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氷流日記

氷(筆者)と流さんの奇妙な徒然記

詩の学校 3月 Vol.6

2014-03-21 07:16:04 | デッサン・クロッキー・詩・音楽
詩の学校 3月 Vol.5 からの続き



「生きること」

先行逃げ切りの馬のピンバッチを持っている。
その名はミホノブルボン。
皐月賞、ダービーと二冠を勝ち取り、
残るは菊花賞。三冠は目前だった。
その栄冠は関東からの刺客によってさらわれる。
その後、引退。
ピンバッチの持ち主はその馬のことを彼と言った。
その彼とともに競馬を卒業し、大学院で矢内原忠雄の研究に力を入れる。
強い強い理念によって、その職を追われても通したその理念に憧れた。
ピンバッチの持ち主は同じような境遇に心を魅せられる。
圧倒的な力をみせながら、最後は隠れるように去っていく。
何も悪いことをしていないのに。
英雄は英雄のままで死んだほうがいいと言う人もいるが、
最後につまづいた人たちに、
そしてそのピンバッチに、
生き様を観ている。



かれアマゾンさんにそういうものを感じ、
それをそのまま詩にしてみた。







PS 
カメラが壊れ、写真を撮ることが出来なくなった。
10年ともに歩んできたので、ちょっと寂しく、
かなり懐は痛い (^^;

今日は楽描の会の1回目。
張り切ってやりたいと思います!!!!!!!!!!!!!




詩の学校 3月 Vol.5

2014-03-20 05:43:04 | デッサン・クロッキー・詩・音楽
詩の学校 3月 Vol.4 からの続き



アマゾンさんの最初のあこがれはオグリキャップだった。
そのオグリキャップを好きになったきっかけは彼の父親であった。
89年の秋、彼は財布を盗まれる。
金がなくなり、困っていたので父親に相談した。
「それやったら鉄板レースがある。
絶対に勝てる。
そのレースにお金をかけたらなくなったお金なんてすぐ戻ってくる。」
その馬はマイルチャンピオンシップのオグリキャップだった。
いくら鉄板レースだと言われても負けることもある。
今の状況はつらいが、なけなしのお金がなくなるともっとつらい。
いろいろ悩んだ結果、父の言葉を信じることにした。
結果は単勝で買って、盗まれたお金以上のものが帰ってきた。
それから彼は大学の授業そっちのけで馬券売り場に通うことになる。
オグリキャップ引退後はミホノブルボンに肩入れする。
そういう彼の様子を知ってか知らずか、大学のゼミの先生が矢内原忠雄を調べてみたらと紹介する。
矢内原忠雄は四国の愛媛で医者の息子として生れる。
父親の影響もあってか東大に入学する。
卒業後は住友に入社し、別子銅山に赴任する。
そして結婚。
結婚するもつかの間、24歳の若さで妻は世を去る。
結婚生活が6年だから妻が18歳のときに結婚したことになる。
そのときには会社を退社しており、東大の助教授になっている。
辞めたのはキリスト教に入信し、その思想に従ったためである。
その後の矢内原は東大総長まで勤めることになる。
総長になるまではいいが、その厳格な思想ゆえ晩節は寂しい境遇になる。
アマゾンさんはその矢内原にも心惹かれ、その結果大学院まで進むことになる。







彼自身はキリスト教徒ではない。
キリスト教徒ではないがキリスト教徒は何か、
なぜ矢内原はそこまで原理主義に徹することが出来たのか。
そこに興味があって、釜ヶ崎に来たきっかけは
釜ヶ崎の中にあるふるさとの家という協会のミサに参加したことがきっかけである。
そういう彼の話を聞きながら詩の構想を練っていった。




詩の学校 3月 Vol.6 へ続く






詩の学校 3月 Vol.4

2014-03-19 07:16:07 | デッサン・クロッキー・詩・音楽
詩の学校 3月 Vol.3 からの続き




なぜ、目薬を持っていたか。
ここ数日、プラスチックを切断機で切断している。
私の仕事はプラスチックを作る仕事。
大阪弁で言うとプラッチック屋。
出来たプラスチックの製品を適当な長さに切断する。
1m40cmの長さの製品を12cm5mmの長さに切っていく。
1本で10本の切断が出来る。
両端の切りシロと切断の刃が3ミリくらいの厚みがあるので
その分を考慮すると10cm以上の余裕が必要である。
その1m40cmの製品を10本まとめて一緒に切る。
製品の肉厚は2ミリ以上あるので出てくるごみ、
切子の量は大変なものになる。
一日、切断すれば家庭用のごみ袋3杯分の量は軽く出てくる。
頭には帽子をかぶって、マスクをし、
首と作業着の間にはタオルを巻く。
そしてメガネをかける。
完全防備で粉まみれで切断をする。
完全防備をしているが、目に切子が入ったり、服の中に切子が入ったりする。
切子は細かく、そしてノコ刃で切断しているので鋭利である。
それが目の中に入るとゴロゴロして痛い。
そのたびごとに目薬をして目を洗い流す。
特に今は消費税前の駆け込み需要でとても忙しい。
切断などを専門にしている加工屋さんも忙しく、ダウン寸前である。









我々の仕事は機械がする部分もあるのであるが、
基本、人海戦術で仕事をしている。
何かの工夫で驚くべき仕事をこなすとか、機械を導入して生産性をあげることはやりにくい。
みんなが嫌がるような仕事をかき集めて仕事をしているので、
薄利多売。人海戦術以外手はないような状況である。
切断などの加工仕事は加工屋さんにお願いしたりしているけれども、
自分たちがしているプラスチックの成形の仕事を外注するだけの仕事量はない。
だから、仕事を請け負う先としては一番底辺と言えば底辺になる。
それでも工場には屋根があるし、クーラーはないが、ストーブはある。
だから、土方の仕事に比べれば有難いと思っている。
ただし、機械がどんどん製品を作っていくのでじっとしている暇はないけれども。
住めば都と言うが、慣れればそれが普通になり、
あまり疑問に感じなくなってしまった。
そういうことをアマゾンさんにお話した。
そして詩を作ってもらった。
とてもいい詩であったが、手元にはその詩がないのでここで紹介することが出来ない。
今度は私がインタビューする番である。





詩の学校 3月 Vol.5 へ続く





詩の学校 3月 Vol.3

2014-03-13 06:55:55 | デッサン・クロッキー・詩・音楽
詩の学校 3月 Vol.2 からの続き




この絵本が言いたいのは自分のアイデンティティーは
自分で決めるのではなくて、他者との比較や他者と共有するものである。
自分と他者との違いを鮮明にするのではなくて、
他者と関係する社会性というか間柄をどうのように距離感を保つかによる。
人間は決して一人では生きてゆけないからである。
ここですごいのは彼女がこの本を引き当てたことである。
すごい引きである。
彼女持ってるなと関心した。
絵本を読み終わると彼女の硬直した表情が少し緩んでいる。
良かった。
いい出会いにこちらも心和む。





油彩 20分×4 F10




今度はみんなで詩を作る番になる。
私と組むのはアマゾンさん。
以前、仮面ライダーアマゾンのキーホルダーを持っていて、
その詩を書いてもらった人。
今日のお題も持ち物詩。
アマゾンさんは馬のピンバッチを取り出す。
私もキーホルダーを取り出して、これ知ってると聞いてみる。
それはジョジョの奇妙な冒険のスタープラチナのキーホルダー。
同じジョジョ好きな人からもらったキーホルダー。
このキーホルダーを取り出して話をしてもピンとこない。
ん~これじゃ詩になりそうにないな。
それではということでポケットを探ると目薬が出て来た。
「アマゾンさん。目薬でどうですか?」
では目薬でお願いしますということで決まった。
アマゾンさんから目薬のインタビューを受ける。



詩の学校 3月 Vol.4 へ続く







詩の学校 3月 Vol.2

2014-03-12 05:15:22 | デッサン・クロッキー・詩・音楽
詩の学校 3月 Vol.1 からの続き



まどさんが解説したぞうさんの歌詞の意味を知ると深い。


ぞうの子は、
鼻が長いねと悪口を言われた時に、

しょげたり腹を立てたりする代わりに、
一番好きな母さんも長いのよと、
誇りを持って答えた。

それは、

ぞうがぞうとして生かされていることが、
すばらしいと思っているからです。

だからこの歌は、

ぞうに生まれてうれしいぞうの歌、
と思われがちですが、


わたしが思いをこめたのは、

目の色が違うから、

肌の色が違うから、

すばらしい。

違うから、仲良くしようということです。



なるほど。童謡や絵本は深い深い意味が隠されていると言うが、
本当に深く考えられている。
それに比べ私はなんて浅いのか。
私がいろいろ考えていることはまどさんに比べれば、
浅瀬でパシャパシャしているようなものである。
假奈代さん曰く、
「谷川俊太郎に言わせるとまどさんは
子供に受けることを考えていない。」
子供の心になりきるということだろうか。




水彩 各5分 半切



假奈代さんに続き、みんなも近況報告をしていく。
ある女性の番になる。
なにやら深刻そうな顔。
「自分というものを辞めようかどうしようか悩んでいる」
さすが芸術家と言うわけにはいかないような様子。
みんないろいろ話すが、いっこうに効果がないようである。
なにかもやもやしたような感じで詩の朗読に入る。
あらかじめみんなに渡された詩を朗読するのではなく、
假奈代さんが一緒に連れてきた娘の絵本を読もうということになった。
題名は”わたし”


  おとこのこからみると おんなのこ
 あかちゃんからみると おねえちゃん
 おにいちゃんからみると いもうと
 おかあさんからみると むすめのみちこ
 おとうさんからみても むすめのみちこ


とみんなで順番に読んでいく。



詩の学校 3月 Vol.3 へ続く