HRDworld

 

自作アライメントゲージ

2009-01-26 | アライメント関係
※自作アライメントゲージについて、こちらにもう少し詳しく書きましたので、よろしければご覧ください。このページの説明はわかりにくいと思います(笑)



トーやキャンバといったホイールアライメントの調整。
専門の業者に頼めば高度なアライメントテスターで測定、調整してくれますが結構なお値段となります。

しかしアライメントってやつは、操縦性に大きく寄与する要素ですので、何かベストで普遍的な値があるわけではなく、一発決めてハイおしまいではなくて、どこを変えたらどうなった、とか、この現象はどういう理由で生じているのか?なんてことを実際に感じながらセッティングを楽しみたいというのがほんとのクルマ好きってもんです(←?)。
しかもアライメントは、たとえば車高調で車高を調整したりだとか、足回りをバラしたりだとか、はたまたブッシュが経年劣化したりだとかで動いてしまいます。

と、いうことで自前でアライメントが測定できればいいなーと常々思っておりました。ヤフオクに大量に出品されている商品もありまして、実はこれは私自身買って試しましたが「使えないとは言わないが…」というレベルだというのが正直な感想です。モノに対しては値段が高いですが、まあ勉強代だったと思っています。
と、いうわけでこのたび自作するに至りました。

じゃーん。



写真はトー測定の様子です。
前後に張った糸を基準としてそれに対する角度をトー角としてスケールで読み取ります。左右独立に測定できますのでステアリングのセンターずれなども解消できます。

そしてゲージを縦にしておもりをつけた短い糸を垂らせばキャンバゲージに早変わりです。



糸が示すのは鉛直方向ですので、傾斜地ではクルマが傾いてキャンバ値が測れません。写真でタイヤの下にベニヤ板が見えますが、地面の傾斜を補整するためのものです。

正直言いまして、これの設計に関してはイケヤフォーミュラの製品を大いに参考にしています(といっても写真でしか見たこと無いのですが。実勢価格はこんな感じです)。しかし測定の原理は古典的というか、至ってシンプルなものです。

アライメントの各用語はこちらなどに詳しく書いてありますので書きませんが、トー測定においては基準線をどうするかというのが問題です。
トーの定義からすれば、平面視で車両の中心線と左右のホイールがなす角度ということになりますが、車両の中心線などというものは現実にはどこにあるかわかりません。

一般的なトーゲージではトータルトー(左右のトー角をあわせた値)しか読み取れませんので、たとえばハンドルのセンターが狂っているとか、左右にどれだけ差があるのかということはわからないのです。この左右差というのが重要で、特にリヤのトーに左右差があると車両は傾いた方向に進むことになってしまいます。

HRD方式(というかイケヤ方式)では、ゲージをハブに取り付け、前後ハブ面から一定の距離の点を結ぶことで基準線としています。もちろん前後トレッドの違いがある場合は補整が必要です(細かく言えばキャンバの前後差よってもずれが生じます)。
補正のため三叉のゲージと円板の間にカラーを入れます。ミラの場合リヤトレッドがフロントに対し10mm小さいのでリヤ側に片側各5mmのカラーを入れるという具合です。
この基準線に対しどれだけホイールが傾いているかを長さの単位で読み取り、三角関数で角度に換算するわけです。もちろんmmのまま、タイヤ外径を考慮して換算すれば一般的なmmでの測定にもなります。

ハブはキングピン軸を中心とする回転により移動しますので、トー角があると言うことは基準線の点も動いてしまうのですが、その量による基準線の傾きはごくわずかですので無視しています。



一方キャンバ測定はわかりやすいと思います。
クルマを水平に保てば鉛直方向とホイールのなす角がキャンバということになりますのでゲージの上方からおもりのついた糸を垂らし、キャンバゼロの点からのズレを長さの単位で読み取り、角度に換算します。
クルマを水平に保つため、地面の水平出しが必須となります。
事前に3mmと5mmのベニヤ板を用意して水平器で水平出しをしました。平らに見える地面でも水はけのため結構傾きがつけてありますので最大20mm程度の板を敷きました。

説明の順序が逆になってしまいましたが、測定・調整の順序はキャンバが先です。
これはキャンバを調整によるトーが変化が大きいためです。


ハンドルのセンターズレが気になっていた兄のミラですが、
測ってみるとトーに左右差がありましたので、それを補正したら見事に直りました。トーインが少し大きいように思いましたのでmmでいうと1mm弱まで減らしたのですがこれが結構好フィールなようで、オーナーいわく「メーター振り切るような速度でも安定している」とのこと。ミラバンが結構化けてきました(笑)
このクルマ、じつはフロントのキャンバがなぜかポジティブ気味です。
次はこれに少しネガティブキャンバをつければ快適コーナリングマシンに?!と人の車ながら妄想しています。



もちろん自分のクルマも測定・調整しました。がそのときカメラを忘れて写真がありません…。
Z32は前後マルチリンクですが、ストロークに対するキャンバ変化がかなり大きく設定されているようで、20mm程度ダウンしている状態で2°程度のネガティブキャンバが付いています。各アームは純正ですので調整範囲は広くありませんが、リヤはまあまあ左右差をなくせたと思います。しかしフロントのキャンバ左右差が大きい結果となりました。
測定後もハンドルが少し流れる症状が残っていますので、まずはキャンバ左右差を無くすように頑張ってみたいと思います。純正状態ではフロントキャンバの調整はできないのですが、なんとか純正アームのまま調整してみようとたくらんでいます。

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