ひゃっかんのひとりごと

日常生活の中で感じた事を、防備録の代わりに徒然に。

スーパーウーファーの不思議

2006-07-14 | 音楽
 ここの所大分体調が戻りつつあるので、少し音楽の話を書こうと思う。
 世の中のオーディオ装置の中には、スーパーウーファーなる低音のみだけのためのスピーカーが存在する。私は事アコースティックな楽器に関してだが、あれを使うと非常に違和感を感じるのである。低音のスピードが速すぎるのだ。
 私はファゴットという低音楽器をずっとやってきて、経験上他の楽器よりも勇気を持って「かなり早め」に出ないと遅れて聞こえてしまうので、最低音に近ければ近いほど0.数秒早めに音を出している(いた)。恐らく会場ではこれで全員のアインザッツが合って聞こえるはずなのだが、エレキ楽器(もはや死語か)全盛の現在となっては、特に早く出る必要もないだろうし、スーパーウーファーを使ってスピードが速いのは良しとするが、オーケストラや室内楽などのアコースティックな楽器をスーパーウーハーで聴くともの凄く違和感を感じるのである。
 話は逸れるが、敢えて名前は出さないが、とある録音業者がかつて私の所属していたオーケストラを収録に来た時に、低音楽器の前にわざわざバウンダリマイクと呼ばれる、スタンドを必要とせずに床に置くタイプのマイクを置いて収録していた。
 その録音業者は恐らく他のオケの収録でもそうしているのだろうが、普通に聴いたらアインザッツは低音が早めに出て聞こえるはずなのに、気付かないのだろうか?
 同じ録音業を仕事とする物としては、マルチマイクの方がイコライザなどをいじらずに素直な録音が出来るので、楽だと言えば楽なのだが、アインザッツに至っては若干のディレイ(遅延装置)を使用しないと実演とは異なった物になってしまう。まぁ普通はイコライザは使ってもディレイは使わないけど。
 トーンマイスター制度のない日本の録音の実態なんてそんなもんだと思う。どんどん原音再生から遠ざかっていくような気がする。

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