『レイン・フォール~雨の牙~』
公式サイト
レイン・フォール/雨の牙 - goo 映画
東京を舞台にしたサスペンスアクション映画です。
椎名桔平主演の日本映画ですが、
原作は元CIA捜査官のアメリカ人による全米ベストセラー小説、
監督・脚本はオーストラリア人、
と、ちょっと毛色が違います。
見始めて30分ほどは「つまんない・・・」と思ったんですが、
最後まで見ると、意外に見どころがあって、楽しめました。
私だけの、この映画の見どころをお勧めいたしましょう!
鑑賞後には、椎名桔平の舞台挨拶がありました。
マスコミが入っていない回だったので、オフレコ話もあり、面白かったです。
**** あらすじ ****
日系アメリカ人の暗殺者ジョン・レイン(椎名桔平)は依頼を受け、
国土交通省の官僚川村を暗殺する。
だが川村から奪うように言われていたメモリースティックは見つけられなかった。
一方、CIAアジア支局長のホルツァーは
レインを拘束すべく捜査網を展開していたが、
まんまとレインに逃げられてしまう。
レインはメモリースティックを求め川村の次女に会うも、
彼女を何者かに暗殺されてしまい……。
****************
サスペンスなんですが、ストーリーは非常にわかりにくいです。
しかも、中途半端に、椎名桔平と長谷川京子のラブロマンスが入ったりするので、
見心地が悪い。
そこはスルーしてください。
そしたら、けっこう楽しめる映画なんです。
どこの映画紹介にも書かれていないんですが、
この映画の最大の見どころは、東京にある、街頭防犯カメラシステムだと思う。
警視庁HPより
街頭防犯カメラシステム
繁華街の防犯対策として、平成14年か東京の繁華街に設置されました。
設置されるときは、プライバシーの侵害だとか、大きな問題になりましたが、
そう言えば、どんなふうに使われているのか、最近はあまり話題に上りません。
でも、着実に増えております。
○ | 新宿区歌舞伎町地区(平成14年2月27日運用開始) →55台 |
○ | 渋谷区宇田川町地区(平成16年3月22日運用開始) →10台 |
○ | 豊島区池袋地区(平成16年3月24日運用開始) →35台 |
○ | 台東区上野2丁目地区(平成18年2月15日運用開始)→15台 |
○ | 港区六本木地区(平成19年3月20日運用開始) →35台 |
この映画では、アメリカCIAが、そのカメラシステムを使用し、
暗殺者ジョン・レイン(椎名桔平)を追っていきます。
でも、このカメラ、設置場所が多すぎて、写っている姿を探すのが大変なの!
見つけた時には、すでにそこにはいないわけで…。
町中に職員を配置して追って行ったり、その追っかけっこが、面白かった。
こんな風に、自分が知らないうちに、
誰かに行動を見られてたりするんですね~。
防犯のためとはいえ、管理されすぎていて、ちょっと、怖いです。
この防犯カメラに写る暗殺者レイン(椎名桔平)が、
フツーの人に見えて、なんだか、良かった。
存在感がないという、批判的なレビューも多いんですが、
東京の雑踏の中に紛れてる感じが、かえって、リアル。
彼を追うCIAアジア支局長のホルツァーが、これまた、面白いんですよ~。
キレ者のはずなのに、別の意味で、すぐにキレまくります。
地下鉄の真ん中なのに、部下に「銃を撃って殺せ!!」って喚くし、
町中のコインロッカーは、勝手にぶっ壊すし。
やりたい放題なのに、失敗の連続で、なぜ左遷されないのかが不思議…。
ゲイリー・オールドマンという名優だからこその、存在感を放っていました。
そして、さすがだと思ったのは、柄本明と若松武史の刑事コンビです。
CIAとは別に、暗殺者レインに迫っていくんですが、いいですよ~。
もう1人、事件のカギを握る官僚・川村(中原丈雄)。
いますよね、こういう官僚。
映画を見た後、エレベーターホールでばったりとお会いし、握手をしてもらいました。
トップ画像のとおり、
椎名桔平と長谷川京子に焦点を合わせた編集&宣伝をしていますが、
そこは面白くありません。
東京の中にある、
異質な存在(街頭カメラ・暗殺者・CIA)をメインに見てください。
スッキリして、普通の日本映画には見られない面白さを感じると思います。
**** 椎名桔平、舞台挨拶 ****
妊娠中の長谷川京子、ニューメキシコで撮影中のゲイリー・オールドマンの
メッセージビデオに続き、スーツ姿の椎名桔平が登場しました。
お話好きで、楽しい方でした。
この映画の魅力をたっぷり語ってくれました。
(オフレコの部分は約束したので内緒です。ミヤネよ~)
より
椎名桔平主演『雨の牙』カンヌをステップに世界へ
(2009.04.25付)
<初日のお客さまを迎えて、いかがですか?>
雨の中、朝早い上映なのに、来ていただけて嬉しいです。
1年前に撮った作品を見ていただいたわけですが、
上映後の舞台挨拶は、これが初めてです。
雨が降っていますが、『レイン・フォール』ということで。(拍手)
<ゲイリー・オールドマンさんが、プレゼントしたセーターのことを聞いていましたが>
普段は、クローゼットにかけてあり、あまり着ていません。
でも、今日は椅子にかけて、「ゲイリー、行ってくるよ~」と話しかけてきました。
<ゲイリー・オールドマンさんとの共演はどうでしたか?>
当時、僕もエキセントリックな役が多かったので、
スクリーンでゲイリーを、「どうしたらこんな風になれるのか?」と
思いながら見ていました。
そんな憧れの俳優と共演できて、本当にうれしかったです。
どの先輩からも学ぶことは多いですが、ゲイリーは特別な存在です。
最後のシーンは、ワンカットの長回しなんです。
8ページくらいの台本で、10分くらいの長さなので、
映画と言うより、舞台に近い感覚でした。
彼を見ていて、「これでいいんだ・・」とか、新しく学ぶことが多かったです。
<英語でのセリフ、初めて見るような東京もありましたが、
どの初体験がインパクトがありましたか?>
変わった日本映画だと思います。
まず、原作は元CIA捜査官のアメリカ人。
アメリカ人が、東京を描いています。
そして、監督やスタッフはオーストラリア人。
東京で撮影してたんですが、現場は英語ですから、
日本にいる気がしませんでした。
だから、日本映画なのに、不思議なんですよ。
撮影していても、どんな映画になるのか想像できない。
日本映画は、1台の固定カメラが主流なんですが、
固定せずに、2台を回し続けていましたし。
テストもなく、一発撮りのシーンもありました。
<最後に一言>
日本映画には、伝統的な部分がありますが、
それとは違う可能性もあっていいんじゃないかと思います。
海外から監督を招くなど、トライアルした映画です。
こんな風に作られる、きっかけになればいいなと思います。
皆さんにお届けできて、うれしいです。
雨の中、集まってもらって、ありがとうございました。
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久々のレビュー・・・さすがですね。
観てみようという気になっちゃうからすごい。
最近はチョッと映画とかのキブンにならない。「アンティーク」は観ましたが、あとが続かないです。レウォン症候群が長いんだよね。
でも、決して、期待しすぎないように…。
レウォン君の『仁寺洞スキャンダル』、調子よさそうですね~。
韓国映画の元気が戻ってきてるようで、うれしいです♪