タックンとリックンは昨日から泊まり、娘とユッチャンは今朝来て、孫三人は水泳教室に行った。私はというとドジャースの優勝パレードと、なかなか本務に精が出ない。歌集を読む。歩数は1,175だった。
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『一本亭追福狂歌集』
此小冊とりつきて折から先師の消息取出しみれは其端々にかい付て給ひける歌の有けるをかたみとおもひひとつふたつひろひて歌にし るし置ぬ 守由述
初春に酒をたうへて
一本亭芙蓉花
いさのまん一盃一盃また一はいあはせてみつの春の朝酒
早薊折に行て
いと手をも握るとみるは若きうちたけてはこはき鬼薊哉」(四オ)
春雨のふりつつく頃よめる
よいほとにさつと養へ花の父母あま過るとや人のいふらん
涅槃会の日像に雨のふりて途中にて女中の多く難儀するをみて
女中衆なこなら今しやねはん会の雨にはれきの裡をぬらして
よし野の花みにまかりて
桜花またさくら花さくら花さらてもよしののさくら花かな
玉津島へ詣てける折から一そたれたはふれて
ちとはなにかけてよまふか和歌の浦のさらは眼鏡の玉津島山」(四ウ)
同しかへさに或方へ訪ひけるに北のかたなる山は紀州泉州の境なるよし此閑居によせてよみねとあれは
御閑居は都の辰已にあらされはきせんの山を北にみ給ふ
浄土寺の藤の花見にまかりて
実ゑんりゑと紫のふちの花詠めはこんく浄土寺の庭
かきつはたをよめる
かきつはた似たりやにたり筆に似た花をあやめとは一番の物
竹田街道を過る折うしの車を引けるをみて」(五オ)
からくりの竹田かい道来てきてみれは牛か車をひとり引行
卯月に苗代時といへるをおもひて
此頃のあつやさむやをない交てなはしろ時と人やいふらん
みしか夜をよめる
粽まく折からなれは難波江の芦のかりねのよのみしかさよ
暑さに堪かね水をたうへて
夏の日は愚なる身も智し達もあつさに水を好み社すれ
*「智し」(智士=ちし)=「知恵、知謀のある人、思慮の深い人。」(日本国語大辞典)
風早三位卿の柿本の神影の画讃ありけるを拝して
嶋がくれ行船おしと風早のさんみにとふも遊されけり」(五ウ)