ら く が き ち ょ う

えほんや なずな店主いちみちゃん が
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『花ばぁば』日・中・韓平和絵本12人の画家たちの微笑と涙

2019年08月30日 | ほん

春にお知らせのチラシを松戸のTen-Senギャラリーで手にいれてから、楽しみにしていた講座に参加した。

おもいがけない時勢(愛知トリエンナーレの「表現の不自由展 その後」の少女像の展示に関して、自治体の首長が信じられないような発言する)とも重なったせいか、大きな講義室が満員に。

絵本作家の田島征三さんと浜田桂子さんがトークされた。

『花ばぁば』とは、慰安婦証言をもとに描かれた絵本。

当初は日・中・韓平和絵本シリーズの1冊として出版されるはずであったが

テーマがテーマだけに、出版がとん挫しかける。

作者のクォン・ユンドクさんは、証言者の気持ちに寄り添いながら描いた絵を、日本で出版が出来るように描きなおす。

韓国での出版分でさえ10冊以上の下絵本を描いていらっしゃったのに、さらなる描きなおし。

しかし、絶対に曲げたくない直したくない場面も存在する。それは証言者が一番鮮明に覚えている場面だ。

そこを描かなかったら、何のために描いたのか。

その葛藤はすさまじかった事だろうと思う。

 

浜田さんと田島さんは出版してくれる会社を探して奔走。

勇気ある出版社が見つかり、クラウドファンディングで資金を集めて2018年4月に発行された。

 

田島征三さんはこうおっしゃった。

「出版されても書店が売ってくれなくては、ないのとおなじ。」

「こわいのは、反応がないこと」

 

戦争という、最大の人権侵害・環境破壊・生命の尊厳をないがしろにする行為に対する「反対」を、芸術の力で人々に訴えること。

そのことを強調しておられた。

 

「慰安婦」の問題は「昔」の出来事ではない。

今も、アフリカのコンゴで、中東で、紛争のある所では女性や幼い子ども、社会的弱者が一番に被害を受ける。

紛争していないところでも、程度の差はあれ、女性と子ども、社会的弱者の基本的人権は軽んじられている。

人を人とは思わない、なにか機械の部品みたいに扱う輩が幅をきかしていると感じる。

「戦争は絶対ダメ!」と言っていても、いつの間にかそういう輩にからめとられて「戦争しかない」という風に変えられてしまうかも。

(80年前にもあったことだ)

自分が変えられてしまわないように、何度でも何度でも、平和の本や日本国憲法について、読み、聞き、考えないと!

 

※ 講座の冒頭、主催者から「録音・写真・動画の撮影は自由です。SNS等でどんどん拡散してください」ってアナウンスがありました。

 

自作を読む浜田桂子さん『へいわって どんなこと?』(童心社)

 

自作を読む田島征三さん『ぼくの こえが きこえ ますか』(童心社)

 

 

 

 

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