七十五歳の誕生日

思えばよくぞ今日まで生きながらえてきたものだ。
幾たびか生死の危機にも遭遇したし、多くの肉親知人などが次々とさきに逝ってしまった中で、ヨボヨボながらこうしてＰＣのキーボード叩いている身を想う。

戦時終盤の旧制中学時代、半ば強制的に受験させられた軍関係の学校は身体検査で不合格、動員に駆り出された航空工廠では大空襲を受け、危機一髪の命拾い、進学した旧制高校の動員先が何と長崎市、数日のずれで原爆には遭わずに済んだ。
空襲でも原爆でも多くの同輩や先輩が犠牲となったのにだ。

その後、肺結核、胃三分の二切除、胆石胆嚢摘出、ほかに虫垂炎、中耳炎、痔瘻などの手術跡も加えると父母に受けた身体髪膚を敢えて毀傷する親不孝の見本みたいな有様なのである。
おまけに二十年前に仮面欝病（自律神経失調と抑鬱自殺志向）につかまって、今なおその尻尾をひきずっている。坐骨神経痛やらなにやら老後のおまけもついて。

昨日の昼間、娘が孫二人（８歳と６歳のヤンチャ坊主）を連れてきて、ささやかな
パーティーをしてくれたが、家内の手術後の経過も順調で、まあめでたいこととせねばなるまい。

今後、いつまで足腰と脳ミソがしっかりしているかが問題なのだが。