兎月庵日記

五句三十一音詩は名称を変えつつ時代の波をくぐり抜けてきた。衰退と復活、上記視点から五七五七七の未来図を航行しています。

11月9日(土)

2024-11-09 09:39:42 | 日記

円の会の注目作三名分を投稿かる。雑誌等を整理する。あとはナマケモノ、妻は神戸に演劇を見に行って22時半帰宅だった(らしい)。歩数は1,937歩だった。

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『一本亭追福狂歌集』

思出す鉦のしゆもくの一本亭歌念佛と成しはかなさ
                        西峯綴五
東にとおもひしぬしのこはいかに西へよと聞て方角そなき
                        石井呉橋
竿竹の一本亭はうせ給ひ涙の経をほすひまもなし
                        三馬花柳
今更に歎くもくたの一本亭繰返しつゝいとゝかなしき
 *「くた(くだ)」=「《「くだくだしい」の略》くどいこと。煩わしいこと。また、そのさま」(デジタル大辞泉)
                        廣瀬一東
なき人の玉のことのは忍はるゝ百萬遍の数珠をくるにも
                       七五三魯谷」(十一オ)
紫の雲井にそれし一もとや世をはやふさの鷹にあらねと
                         大田亀洲
難波津に名にし水尾木の一本亭隠れておしき言のはの海
 *「水尾木」=「みをぎ(澪木・水脈木)」ともあり、日本国語大辞典で引くと「澪標」とあるので、さらに引くと「(後世は「みおづくしとも。「澪の串」の意」)通行かる船に水脈や水深を知らせるために目印として立てる杭。水深の浅い河口港にに設けるもの。古来、難波のみおつくしが有名」とあった。
                         藤岡東魚
南無阿弥歌の親玉世をさりて百万遍程いふてもかへらす
                         三木一朝
磨れし玉のことのは今はまたむく世界にやいとゝ光らん
                         沙門玉瑞
思はすよ妙法花経の八本を一ほん亭に手向へしとは
 *法華経といえば鳩摩羅什訳の八巻をいう。
                         中山鈴鹿」(十一ウ)