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氷流日記

氷(筆者)と流さんの奇妙な徒然記

掘る男

2015-05-04 10:13:50 | 氷流日記
掘る男    本宮氷



空を飛び、街々を訪れるやつらは天才だ
光の速さで切り替わる
高い山を目指すやつらはフェチ野郎だ
雲を突き抜けテッペンがわからない山を登るものは特にだ
たいていの普通の人間は空も飛べず、
そこそこの山を見つけては登り始め、
たどりつけずに死んでいく
山には茨があり、猛獣も出てくる
命を落とすことだってあるある
だが、そこに答えがあるだろうって
とりあえず登るんだ
登ることが嫌いな怠け者は
川原で石をごろごろと探す
真実の石はどれか
ほとんどの石は石で宝石ではない
ないのかもしれない
怠け者故の行動である
ときどきその連中でおかしなやつらがいる
川原で穴を掘り出すやつら
こういうやつらは変態だ
天才は理解不能だし、フェチはどっかのこだわりが強い
変態はというと
シュチュエーションに萌えたりする
私もその一人だ
穴を掘り出し、どんどん進む
周りは誰もいない
なぜ掘るのかはみんな知っている
誰も理解してくれないが
どんどん掘り出すと最終的にたどりつけるところがある
中が空洞になっているのだ
そして、落ちてゆく
落ちた先は山のテッペン
それも雲を突き抜けて高くそびえ立つ山の頂上
茨の道を突き進み、傷だらけになって、
他との競争で打ち勝ったものの横に落ちてゆく
私はそのものの顔を知っている
しかし、向こうは私が誰かわからない
多分、上の方で見て顔を知らないのかも知れないし、
知っていたとしても泥だらけの顔を見てもわかるはずもない
爪と指の間に泥が詰まった手で顔をむんずとふき取る
そしてそいつの横で大きく叫ぶのだ
バカヤロー



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