ツイッターの@May_Romaさんとしてお馴染みの、谷本真由美さんの本。『ノマドと社畜』というのは完全に流行り言葉を組み合わせたタイトルだけど、2013年2月の刊行というのはノマドブームがひと段落したあたりで、ちょっと乗り遅れたんじゃないかなという気もします。
要旨としては、ノマドスタイルの働き方に憧れる若者に対し、プロの厳しさを突き付けて痛烈に釘を刺すというもの。読みやすいんだけど、内容的にはけっこう当たり前のことが羅列されていて、想像の域を出るものではないというのが率直な感想です。
ただ、「世界を渡り歩くノマドたち」といういくつかの個別ケースや、日本の新卒一括採用に対して英米で起こっているインターンの獲得競争事情の紹介など、海外在住の彼女ならではの具体的な情報に関しては興味深いところもありました。
でもやっぱり全体としてはちょっと極端すぎるかな。少なくとも日本で働くうえではノマド的な仕事って職種としてまだまだ少数派だし、世の中で働く大半の人はノマドと社畜の中間的なところに位置しているような気がします(自分も含め)。
あと最近では以前ほど声高にノマドってことが言われなくなった気がするけど、本書でも言われているように、要は「フリーランサー」とか「自営業者」ってことなんですよね。世の中のIT化・ユビキタス化と結びつけて、スタバでMacBook使っているような人たちがノマドの象徴みたいになってたけど、言い方を変えればそれほど新しい話ではないわけで……。