goo blog サービス終了のお知らせ 

氷流日記

氷(筆者)と流さんの奇妙な徒然記

円空彫り Vol.3

2015-01-27 06:35:11 | 氷流日記
円空彫り Vol.2 からの続き




想いは立派だが、手元は怪しい。
わからないながらも黙々と彫っていく。
少しずつ形になっていく。








ここで円空について簡単に申し上げると
江戸時代、12万体の仏像を彫ることを祈願し、
主に東海地方から東日本にかけて行脚し、民のよりどころとなる仏を彫り続けた。
津軽海峡を渡り、北海道の洞窟でも仏像を彫った。
北海道での生活ではアイヌの人々の信仰心にふれ、影響を受けたようである。
その影響からだんだんと現代アートのような仏像が生まれてくる。
そもそも仏像を彫りだすきっかけを作り出したのは
円空の母親が洪水によって命を失ったからだという。
19才のときである。
そして、64歳のときに即身仏になって
母親がなくなった長良川のほとりに入定する。
民衆のために生き続けたという事実が斬新な仏像とともに
コントラストを強調し、人々を魅了する。









円空仏を見ていると親鸞を思い出す。
歎異抄に書かれている悪人とは心弱き人、民衆と思えてならない。
円空仏を彫りたいと思って、仲間が西成に集まる。
こういう縁は大切にしたい。









ただ円空仏を鑑賞するというものでははかり知れない何かがある。
彫ってみなくては、絶対にわからないものがそこになる。
彫りながら、そんなことを考えていた。





円空彫り Vol.4 へ続く








円空彫り Vol.2

2015-01-25 20:18:34 | 氷流日記
円空彫り Vol.1 からの続き




切断機で切り込みを入れた角材




1月12日の会場は市民交流センターにしなり
工作室があるからである。
他の場所では木屑がでてくるのでやりづらい。
サンダーも使おうと思っているので
大きな音も出る。煙も出る。
ヘビーに部屋を使用するので工作室と名のつく場所があることは
心強い。




サンダー 正式にはディスクグラインダー




みんなに好きな木を選んでもらってノミを渡す
刃物を普段使わない人がほとんどなので恐る恐るで進まない。
そこで一人ひとりに声をかけ、彫り方の見本を見せる。
木を机の上に立てて、人間も立って、
上から真下に突くように彫っていく。
これなら怪我の心配もない。
しかし、立ち仕事に慣れていないせいか継続できない。
仕方なく作者のしたい形に近いものまでノミで彫っていく。
ウェイさんがノミを木槌で叩き、彫っていく。







とりあえず他の人のものを
私もウェイさんも自分の作品ができぬまま時間は過ぎていく。
そんな中で哲学の西川さんがコツコツと仏さんを作り上げていく。





西川さん、すごすぎ
彫刻の才能あるわ~





そうこうしているうちにみんなが集中しだす。
参加者全員木彫ははじめて
無論、私や西川さんも初めてである。
講師もいない、誰も彫ったことがない。
そんな中で企画した私も私であるが、
参加した人もおかしいといえばおかしい。
円空仏を一度彫ってみたいという想いがそうさせた。





円空彫り Vol.3 へ続く





円空彫り Vol.1

2015-01-13 19:59:34 | 氷流日記
1月12日、成人の日。
かねてより念願であった円空彫りに挑戦する!
事前に調べて木を一週間水に漬けておくことを知る。
12月14日にお面を作る楽描の会が西成のアースという喫茶店であったときに、
水に漬けていないもの、水に2日漬けたもの、
水に一週間漬けておいたものを用意し、みんなに試し彫りをしてもらう。
ほとんどの意見が水には漬けたらダメだという考えで
疑心暗鬼。
とはいうものの木彫をした人間は一人もいない。
だから、イメージや固定観念が強い。
「木は乾いとかなあんで!」という意見が多い。
「いやいや、そうやなくて彫るとき力要るでしょ。
特に女の人は力ないから木をやわらかくしとかないと
彫りたくても彫れなくなるから」
と言って試し彫りをしてもらう。
木は柔らかいと認めるもまだ納得いかない。
女性の方にも試し彫りしてもらい、やわらかいほうがいいという意見ももらい、
私預かりで話は進む。





YUさんが作ったお面
このお面を元に12月みんなでお面つくりをした





年明けにホームセンターで木を購入。
リーズナブルでやわらかい木を選ぶ。
素材は松。
その角材を3本購入する。
3本とも角の大きさは違えて買う。
その角材を適当な長さに切断して、首の辺りになるかなというとこらへんに
切込みを入れる。
切り込みは切断機で。
チップソーで煙を出しながら、チョンチョンと削っていく。
女の人がノミで削るのが大変だと見越してのことである。
適当な長さに切った木をポリバケツに入れ、水に漬け込む。
浮いて水に浸からない部分が出来ないように
水を入れたバケツをポリバケツの上から落し蓋のようにのせてやる。
これで用意は出来た。
待つは一週間。
残念ながらポリバケツの画像は取り忘れた。(^^;





アマゾンのお面も見える
ヨネキチさん、めっちゃ自己愛強い!






天才メルちゃんの作品
やたら肉のチラシを貼っている






円空彫り Vol.2 へ続く






センタ- 140915 Vol.5

2014-10-17 07:12:59 | 氷流日記
センタ- 140915 Vol.4 からの続き




朝、9時半にセンターに着く。
2階に上り、ロケハンをする。
ブラブラブラブラ。
人がたくさんいて、いいなと思う場所にはダンボールをひいて寝ている。
邪魔をしてはと遠慮する。
うろうろしているうちにギャンさんとYUさんが合流した。
迷っても仕方ないのでとりあえず誰もいない消火器の前にイーゼルを立てた。









時折、声をかけてくれるおっちゃんたち。
滑り出しは上々か。
その日は3人でわいわいがやがやにぎやかに絵を描いた。


その絵の続きで9月15日に一人で絵を描きに行く。
そのときの雰囲気はまったく違った。
独特の緊張感が伝わってくる。
みんな同じことをしているのに一人だけ絵を描きに来ている。







とりあえず描けるところまでは描くことに。
誰も話しかけてこない。
外で描くときにはないことである。
絵に集中できることなく終了する。
なんだろうこの感じ。とりあえずまた描きに来ることだけは決定している。






センタ- 140915 Vol.4

2014-10-16 07:04:05 | 氷流日記
センタ- 140915 Vol.3 からの続き




グルグルまわる監視カメラから阪堺電車の高架下に向う。
通称、しょんべんガード。
そこらへんのガードは3重になっている。







まず、一つ目は初めからあったガード。
フタバガードって書いているフェンス。
二つ目は暴動があって、その対策ために出来たフェンス。
今では暴動なんて起きる元気が街全体にない。
高齢化が進んでいることが大きな原因。
最後に三つ目のフェンス。
工事現場などに立てられている黄色と黒の縞模様。
二つ目のフェンスを立てた後にそのフェンスを使ってテントや小屋を建て始めたから
三つ目のフェンスが登場することになる。
その話を聞き、やっぱりみんなしぶといなと感心してしまった。
そういう強さがこの街の強さかなと思う。
この強さが日本全体にあれば、外国との交渉も押されずに有利にできるのではないかと感じる。
このしょんべんガードを抜けて信号を渡ったところへんで
高校時代の友人と会う約束があったので阿修羅さんに挨拶して別れることにした。
そのときにちょっと聞いてみた。
「阿修羅さん。センターで絵を描いていたら問題ありますか?
大丈夫ですか?」
「そりゃあ大丈夫ですよ。
みんな寄ってくるかもしれないけど、問題ないですよ。
センターもいずれなくなるし、いいんじゃないですか。」
そう後押しされてセンターで絵を描くことを心に決める。
心に決めたが、すぐに行動には移しにくい。
やったことないことをすることは度胸のいることである。
8月の最終の日曜日、8月30日に最初に描くことを決める。
決めた後、そのことをギャンさんとYUさんに話すとでは私たちも描こうということになった。
心細かったのでちょっとホッとする。




センタ- 140915 Vol.5 へ続く