春にお知らせのチラシを松戸のTen-Senギャラリーで手にいれてから、楽しみにしていた講座に参加した。
おもいがけない時勢(愛知トリエンナーレの「表現の不自由展 その後」の少女像の展示に関して、自治体の首長が信じられないような発言する)とも重なったせいか、大きな講義室が満員に。
絵本作家の田島征三さんと浜田桂子さんがトークされた。
『花ばぁば』とは、慰安婦証言をもとに描かれた絵本。
当初は日・中・韓平和絵本シリーズの1冊として出版されるはずであったが
テーマがテーマだけに、出版がとん挫しかける。
作者のクォン・ユンドクさんは、証言者の気持ちに寄り添いながら描いた絵を、日本で出版が出来るように描きなおす。
韓国での出版分でさえ10冊以上の下絵本を描いていらっしゃったのに、さらなる描きなおし。
しかし、絶対に曲げたくない直したくない場面も存在する。それは証言者が一番鮮明に覚えている場面だ。
そこを描かなかったら、何のために描いたのか。
その葛藤はすさまじかった事だろうと思う。
浜田さんと田島さんは出版してくれる会社を探して奔走。
勇気ある出版社が見つかり、クラウドファンディングで資金を集めて2018年4月に発行された。
田島征三さんはこうおっしゃった。
「出版されても書店が売ってくれなくては、ないのとおなじ。」
「こわいのは、反応がないこと」
戦争という、最大の人権侵害・環境破壊・生命の尊厳をないがしろにする行為に対する「反対」を、芸術の力で人々に訴えること。
そのことを強調しておられた。
「慰安婦」の問題は「昔」の出来事ではない。
今も、アフリカのコンゴで、中東で、紛争のある所では女性や幼い子ども、社会的弱者が一番に被害を受ける。
紛争していないところでも、程度の差はあれ、女性と子ども、社会的弱者の基本的人権は軽んじられている。
人を人とは思わない、なにか機械の部品みたいに扱う輩が幅をきかしていると感じる。
「戦争は絶対ダメ!」と言っていても、いつの間にかそういう輩にからめとられて「戦争しかない」という風に変えられてしまうかも。
(80年前にもあったことだ)
自分が変えられてしまわないように、何度でも何度でも、平和の本や日本国憲法について、読み、聞き、考えないと!
※ 講座の冒頭、主催者から「録音・写真・動画の撮影は自由です。SNS等でどんどん拡散してください」ってアナウンスがありました。
自作を読む浜田桂子さん『へいわって どんなこと?』(童心社)
自作を読む田島征三さん『ぼくの こえが きこえ ますか』(童心社)