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親子でつながる子育て~抱っこ法~

抱っこ法の考え方をもとに、子育て中の親子やハンディを持つ方など、たくさんの方の心の支援を行っています。

障がいのある方の心のケア12 ~身体障がいのある方の支援一例・つづき~

2013年06月14日 | 障がいのある方の心のケア ネットワーク

前回は、身体に障害があるFさんの心のケアに至る経緯を書きました。

今日は、その続きをお話しします。

 

Fさんのセッションは、

入所に対して、予測できる心細い、不安だという気持ちを慰めることと、

Fさんの表現できない心を知っていくという内容でした。

 

その中で、Fさんが、

『自分は生まれてこなかったらよかった』

『お母さんやみんなに迷惑をかける存在』

と、考えて苦しくなっていることがわかりました。

 

身体障がいを持って生まれた方は、

生まれてからずっと、誰かのお手伝いが必要な方が多いです。

特にFさんのように、呼吸することも、食べることも自分ではできない、

また、入所という形で親しい人と離ればなれになってしまう

今までの生い立ちと、現在の状況から、

自分の生まれてきた意味を見つけられず、

自己否定が強くなり、

自分はみんなに迷惑をかける存在で、この世に生まれてはいけないんだと、思ってしまっていたんですね。

また、自己表現にハンディがあり、自己否定が強い方は、

何かつらいことがあっても、

それは自分が生きているための罰だと感じ、

すべてをあきらめて受け入れることが多いです。

 

Fさんには、自己尊重のための心のケアとして、

葉祥明さんの著書、『生まれてくれてありがとう』を朗読しました。

この本は、障がいを持つ子供を持ったお母さんが、

子供に、感謝とたっぷりの愛情を表現した、とても素敵な本です。

 

そして、Fさんが生まれてから今まで受けてきた愛情や、

Fさんが、たくさん人に与えてきた素敵なもの、

そして、こんなに周りに人がたくさんいる。

そしてそのみんなと、たとえ離れても、

心は離れないでつながっていることを確かめて、

 セッションを終了しました。

 

人の人生は、川の流れのように、前に進んでいきます。

そして私たちはその流れに流されたり、逆らったりしながら、どんどん先に進んでいます。

たとえその先が、自分の望んでいない不本意なことだったとしても、

我々はその先に進まなくてはいけないときがあります。

人生の中の、不本意だと感じることを、

自分が生まれた罰だからしょうがないと諦めながら、受け入れることと、

自分は一人ぼっちではなく、誰かと支えあう素敵な存在なんだと感じながら、

人生の中の不本意な流れを受け入れるのとでは、

生きている意味が変わってきます。

 

自己表現にハンディのある方は、前者がとても多いのですが、

心のケアでは、後者の自分を肯定した心を持って人生を進んでいけるように

支援していくものだと思います。

 

障がいを持つ方が、かけがえのない一人の人間として、

尊重できる社会になってほしいと思いました。

 

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