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アルファードのアライメント調整

2009-10-08 | アライメント関係
っていってもまさかアルファードに乗り換えたとかじゃなくて、友人に依頼されて測定と調整をしてみましたっていう話です。

先代アルファードに車高調を取り付け、数センチ車高を下げた状態のクルマ。
高すぎず低すぎず、見た目にはなかなか良い感じなのですが、ステアリングのセンターは傾き、ハンドリングにも少々違和感があるとオーナー。さあ、DIYアライメントで改善できるでしょうか。

早速いつもどおりブロックを用意してレベルを調整して、クルマを載せます。
ゲージをつけたら早速測定。アルファードは純正ではフロントのトーのみ調整できます。
今回のクルマはRSRの車高調がついており、フロントはアッパーマウント部でキャンバの調整ができるようになっていますが、測ってみると値は-1°強で左右差もほとんど無いようなので今回は調整しないことにしました。というのも、この車高調、さらにキャンバを強める方向にしか調整代がないので…。

と、いうことで次にトーを測定します。
ここで実はちょっと困ったな、と思いました。ちょっとトーインが大きいですが、それほど極端な値ではないのです。
たしかに少々左右差があるのでハンドルが傾くのは納得できるのですが…。
といいつつ、このクルマでこの数ミリのトーインがどの程度影響するか?というのは未知数なので、とやかく言えることではないのですが。
そうそう、車高を数センチ下げてトーイン強めということは、この車もバンプトーインの特性を持っていることになります。以前ミラのバンプステアについてちょろっと書きましたが、最近の車ってこうなんでしょうか?室内重視レイアウト優先の弊害?
一番下にタイロッドあたりの写真を貼りましたが、タイロッドエンドがクランク状にまがって前進した形をしています。レイアウト上、ラックが後ろに追いやられている感じでしょうか。

ともあれ、これまでの少ない経験を踏まえ、左右1mm弱のトーインを狙ってみました。とはいえ、このときの調整量は左右とも1mm以下です。
この程度で、違いはきちんと体感できるでしょうか。



ところで今回、新しい試みとしてフロントタイヤの下にはポリ袋を敷いています。
これは操舵時の抵抗をなくすための工夫です。というのも、以前トー調整で失敗した事があって、その改善策なのです。結果としては、まあまあ良好です。
トー調整をする際、ハンドルをまっすぐにして左右のトーを測定・調整するわけですが、タイヤを設地させた状態でタイロッドを調整するとタイヤが抵抗となって、ハンドルを回そうとします。ここで助手に乗ってもらってハンドルを固定していると、一見しっかりセンター出しもできたように見えて、その実タイヤやステアリング系のブシュがたわむことでいくらか変位を吸収してしまって、キチンと測定・調整ができないのです(たぶん)。

ステアリングのセンターは操舵機構そのものからいえばあまり意味を持たないように思いますが、傾いていると非常に不快です。
最終的な調整時にはオーナーに乗車してもらい、エンジンをかけ、パワステを効かせた状態で何度か左右に切ってはセンターに戻して確認してもらいました。

その甲斐あって、試走ではセンターもばっちり、ハンドリングの違和感もなくなったようです。オーナーいわく「全然ちがう。乗り心地が良くなった!」とのうれしいお言葉。よかった!
トー調整で乗り心地?と思う方もいるかもしれません。トーの狂いによって車両が安定せず、修正舵を無意識にせわしなくあてているとフラフラして、結果乗り心地が悪いと感じるのかなあなんて思っています。

考えてみると車高調仕様のミニバンってあまり乗ったことなかったので、もっと固いのを想像していたのすが、少なくとも自分にとっては異音や変な振動もなく、とても快適でした。しかしオーナーが言うにはトー調整する前、車高を下げたことで同乗者からも「乗り心地が悪くなった」と言われたことがあるといいます。
自分自身ビフォーアフターで乗り比べていないのでわかりませんが、その同乗者を再度乗せてみてほしいものです。
ほんの1mm、たかがトー調整。甘く見ちゃいけませんね。奥が深いです。
「フロントトーしか調整できない車はアライメントなんて意味ない」
なんて意見を見かけたことがあるのですが、私はそうは思いませんよ!



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