ら く が き ち ょ う

えほんや なずな店主いちみちゃん が
心にうかぶ よしなしごとを 描き散らす since 2005

年を重ねた女性の活躍が小気味よいお話

2022年01月17日 | すきなもの

店内で開催する、今年最初のおはなしかいで、店主いちみちゃんは紙芝居『やまんばのにしき』(松谷みよ子/松成真理子/童心社)を上演しました。

このお話は、秋のお月見の頃のお話なんですけれども、おもちつきの場面や熊の雑煮というお料理も登場するので、松の内に演じてもいいかな~と、選びました。

*****あらすじ*****

むかしむかし、ちょうふく山のふもとの村では、村人総出でお月見をしてました。すると、一転にわかにかきくもり、不穏な足音がちかづくと恐ろしい声が響きます。

「ちょうふく山のやまんばが、子ども産んだで、餅ついてこう。持って来ねば、人馬ともに食い殺すど~」

そこで、村人は早速餅をついて、若者二人にしぶしぶ運ばせます。道案内に志願したのは あかざばんば というおばあさん。

けれど、若者二人は道半ばでおじけづき、重いお餅をおいて村へ逃げ帰ります。

しかたなしに、あかざばんば はひとり、やまんばの家へ急ぎます。

やまんばの家へつくと、戸口のところで赤ん坊が遊んでいて、やまんばは横になって休んでいました。

この赤ん坊が、昨夜生まれたばかりの。その名も「がら」。

生まれてすぐに、やまんばの言いつけで村へ行って「餅ついてこう」と知らせたのです。

やまんばは、「がら」に山の途中の餅の包みと、それから熊も捕まえ来るように言って、熊の雑煮をこしらえて、あかざばんば にもふるまいます。

すぐに村へかえろうとする あかざばんば を、やまんばは「子どもを産んだばかりでからだがきつい、しばらく手伝ってくろ」とひきとめるのでした。

その後、あかざばんばの活躍で、村には「尽きぬ錦」と、やまんばの庇護がもたらされます。
*****ここまで*****

 

年を重ね、度胸のある頼りがいのある あかざばんば の言動が小気味よく。また、赤ん坊を産んだ後のやまんばの様子も慈愛があふれていて、演じていてとても気持ちのいい紙芝居です。

やまんばであっても、産後には、滋養のある食べ物と、誰かのサポートが必要。

頼れるあかざばんばが来てくれて、本当に良かったこと。

見かけや行動が特異に感じても、助けを必要とする人を無碍にしない心意気も、そこには感じられます。

「昔ばなし」をもっともっと、子どもにも大人にも楽しんでもらいたいわ。

 

さて、いちみちゃんは、いらぬ「深読み」をするのも好き。

やまんばのパートナー、「がら」のお父さんは、どうしたんだろか?

(もしや、処女懐胎……? いや、どこか遠いところで遠距離結婚とか?)

よそのご家庭の事情を詮索するのもなんですわね(反省)

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