朝日新聞の第1面に大岡信氏の「折々のうた」というコラムが連載されている。古くは万葉集から近くは平成14年刊行の句集にいたるまで、広範囲に短歌、俳句、川柳などを毎日一首(句)拾い上げて二百字程度の解説や論評を加えているのだが、その選択が多種多様、硬軟とりまぜて筆者の博識と薀蓄を披瀝しているのだ。
私も毎朝の習慣で目を通しているけれど、時には「うーん」時には「ふうん」、そして時には「「へぇ」てな感じである。別に切り抜きするでなし、メモとるわけでもないので、たいていは片っ端から忘れてしまう。健忘は老人の特権だから。
そんな中で我が身につまされて記憶に残ってる歌がある。申し訳けないが作者の名はおぼえてないし、細部はおぼろげで不正確なのだがまあこんなふうだった。
年寄は体が痒くなるという 話を聞けば痒くてならぬ
前置きが長くなったが、わざわざ出て来た娘の車で今日も皮膚科の医院へ行って来た。
昨年末頃から湿疹のようなのができて「痒くてならぬ」ので診察受けて塗り薬と飲み薬を貰っているのだが、一向に治らない。お医者さま曰く「暖房器具をしまうまでは続くでしょう」
年寄は困ったもんだ。