

大ヒット作の後はどうしてもそうなりがちなンだなァ。

「2」で勝負してコケるパターンだ。

個人的には、そのテの類似タイトルのチェックも嫌いじゃないが、露骨に手抜きをした「デス事件」はやはり頂けない。

リメイクするならするで、旧作のイメージをしのぐ、よりパワーアップした出来じゃなきゃァ。

今、世間が17歳を見る目がどれだけ厳しいものか、送り手は理解していて然るべき。

皆、目が肥えてきてるンだから。

すると、逆により過激に走ったりしがちだが、見た目のハデさでは一時的に人目を引いても、結局評価は低くなるパターンが多い。

アイデアの奇抜さだけでは底が浅い訳だ。

そこに充分な検討を重ね、設定のしっかりした事件となってこそ御披露に足るというもの。

今、事件を起こそうと考えている17歳のキミ。

もう1度振り返ってみ給え。

本当に、ホントーにそれでいいのか?
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