小児科耳学問

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診察のヒントと落とし穴

2007年03月01日 | Weblog
小児科外来診察には落とし穴やヒントが隠れています。ありふれた疾患にまぎれて、主訴は同じでも別の疾患がまぎれています。主訴だけから診断を決め付けると誤診につながります。注意して話しを聞くと臨床経過や身体所見や訴えの違いに診断へのヒントを発見できます。そのためにはありふれた病気もたくさん経験して、ありふれた病気の一般的な経過やバリエーションを明確にイメージしておくことが必要です。この疾患のイメージが無ければ比較の仕様がありません。多くの入院症例を経験しサマリーを書き経験を整理しておくことでこの明確なイメージは形成されます。経験したことのない疾患の診断はきわめて難しいのですが、すぐに診断がつかなくてもよいのです。ありふれた疾患と違うということに気付くことが第一歩です。推理小説のように落とし穴に落ちずにヒントに気づき正しい診断にたどりつくことは一般小児科のやりがいだと思います。