スリップ痕。
わが国では警察検察裁判所が「あった」と言えばあることになるようだ。
だから限りなく怪しく、科学的に合理性を欠くモノでも、裁判官が「あった」と言えばそれまでのようだ。
すくなくとも今まではそうだった。
それが今後どうなるかは弱小市民の声の集まりが大きなウェイトを占めそうだ。
話を戻す。
怪しいスリップ痕が万が一本物であったとしても、この図面はインチキであり、もしこれを手直しするのであれば、衝突時のバスの位置を右に1m書き直す必要がある。
そうして書き直した図面は、警察が現場で作ったように主張している検証図に似ることとなる。
やはり事件は現場でおきているのだ。研究者が象牙の塔で脳内にイメージした解析図(衝突時と最終停止位置のバスの左右のずれが全く無い、側面ツライチのモノ)とは違う。
しかし警察の図でもまだずれが足りない。そのなかの見やすいb(左)のスリップ痕を辿れば(⑤を不動と仮定)、④を70cmほど右に動かさないと辻褄が合わない。
っていうか、それでも疑問は残る。
例えば携帯電話を机の上に置いて、バスに見立てて、右上角を指で左に押してほしい。
するとどうか。バスは進路を左に傾けはしないか?
指で押したときが衝突時だ。
このときに片岡さんは驚いて、0.6秒後にブレーキを踏んだことにされてる。
0.6秒後からスリップ痕開始、1mほど前輪だけのスリップ痕を付け、最終位置で停止した、とされている。
スリップ痕は右にハンドルを切らない限りは生じないであろう「し」の字だ。
0・6秒後にやっと急ブレーキを踏んだ人が、ハンドルだけはその前にまるで最終停止時点のバスの進行角度が当初の角度と一致するように操作できたということなのか?
どう考えても無理っぽいし、無意味だし、不自然だ。