2024年 父の祥月命日

2004年3月4日、74歳の父は脳梗塞で亡くなりました。今年は21回忌です。日本のしきたりや習慣など、無知な私は祥月命日をどうしてあげればいいのか分からないまま、父の好物だった料理を作り、好きなお酒を一緒に飲んで、色んな話をすることにしています。好物と言えば今年も鶏のから揚げ？と思っていたら、この日丁度、親友なみさんから、牡蠣が届きました。

うわっ、お父さん良かったねぇ、牡蠣フライも大好きやったもんねぇ。新鮮な牡蠣、美味しいどころやなかったね。ホント、なみさんありがとうご馳走様でした！

去年の命日の時は、まだ大丈夫やったんやけど、あの後急に左目が見えんごとなったんよ、あたし。なしてかしらんけど、最初はまさかこのままずっと見えんようになるとは思うとらんかったけ、あんまり慌てとらんかった。

最後の出勤を終えてから、色んな病院に行って調べてもろうたけど、結局もう見えるようにはならんて言われた。子供の頃からあんまり物に動じんあたしやけど、さすがにちょっとへこんでしもた。

今日もお父さんのおちょこにお酌しよう思うて、ちゃんと見て慎重にやったのに、テーブルにこぼしてしもたやん？前のあたしやったら、絶対ありえんやん？お父さんが生きとったら「こぼれとるやないか！勿体ない！」ゆうて、こぼれたお酒、テーブルに口つけてから、すすったんやろうね。それね、下品やけやめた方がよかったんよ。あー生きとらんでよかった。また怒られるとこやった。

それでね、ふと思い出したんよ。そう言えば、昔お母さんが、お父さんは片目が殆んど見えとらんって言いよったことを。あたしのお姉ちゃんがお腹におったお母さんにプロレスの技かけてから、そのせいで流産してしもたんやろ？その時お母さんの指がお父さんの目に入って、それから見えんようになったて。

病院に行ったとか行かんとか、詳しいこと聞いたかどうかは覚えとらんけど、確かに片目しか見えとらんって聞いたのを覚えとる。えーーー？マジで？ってそれ思い出したら頭痛うなったっちゃ。お父さんのこと、大好かんかったのに、顔も性格も、おまけに片目しか見えんとこもおんなじて？まぁお父さんは若い頃やったけ、そこはちょっと違うかもしれんけど。そやけどなんもかも似過ぎやろ！

お父さんを好かんて言うっちゅうことは、天に向かって唾を吐いとるようなもん？頼むけもう勘弁してっちゃ。

そう言えばね、この間〇〇（息子）と電話で話した時「お爺ちゃんの命日もう直ぐだね」って言うたんよ。びっくりしたわ。「え？覚えてくれてんの？」って聞いたら「当たり前じゃない。戒名だって覚えてるよ」って、あたしでさえ覚えとらん戒名を、スラスラ言うたんよ。「なんで？お爺ちゃんにそれくらい可愛がって貰ったってこと？」って聞いたらね、「ううん、海に置き去りにされたことしか覚えてない」言うとったわ。海で置き去りの話はこちら

小さい頃からちょっと変わった子やったけね、よう考えたら、あの子らしいんかもしれんって思うた。あたしだけやのうて、毎年あの子もお父さんのこと、家族みんなで思い出してくれとるらしいよ。海に置き去りにされたのにね･･･よかったやん。

今年も父との会話は夜更けまで続いたのでした。
（いや一方的に文句言った、とも言う）笑

お父さんの祥月命日、息子は覚えとるらしいけど
娘は全く覚えとらんと思うよ～。そういう子よ～。笑
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