あるアイドルグループの一人に対して起きた暴行事件で、そのアイドルグループの社長が「不起訴になったから事件ではない」といったとか。
よく耳にする不起訴処分ですが、これを決定するのは検事です。
検事が調書などを読み、加害者、被害者から事情を聞いて担当した検事が決定します。ある事件を担当した検事の決定には上司も口を挟むことができません。検事という職務が独任制官庁と言われる所以であり、秋霜烈日という言葉に象徴される責任の重さです。
〜秋霜烈日〜(wikipediaより引用)
秋の冷たい霜や夏の激しい日差しのような気候の厳しさの意味から刑罰・権威などが極めてきびしく、また厳かであるこのたとえが、検事の職務とその理想像をよく表しており、刑罰の厳しさのたとえとしても使われる。
不起訴処分には種類があります。
罪とならず:犯罪の構成要件を満たしていない場合です。単なる夫婦喧嘩とか緊急避難とかです。
嫌疑なし:犯罪はあったけれど、容疑者に犯罪の事実がなかったことを意味します。完全な無罪です。
嫌疑不十分:容疑者がその犯罪を犯したと信ずるに十分な証拠や証言が得られなかった場合です。いわゆるグレーという状態です。
告訴取り下げ:親告罪で被害者が和解で告訴を取り下げた場合などです。犯罪があった事実は警察や検察の記録に残ります。
起訴猶予:起訴して公判を維持するための証拠や証言が十分にあっても、容疑者が社会的制裁を受けている、親族などの周囲の人が容疑者を更生させることを約束し、それが可能である場合などです。
これは無罪ではありません。容疑者が再び犯罪を犯せば起訴される可能性は十分にあります。
不起訴=無罪ではありません。