点取り占い作家になりたい（前半）

占いって、好きですか？好きなひとは、占いのどのへんが好きなのですか？

 

たいがいの胡散臭いものが好きな私ですが、占いの魅力だけは良くわかりません。時には少なからぬお金を払ってまでああいったものを楽しもうとするひとは、かなり心の広い方とお見受けします。

手相見なんかだと、売れてるひとは一回５千円からの見料を取るそうではないですか。それで万一気分の悪くなるようなことを言われちゃ割に合わんなどと考えるのは大間違いで、ひょっとすると、良くても悪くても鑑定内容は私だけの一点物、それがお値打ちと考えるのが正解なのでしょうか。どうもわかりません。

 

そんな占い音痴の私が唯一（少々の）お金を出してもやってみたいと思うのが、「点取り占い」なのです。

これ、少し前に若手の女優がCDの特典用に特製バージョンを作ったとかで、ちょっと話題になったらしいのですが、私の言っているのはもちろん従来版のほうです。

知らないひとのために少し説明しておきますと、点取り占いというのは一種のおみくじのようなものです。それもかなり粗雑な。一行コメントと点数、そして月の満ち欠けみたいなマーク。描いたひとの顔を是非いっぺん拝ませてもらいたくなるイラストつきのものもあります（画像参照）。

 

 

 

 

この点取り占いの存在を知ったのは、確か私が高校生のころでした。

たとえば公民館みたいなところでちょっとした集まりがあるときなんかに、年配のご婦人方が配りたがるタイプのお菓子がありますよね。「海苔巻きおかき」だの「寒天ゼリー」だの、小分けになった「塩豆」や「甘納豆」だの。ふだんあまり聞かない名前の製菓会社が出しているこの手のふくろ菓子を、誰でも一度くらいは近所のスーパー等で見かけたことがあるはずです（ちなみに我が家では、そういったシブめの菓子類を「ババちゃん菓子（がし）」と呼び習わして尊んでおります）。

ある日、家族の誰が買って来たのかもらって来たのか、たまたま家にあったこの種のお菓子のふくろの中に点取り占いがオマケのつもりらしく数枚混じっているのを発見し、十代の私はたちまちその愛すべきクダラなさのとりことなりました。 

（次週につづく）